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変な夜

8/16(水)
天気:良くない

高校野球を見終わって余韻に浸ってると

「テンテテテテンテンテンテーンテン」

突然スマホが鳴った。電話だ。

液晶画面を見ると中学時代の友人A君。

ここ1年近く連絡がなかった彼からの着信。

一体なにごとか。

不安に思いながら通話ボタンを押し、スマホを耳に当てた。

「もしもし?」


「頼む、助けてくれぇ」


一旦耳からスマホを遠ざける。  

あれ、あれ?!

不安的中?!

僕は一瞬で、都会の高層ビルの屋上、柵の向こう側で僕に電話してるA君の姿を想像して

「おぉい大丈夫か?!」

と、思わず大きな声を出してしまった。

「いやぁ、それがさ」

絶望の彼の口から何が語られるのか、緊張が僕の全身に走りわたる。


「なんかモタモタしてたら新幹線乗れなくて、てか新幹線に乗る金もなくてさぁ」


ん??

「今日泊めてくれないかなぁ」

一旦耳からスマホを遠ざける。


いや、ホッ。そんで、いや、なんだよ

むやみやたらと心配させるなよ!

「もちろんいいけど....なんだよ!」

安心した僕は、A君に強く当たってしまった。

「ごめんなあ急に迷惑かけちゃって」 

いやいや、そんなんどうだっていいから。

別に迷惑とも思ってないから。

そんなことより!

しばらく連絡取ってなかった友人への電話で

第一声目に「助けて」と言うなあ!!


まったく、世話の焼ける友人だぜぃ。

まあそんなこんなで、うちに泊まりにきた。

相方とも初対面。なぜかお互いにパンイチになってしばらく談笑する相方とA君。


「いや誰?!」

相方のツッコミが炸裂した。

ああそういや詳しいことはなんも説明してなかったわ。名前すらも。

事の経緯と素性を説明。かくかくしかじか。

そうして、まあとにかくよかったねということで

仲良く3人で、パンイチでカップ麺を食べた。

うん。そんな、変な夜。

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