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Juice=Juiceの『「ひとりで生きられそう」って それってねぇ、褒めているの?』ってなんでジワジワ評判いいの?

「ビジュアル、歌唱力、ダンス」トータルでハロプロNo.1のグループは?と聞かれたら即答でJuice=Juiceと言うだろう。スキルの数値化をハロプロ全体でしてみたら、彼女たちが一番高くてバランスも良いんじゃないだろうか。楽曲だって好きなものが多い。

でも、ライブに行きたいと思うのはアンジュルムなんだよなぁ。なんだか自分の中でのJuice=Juiceの立ち位置が年々℃-uteに似てきている。

そんな中、Juice=Juiceが6月5日にリリースした新曲『「ひとりで生きられそう」って それってねぇ、褒めているの?』がジワジワ評判がいいらしい。

公式YouTubeにMVがアップされたのが5月24日、それからわずか1ヶ月足らずで130万再生以上になっている。これは異例のスピードだ。4月に公開されたアンジュルムの『恋はアッチャアッチャ』が128万再生なので、いつの間にか抜かれてた。

Juice=JuiceのMVは平均で50万再生前後、一番多い再生回数で5年前のデビュー曲『ロマンスの途中』が340万再生。最近では1作前の『微炭酸』が5ヶ月で110万再生になってて、これも結構早かった。

ただ、『微炭酸』は今まで少し(意図的になのか)影が薄かった稲場愛香が満を持して宮本佳林とダブルヒロインみたいなイメージのMVが話題になっていたし、曲自体もレベッカの『フレンズ』とかみたいな雰囲気(MVも90年代ドラマっぽい)で僕らみたいなジジィが大好きな曲だったから、なんとなく人気なのはわかる。大人気アルバム曲の『禁断少女』路線だ。

でも、『「ひとりで生きられそう」って それってねぇ、褒めているの?』って、そんなに良い? MVがアップされた時に聴いて「ふーん。なるほど」くらいの印象だったから今の状況の理由が知りたくなった。

まずはYouTubeのコメント。

「YouTubeのおすすめ、広告で出てきて観たらハマった」
「仕事先、バイト先、入った店で流れてて調べたらハマった」

この2つが多い。特に有線は週間チャート4位になっていた。これは凄い。気になった人がリクエストを送る率が高いのだろうか。それからCM。これは構成が良かったんだろう。

「ひとりで生きられそう」って それってねぇ、褒めているの?
とタイトルを淡々と女性ナレーションで呟く。
「ひとりで生きられそう」って それってねぇ、褒めているの?
とサビのコーラスを流す。
「ひとりで生きられそう」って それってねぇ、褒めているの?
と念を押すように女性ナレーションが呟く。
「ひとりで生きられそう」って それってねぇ、褒めているの?
強がり隠す弱さ 誰か見抜いてよ
落ちサビ段原瑠々のソロ
「ジュース ジュース」
検索画面を表示して女性ナレーション。

30秒バージョンの構成だ。今回のタイトルを連呼しているだけだが、これって所謂CMの掴みの王道である「商品名の連呼」だ。あまり一度の回数を重ねすぎるとウザがられるが、絶妙のバランスで置いているので印象値は高いだろう。

更には『最初は無音にナレーションだけを乗せて目を向けていなかった視聴者に「何か言ったぞ」と気づかせ、次にサビの力強い歌で印象付け、再度呟くことで念を押し、最後に段原瑠々の切ない歌声で「強がり隠す弱さ 誰か見抜いてよ」と弱音を吐くことで「分かるわぁ……」と共感させる』というシンプルだけど、いやシンプルな作りだからこそ気を抜いて過ごしていた視聴者にスコーンと突き刺さったんだと思われる。

そしてYouTubeのコメントやTwitterの呟き見ても圧倒的に女性の共感率が高い気がした。これは今までのJuice=Juiceの能力数値グラフで唯一足りなかった項目である女性の支持、女性ファンが食いついた瞬間にもしかしたら今、立ち会えているのかもしれない。

作詞作曲は山崎あおい。個人的に児玉雨子、大橋莉子と共に次世代ハロプロ三英傑のひとりだと思っているシンガーソングライターである。

彼女はアンジュルムにも『泣けないぜ…共感詐欺』や『Uraha=Lover』を提供している。

僕はどちらも大好きな曲だ。そして、どちらも現代女性の心の叫びを歌にしてみたような「つんくとはまた違った等身大の女性目線」の歌詞で、少しアンニュイな雰囲気を漂わせる印象を持っている。

そんな山崎あおいによるキャッチーなパワーワードである

「ひとりで生きられそう」って それってねぇ、褒めているの?

これを全面に押し出した曲作りとプロモーション展開、そこにJuice=Juiceの持っている歌声の力強さと切なさが融合して「全米 感動 号泣」するような共感力を生んでいる事がヒットの要因なんだろう。なるほどねぇ。

そしてもう一点、段原瑠々というハロプロ次世代歌姫の底力。これも見逃せない要因だと思う。ほんとうに最近の段原はビジュアル含めて輝きの最高峰に到達しつつある気がする。当初はパワーで押し切る系の歌い方だったが、いつの間にやら感情を乗せた表現力を身に着けた。そこに加わる圧倒的なスタイルの良さ。スタイリッシュとは段原瑠々である、と言っても過言では無いんじゃなかろうか。

そんな考察をしながら聴き続けていたら、いつの間にか完全にハマっていた。いい曲だわ。大好きだわ。


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