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人事の役割〜採用業務を網羅的に実施するための解決方法〜

こんにちは!ポテンシャライトです!

採用パートナーとして採用支援をさせていただいているお客さまから下記のお悩みをご相談いただきました。

「人事のやるべき仕事内容が多く、手が回っていない」

おそらく会社規模やフェーズに関わらず、多くの採用担当者さまも一度は思ったことがあるのかもしれません。人事の業務範囲は広く、「採用業務」の中でも多岐に渡ります。その採用業務全領域をパーフェクトに実施されている人事の方はほぼいないと思います。理由は以下3つに分かれます。

(1) 繁忙
その他の業務に時間を取られてしまい、本来時間を割きたい業務に割くことができない

(2) 何をどのように実施しればいいのか不明
やらなければいけないことは認識しているものの何から実施すればいいのかわからない

(3) チャレンジしようと思っても許されないカルチャー
該当業務が軽視されてしまい、チャレンジすることが難しい会社である

これらの事象に対して、人事は何をすべきなのか、どのような人員配置と役割分担をすれば、採用活動がうまく回るのかについて本ブログでお伝えできればと思います。




1. 人事とは


人事の役割とは

「企業の目標達成のための人材を確保し、その人材を活用するための仕組みや環境を整えること」

人事という仕事について 役割や最近の潮流を解説

採用から退職まで、「人材」に関することすべてが人事の仕事です。
もう少し細かく説明すると、人事の仕事は大きく下記の5つに分類することができます。


人事と聞くと、「採用」や「社員の昇進・昇格」を決める役割をイメージする方が多いかもしれません。人事が担当する業務は、人材の育成や従業員が安心して生産的に働けるための環境の構築など多岐にわたっており、会社の人材に関することについて幅広い役割を担っていることがわかります。


2. 採用担当者の業務を全て洗い出してみる


次に人事の中で採用を担う「採用担当者」の業務はどのくらいあるのでしょうか。
書類選考や日程調整などの採用オペレーションやスカウト送付、エージェントとのコミュニケーションなどの母集団形成が中心かと思われますが、実際は皆様の想像よりも多いかもしれません。

採用担当者の業務は、大きく下記の7つに分類することができます。

(1) 採用戦略
(2) 採用マーケティング
(3) 選考業務
(4) 組織設計
(5) 評価
(6) 母集団形成
(7) タレントマネジメント

そして(1)〜(7)の各項目の詳細は以下の通りです。

これらの業務すべてを人事あるいは採用担当者の方々が担っていると考えると、冒頭の「人事のやるべき仕事内容が多く、手が回っていない」というお悩みも理解できます。


3. 採用担当者がやるべき仕事内容に優先順位をつけてみる


前項では、採用担当者の業務内容すべてをお伝えいたしました。本項では、その業務内容の中でも「優先順位」をつけ、実施すべき業務を整理していきましょう。

前項で提示した7項目を星3段階で優先順位をつけるとすると、私は以下のようになるのではないかと思いました。

ただ、上記優先順位は「採用担当者のポジション/役職」「会社のフェーズ」によっても役割や優先順位が異なると思います。したがって、ポジション別、会社のフェーズ別によって業務内容の優先順位を割り出してみます。

3-1. ポジション別


(1) 採用担当者

皆様がイメージしやすいのは、こちらの「採用担当者(メンバークラス)」ではないでしょうか?自社の採用成功のために「行動量」に重点を置いた業務が中心になります。したがって、以下の優先順位になるかと思います。

(2) 人事(採用)マネージャー

人材の採用や育成、人事管理に関する業務を統括する役割を担う人事部の責任者を指します。経営陣が策定した経営戦略に沿って人事戦略を粛々と策定・遂行する存在である本ポジションは採用業務の上流工程を担うことが多いため、以下の優先順位になるかと思います。

※採用マネージャーであれば(1)同様に「組織系」の業務はなしの可能性が高い

(3) CHRO

「CHRO」とは、「CHRO」とは、Chief Human Resource Officerの略称であり、日本語で「最高人事責任者」を意味します。経営陣の一人として戦略人事を実行するとともに、人事関連のすべての業務に責任を持つポジションです。

人事部長や人事マネージャーとの違いは、「経営に関与しているか、いないか」です。

経営計画やビジョンの達成、組織づくりの推進に向けて、人材資源をいかに調達・配分すれば良いか、課題がある場合にはその解決策をも提示し、滞りなく施策が遂行されるよう管掌することになる。時には現場の声を吸い上げ、経営戦略を改善する役割も担う「CHRO」は以下の優先順位になるかと思います。

※HERPは定義が企業によって大きく変わるので除外いたします


3-2. 会社のフェーズ別

会社のフェーズによって採用すべきポジションや採用手法が変わってきます。それに付随して、「採用業務」の優先順位も異なるのではないかと思います。

以前弊社寶田が執筆したブログを参照に説明していければと思います。


(1) シード期

PSF(Problem Solution Fit)前のフェーズ、つまりプロダクトが課題解決をできるのかの検証前のフェーズ。そのため、とにかくプロダクトを作る、という意味合いで「CxO(COO)」と「エンジニア」の採用をオススメしております。

主に、リファラルや業務委託での採用がメインになることが想定されるため、以下の優先順位になるかと思います。

(2) シリーズA・B

プロダクトがPMF(Product Market Fit)してきて、一気に採用を踏み、急拡大していくフェーズでは、様々な職種の採用がぐいっとスタートするタイミングでもあります。1人目人事を採用していく本フェーズでは以下の優先順位になるかと思います。


(3) シリーズC〜上場

本フェーズでは、社内の働く基盤を整えることと企業のブランディングを推進するために採用業務の役割も多岐にわたります。ほぼすべての業務を実施しなければいけない本フェーズの優先順位は以下になるかと思います。


4. 採用担当者の業務内容にかける時間を洗い出してみる

前項では業務内容の優先順位をポジション別、会社フェーズ別に洗い出しました。本項では、業務内容にかける時間が実際どのくらいあるのか整理していきます。

※弊社独自の視点となりますので一部認識の相違があれば申し訳ございません!

採用業務の中でも時間が算出しやすい業務を例に挙げました。
ご覧いただくと分かる通り、「選考業務」でデイリー約5時間、「母集団形成」でデイリー約3時間費やさなければいけないことがわかるのと同時に1日の労働時間業務が本業務で終わってしまうことがわかります。
したがって、「選考業務」や「母集団形成」を中心に業務をしている「採用担当者」に「採用マーケティング」や「採用戦略」、「評価」、「タレントマネジメント」など他業務に費やす時間が業務時間内にないことがわかります。

では、どのような役割分担をすれば、採用担当者が「採用マーケティング」や「採用戦略」、「評価」、「タレントマネジメント」などにリソースや時間を割くことができるのでしょうか。


5. 2つの解決方法

前項では、採用担当者が「採用マーケティング」や「採用戦略」、「評価」、「タレントマネジメント」などにリソースや時間を割くことができない旨、お伝えしました。

本項ではその解決方法を提示いたします。

具体的な解決方法は「2つ」あります。

(1) 「外部人事」に委託する
(2) 「内部人事」を新しく採用する

※外部人事とは:
自社に属さない人事を指し、業務を外部へ委託すること。
例えば、採用代行会社(RPO)や業務委託/副業/フリーランスの方々が挙げられる。

それぞれの活用方法について深ぼっていきましょう。


5-1. 「外部人事」に委託する

採用代行会社(RPO)や業務委託/副業/フリーランスの方々に業務を委託する本解決方法では、どの業務を委託するのかによってもパターン分けできるのではないかと思います。
採用担当者の業務内容でも「組織設計」「タレントマネジメント」「評価」は内部人事で担ったほうが良いかと思いますので、それ以外の業務内容に絞った上でパターンを提示いたします。

<外部人事への委託する際に「除外」とする業務内容>
・組織設計
・タレントマネジメント
・評価

<外部人事への委託する際に「対象」とする業務内容>
・採用戦略
・選考業務
・採用マーケティング
・母集団形成

以下4パターンに分けて説明いたします。

5-1-1. パターンA

こちらは採用業務のほとんどを「外部人事」にお任せするパターンです。専任の採用担当者がいない、あるいは採用担当者を必要としていないフェーズで発生する可能性が高いです。
弊社ポテンシャライトにもご依頼いただく可能性が高く、「経営陣」と同じ目線で採用業務を伴走する役割です。

5-1-2. パターンB

こちらは採用戦略・戦術以外の業務を「外部人事」にお任せするパターンです。専任の採用担当者がいるが手が回っていない、あるいは経営陣で採用戦略や方針は決まったがリソースを費やす方がいないフェーズで発生する可能性が高いです。

5-1-3. パターンC/パターンD

こちらは業務の一部を「外部人事」にお任せするパターンです。決裁権が「内部人事」にあるため、業務を円滑に進めながら「採用担当者」と同じ目線で伴奏する役割です。

自社の状況やお任せする業務内容によって、外部人事に委託するか否かのご参考になれば幸いです。


5-2. 「内部人事」を新しく採用する

本解決方法では、どの業務をお任せするのかによって採用ターゲットも変わるのではないかと思います。「2」で挙げた7つの業務内容から採用ターゲットを整理いたします。

(1) 採用戦略
(2) 採用マーケティング
(3) 選考業務
(4) 組織設計
(5) 評価
(6) 母集団形成
(7) タレントマネジメント

そして(1)〜(7)の各項目の詳細は以下の通りです。

5-2-1. 採用戦略

同業務をお任せする場合、以下2つが採用ターゲットになりうるかと思います。

(1) 事業会社での人事経験者
(2) 採用代行企業(RPO)での上流工程経験者

事業戦略から導き出した適切な採用ポジションと採用人数の洗い出し、採用ポジションから導き出した適切な採用手法と採用戦術を備えている人材は上記2つが考えられます。

5-2-2. 採用マーケティング

同業務をお任せする場合、以下2つが採用ターゲットになりうるかと思います。

(1) 事業会社での人事経験者
(2) 採用代行企業(RPO)での採用マーケティング経験者

認知・興味・応募獲得や選考遷移率向上のために企業として何を打ち出すべきなのか。そのノウハウや経験を備えている人材は上記2つが考えられます。

5-2-3. 選考業務

同業務をお任せする場合、以下4つが採用ターゲットになりうるかと思います。

(1) 事業会社での人事経験者
(2) 採用代行企業(RPO)での選考業務経験者
(3) 人材紹介会社での就業経験者
(4) (採用オペレーションに限る)人事アシスタント経験者

面談・面接の対応や求職者さまとのやりとりが発生する同業務では、採用業務に関わったことのある方が採用ターゲットになるかと思います。

5-2-4. 組織設計/評価/タレントマネジメント

同業務をお任せする場合、以下2つが採用ターゲットになりうるかと思います。

(1) 事業会社での人事経験者
(2) 人事組織コンサルティング会社での就業経験者
(3) 採用代行企業(RPO)での組織領域経験者

企業内部の人事評価や組織設計が発生する同業務では、これまでの中で1番ターゲットが少ないです。同業務をお任せしたい場合は「事業会社での人事経験者」を採用することがメインになるでしょう。

5-2-5. 母集団形成

同業務をお任せする場合、以下が採用ターゲットになりうるかと思います。

(1) 事業会社での人事経験者
(2) 採用代行企業(RPO)での選考業務経験者
(3) 人材紹介会社での就業経験者
(4) 職種未経験者

採用媒体でのダイレクト・リクルーティング業務やエージェント運用などが発生する「母集団形成」ではもちろん採用に関わったことがある方が対象になります。ただ、媒体の仕様やノウハウを学ぶ意欲が高い方であれば未経験であってもお任せできる可能性は高いかと思います。

自社の状況やお任せする業務内容によって、採用ターゲットを選定する際にご参考いただければと思います。


6. まとめ


改めて本ブログでお伝えした内容をまとめると下記の通りです。

・「採用業務」は7つに分類され、優先順位はポジションや会社のフェーズにより異なる
・「選考業務」と「母集団形成」で1日の業務時間が割かれ、「採用マーケティング」や「採用戦略」、「評価」、「タレントマネジメント」など他業務に費やす時間が少ない
・上記解決方法は「外部人事に委託すること」「内部人事を新しく採用すること」の2つがある
・自社の状況やお任せする業務内容によって、「期待する役割」や「採用ターゲット」が異なる

どのような人員配置と役割分担をすれば、採用活動がうまく回るのかについて記載させていただきました。是非ご参考にしていただければと思います。

最後までご覧いただき、ありがとうございました!

当社の採用/人事組織系支援にご興味がある方はお気軽にお声掛けください。

また、ポテンシャライトでの仕事にご興味のある方はこちらをご覧ください!


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