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ワタクシ流☆絵解き館その77 青木繁「水浴」は、「わだつみのいろこの宮」へと収斂(しゅうれん)されていった。

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   青木繁 「水浴」 水彩 1905年  アーティゾン美術館蔵

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「水浴」の絵の上に「わだつみのいろこの宮」の豊玉姫を、透明度を高めて重ねてみても、違和感がない。下絵といってもいいくらいだ。
(下に掲げた左の図。 右は加工していない「水浴」の同じ部分。)

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「水浴」を描いたのと同じ年に「大穴牟知命」が描かれている。この当時、青木繁は、古事記や日本の説話に題材をとった絵を、さまざまに構想し、浮かんで来る想念を、鉛筆素描や水彩で素早く描き止めていたのだろうと思う。その多くは今では行方不明なのだろうが、そうした想念の断片が、わずかに残ったこの絵、「水浴」には見えている。
                                                                         令和3年11月    瀬戸風 凪

この記事は、ワタクシ流絵解き館その4「黄泉比良坂」の絵解き、を読んでもらうと、いっそう理解が深まるはずです。ぜひ、その頁にもお寄りください。




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