D&D(ダンジョンズアンドドラゴンズ)リプレイ「お嬢様の恍惚」 第1-12話『地図を標すもの』(未完結)

!注意!
本作はD&Dシナリオ「ファンデルヴァーの失われた鉱山」を基にしたリプレイです。ネタバレを含みます

警戒するローグにエンナが答える
「人探しかな?依頼主がこの奥に連れていかれたみたいなんだ。巻き込まれてしまっていて」
「人探しね..後ろにアヤしいやつらもいるけど?」ローグがこちらを伺う
たしかにイヴェルは怪しいが、いいところもあるのだ。すぐにわかるだろう
「お前たちこそ、領主が放った追手ではないのか?」イヴェルもやりかえす

「あなたの知り合い?」エンナがこっそり話しかけてくる
「違うわ...気づかない?あの子、ノワールと名乗ってるけど、どうみてもグレイよ」
「そうだけど...いまはそれを指摘できる状況じゃない」
「少し話してみましょう。どのみちこの戦力じゃ先には進めない。それにあのローグただものじゃない。敵に回すと面倒。仲間にできないかな」
「それなら私に任せて。説得してみる」
ここはエンナに任せよう

「私たちはグレイにさっきまで世話になってたんだよ」エンナが仕掛ける
「みんなお姉ちゃんの部下ってことね!」ノワールがとんでもないことを言い出す
絶句するエンナ
...重い沈黙が流れ...
いけない!流れを切らねば!
「そうよ!」困ったときはyesである。発言はもちろん私だ
「森の戦士は素晴らしかったわ!」
エンナは「ちょっと...」とつぶやく
イヴェルはガイコツ図鑑を細工している。ひそかな復讐だ。こわい
「...では彼女の介抱を手伝ってほしい」ローグが神妙な面持ちで依頼してくる
「多分お姉ちゃんは寝かしておけば元気になるよ!安全な場所はないかな...」
ノワールは平らな場所を探してみずからが横たわる

そろそろ言及してよいころ合いだろう。
グレイとノワールは同一人物だ
...語弊があるかもしれない
つまり、同じカラダを共有しているが、記憶や人格は別、ということだろう
連れのローグが話を合わせているところからみて、突発性のものではなく慢性のものではないか
どちらが本物なのか、ということはあまり意味がないし興味もない
重要なのは好きか嫌いかだ。そしてまだ判断がつかない
はっきりしているのは「別人格を指摘するとヤバそう」ということだ
幸い、この場にそれに気づいていないものはいないようだし、問題はない

川下からシンが登ってくる。後ろにラジャもいる。無事なようだ
どうやら様子をみていたらしい
「...俺は流されて疲れた。しばらく休みたい。こいつは見ているから、お前たちは奥へ行ってくれ」
ラジャは周囲を警戒している。疲れている。休ませたほうがいいだろう
(※作者注:この日はシンとラジャの中の人がお休みだったためこのような形になりました)
「お姉ちゃんに何かあったら承知しないからね!」ノワール(グレイ)が念押しする
シンはこれまでみたこともないような優しい、それでいて悲しいような表情でコクンとうなずく
おい、扱いの差について今すぐ争ってもいいんだぞ

「任せましょう。私は...」ローグが身寄りを話しだす
「グラルボ」というようだ。よい名前だ
地図を作っているとのことで、とても壮大で哲学的な目的を持っている。ロマンがあるのはいいことだ
この洞窟にも興味があるようだ
「利害の一致ね」こうなれば事実を述べるまで
「お姉ちゃんの代わりにはなれないけど...グラルボお姉ちゃんがついていくなら私もいこうかな?」
ノワールがむっくりと起きる

「グレイはこのチームでなにをしていたのかしら?」グラルボが聞いてくる
「それw
「リーダーでしょ!」ノワールが答えを待たずにかぶせてくる
ええい、こうなればヤケである。つきあってやろうじゃないか!勢いで後れをとるわけにはいかないのよ!
「そうよ!彼女がいなくては、私たちは先に進めないわ!協力して!」

ー つ づ く ー

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