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#310 後悔

昨年の9月、愛犬が亡くなりました。

保護犬としてウチに来てから約1年半。早すぎるお別れでした。

今日のnoteは私の可愛い可愛い妹、ひめちゃんが亡くなった日にスマホのメモに残した文章です。ペットを飼っている人やペットを家族に向かい入れたいと思っている人に、お別れの日を想像してもらうために公開します。




私がもっと必死になって助けようとしていたら絶対助かってた。

私のせいでひめちゃんは死んだ。

勉強に集中出来ないから放っておいた。

いや、怖かったから見ないふりをしてた。

いつものことだと思ってた。

でもママが血相を変えてひめちゃんのところへ飛んで行ったとき、初めて「あ、この子は死んだんだ」って思った。心臓がドクドクしてたのが聞こえた。この音がひめちゃんの心臓から鳴ってたらいいのに。

ママが来るまで私は何してた?

提出期限が切れた宿題やってた。たいして集中もせずに。


私が心臓マッサージでもしてたら、

早くママを呼んでたら、

病院に連れて行ってたら。

パパがあんなに動揺してたの初めて見たよ。パパはひめちゃんを愛してた。

私もきっと愛してた。でもひめちゃんよりはターボ、ひめちゃんの病院よりは家でゴロゴロ。ちょっかいばっかりかけるし、怖がらせるし、イライラしたらひめちゃんにあたってた。

ごめんね。こんな自分で。

でも私、ひめちゃんと仲良くなりたいと思ってたよ。

それならずっと見とけよ、って話だよな。

ごめんね。

短い時間だったけどあなたに出会えた私は幸せだよ。頑張ったね。

あなたが笑ってるように感じられたとき、こっちも嬉しかったよ。

ありがとう。
ずっと大好きよ、愛してるよ。
ありがとう。

動物病院には生きてる動物がたくさんいた。

おい、そこの元気そうなコーギー。長生きするんだぞ。

そして私は、家に帰ってからのことを考える。重たーい雰囲気やだな。でもきっと重い雰囲気はターボが和らげてくれるだろう。

ターボよ、君がいてよかった。
大好きだぞ。愛してるぞ。長生きするんだよ。

死んで時間が経つと、ひめちゃんの体は石のように固かった。目も口も空いてるのに、機能してない。

ああ、本当に死んだんだ。

もう帰って来ないんだ。

病院で体を綺麗にしてもらって、段ボールにふかふかのタオルと一緒に入れられたひめちゃんは死んでいた。

病院から家に帰ってきたあと、私はジャンキーなカップヌードルを食べた。体に悪い味がした。それからすぐにシャワーに入った。

シャワーを浴びて鏡に映った自分を見ながら考える。まさか死んじゃうなんて思ってなかったから私は放っておいた。

早く終わらせなくちゃいけない宿題に取りかかろうとしていたところだった。スマホ見てダラダラしてたくせに。

咳を連続でし始めたとき、流石に心配して近くまで行った。けど、怖かった。何か吐き出したら片付けるのめんどくさいし、犬が嗚咽する声は気持ちが悪い、苦しそうで怖いんだ。だからママが来てからでいいと思った。


数分後、落ち着いたと思ったらなんか様子がおかしい。体がビクッ、ビクッとなっている。

さすがにママを下に呼びに行こうと思った。でもきっと仕事中だろうと思った。仕事場に入るのは勇気がいるから、きっともうすぐ上に上がってくるから、私は目の前で死の淵にいる愛する妹を見捨てたんだ。

あのとき、すぐに大人を呼びに行ってたら、病院に電話していたら、抱いて病院まで走っていたら、あの子はきっと今も生きてた。

あのとき、あなたは私をどんな思いで見ていたの?

”なんで目の前にいるのに助けてくれないの?”

なんて思ってたのかな。犬の思っていることが分かればいいのに、言葉を話してくれたらいいのに、そんなこと思っても仕方ない。

私は初めて家族の死を経験した。

 


私の最愛の妹(チワワのひめちゃん)が亡くなったときのことを書きました。

今は家族全員、悲しみから立ち上がって前を向いています。

命あるもの。

亡くなった命と鼓動するこの心臓。

なんてことないこの毎日は、キセキの数珠玉。

ペットを飼っている人へ。
いつか別れが必ず来ます。その日までの1日1日を大切にしてください。先人をもって死ぬ気で守ってください。

ペットを飼いたいと思っている人へ。
もう一度考え直してください。あなたの人生をかけてその一つの命を守れる覚悟がないなら、絶対飼わないで。あなたは、命を預かる責任が持てますか?

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