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僕には全く理解ができなかったおっさんのど忘れあれこれその…


あれこのその...

今日の話は、短めの話しだよ。

では、いきなりだけど
さっそく本編へ!
 
その日、僕はいつもと同じく
休憩室にて、コーヒーを飲んでいた。
 
するとそこに、いそいそと、
おっさんがやってきて言った。

おっさん
「あのぉ~あれあるやん?あれあれ!
 なんやったけなー。あれやねんけど、
 わかる?あれよ。

 この~あのぉ~その~。
 なんやっけなぁ~。
 
 とりあえず…あれやねんけど、
 もしかしてやってくれた??

 もう、ここまで出てきてるねんけどなー」

 
ここ最近のおっさんは
ボキャブラリー不足に加えて
ど忘れが多くなっていた。。。

僕 
(いやいやいや知らんやん………。
 手掛かり今のところゼロやでな笑)
 
そう思いつつも、
優しい優しい僕は言った。
 

「なんかちょっとでええから、
 手掛かりになる
 ワード出てこうへんの?

 さすがに、”あれこれその”
 だけじゃ無理やわ笑」


おっさん 
「んーーーー。。出ない!笑」
 

(それはさすがに無理やろ…。
 とうとうこの人も、もう歳やな………笑)
 
そこへ、ドタドタ
と休憩室に入ってくる音がした。

美奈代だ。


美奈代
「おっさん!おっさん!
 ”あれ”やっといたで!!!

 おっさん忙しそうやったから!!!

 そのぉ~あれで良かったんか、
 わからんかったけど!」
 
おっさんは、
ここにきて歓喜の表情である。

おっさん
「助かったわー!!!ありがとう。
 あれ、なんとかなったてことやんな?」

グーサインの美奈代が返す。

美奈代
「なったで。完璧!!!!私天才!!」

全くもって二人のペースに
ついていけない僕は
呆気に取られていた。
 
その後、しばらくして
おっさんが休憩室を出て行った後に
美奈代に僕は、さっきのことを聞いてみた。

僕 
「なーなー。さっきの、
 ”あれこれその”の
 
  おっさんとの会話の
 
 ”あれ”ってなんのことやったん?」

美奈代が、
ちょっとだけ思い出すそぶりを見せて
返してくれた。

美奈代 
「あれってのはな、職場に飾ってある
 毎月変わる、新しい“はなこ”の写真を
 印刷して、飾ってくれた?ってことやで」
 

僕 
(え……すごすぎん?
 ”あれこれその”だけで
 そこまで通じ合えるん?笑)

僕は苦笑いで答えた。


「ごめん、俺はそれやってないわ…」

美奈代は言った。

美奈代
「ええねん、ええねん。
 私やったから気にせんといて」


(いや、全く気にはしてないけれども…)

また次回。
 

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(๑╹ω╹๑ )