感情論は間違いか
印象に残った話。
Start with WHY.
Apple社はなぜ、競合多数の中で革新的なアイデアと頭抜けた成績を残し続けるのか。
キング牧師はなぜ大衆の心を掴めたのか。
ライト兄弟はなぜ空を飛べたのか。
彼らに共通する理論。
それが「ゴールデンサークル理論」
合言葉は「Start with WHY.」
例えば、
A
私たちはついに最高のパソコンを作った。
持てる全ての技術と情熱を注ぎ、最高のPCを完成させた。
このデバイスは、世界を変えられる。
B
私たちは、自分の手で世界を変えられると信じている。
世界を変えるべく、持てる全ての技術と情熱で、PCを完成させた。
このデバイスは最高の逸品である。
何となくBのプレゼンの方が良い響きではないだろうか。
Aのプレゼンは、
最高のPC=商品
→技術と情熱=方法
→世界を変える=信念
の順で、
Bのプレゼンは
世界を変える=信念
→技術と情熱=方法
→最高のPC=商品
の順で言葉を並べた。
つまり、
why信念→how方法→what商品
の順に情報を伝えると、直感的共感を得やすくなるのだ。
キング牧師は最初に最初にプランや自身のセールスポイントを述べるわけではなく、
「私には夢がある」
と自身の信念を口にした。だからこそあの日、
ワシントンに集まった20万人はキング牧師の言葉に耳を貸したのであった。
ライト兄弟のチームは、大学卒業者なし、話題性なし、金なし。しかし情熱と信念があった。
その結果、有人動力飛行を実現した。
彼らのライバルであったサミュエル・ラングレーは、ハーバード大卒で人脈十分、アメリカ陸軍省から多額の支援金、NYタイムズ紙などで連日報道と状況は完璧そのもの。
しかし彼らのチームには情熱がなかった。
富と名誉のために働いていた。
実際、ライト兄弟が飛行に成功した翌日にチームは解散した。
人々は何か行動を起こそう、または促そうとする時、whatから伝えがちである。
「○○というデータがある。だから△△をしよう!そして□□を成し遂げよう!」
これでは人の心は動かない。
人の決断や行動を司る大脳辺縁系には言語能力がない。つまり、いくら形だけのデータや言葉を語りかけても、
「なんか納得感がないなあ」
となって終わるだけ。「納得『感』」なのは言語能力がないから。
だったら最初から、相手の大脳辺縁系をぶん殴るような、心を揺さぶる強い言葉をぶつけて行動を促し、データは後から付け足せば良い。
人を導く立場の人、人の前に立つ人。
君たちのもつ信念や主義信条は、導かれる人々に伝わっているだろうか。
Start with Why - Simon Sinek at TED
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