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化粧品OEM業界の課題と将来性、ECサイト・SNSの普及によりDtoCが盛んに、ヘアケア専門商社に聞いてみた。

今回は全国の美容院・ヘアサロン向けに美容関連商材(シャンプー、美容機器の他、⾃社オリジナル美容商品など)を提供するハラ株式会社様のインタビューです。化粧品OEM業界の課題と将来性について、ハラ株式会社企画部の長井様にお話を伺わせていただきました。

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https://hara-beauty.jp/

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YFOSへの問い合わせの中でシャンプーやコンディショナーなどの依頼が多いですが、御社では増えていますか?

ハラ株(長井様):弊社は自社のオリジナル商品を主に作っています。美容院やディーラー、バラエティーショップのお客様を中⼼に、プロユースの化粧品やスタイリング材、美容機器などを卸しています。

OEM案件では、ディーラーさんからが多く、ディーラーさんは様々なメーカーから商品を仕入れていますが、メーカーさんとの契約が複雑であったり、年間3千万円以上の契約など大変な思いをする方もいらっしゃいます。取り扱い商品の中で売れ筋の商品があると、これに似た感じの商品を作りたいといった問い合わせも多いですね。

稀に、雑誌から弊社への取材もあります。弊社の商品を使用しているそうで、商品が気に入ったとのことで、商品紹介のページを作成し掲載したいという問い合わせが来ます。掲載後、ネット通販の企業や美容専売品を販売している企業から仕入れたいとか、この商品のOEMは何個からできますか?という問い合わせがあります。

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その他には、ドラッグストア、スーパーへの卸先がある企業や、ネット販売でB2Cメインでやっている企業が、美容業界にも参入してみたいとおっしゃるお客様が多いですね。


エステサロンなど店舗さんからのOEM依頼は無いことは無いですが、やっぱりロットですね。シャンプーの最低ロットは1,000個で、法人の方からの問い合わせが多いです。OEM業界では1,000個は少ない数ですが、在庫リスクのこともありますので、個人ではなかなか厳しいというのが現状です。御社は100個でも受けられていると聞きました。

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シャンプーは高くても定価3,000円ぐらいかと思いますが、御社でそれよりも定価が高い商品を作ったことがありますか?


企業の意図やターゲットとするお客様など狙いが様々あるかと思いますが、相場的に言うとそれ以上の値付けはほぼ無いですが実績はあります。シャンプーは髪の毛や地肌の汚れなどを洗い流すものであり、洗い流すという事は、付加価値を付けても、上限がある程度決まっていると思います。これまでで一番高い商品は500mlで1万円超えです。しかし、相場に比べると、値段が高いと売りにくいですね。1万円以上の商品も売れますが、数はあまり出ないと思います。

美容室、理容室からのOEM依頼で、シャンプートリートメント以外にワックスやスタイリング剤などもあったりしますか?

スタイリング 剤になるとあんまりないですね。美容室からは参入する人が少ないと思います。やっぱり、シャンプー、トリートメントと かアウトバストリートメントを作りたいと言う方が多いです。

スタイリング剤ならやっぱり、企業が多いですね。取引店舗数が多いメーカーさんからが多いです。

今後、美容業界でどういったものがトレンドになると思いますか?

トレンドはどの業界でもあると思いますが、女性用化粧品の場合は市場が安定していますね。ずっと横ばいで上がりもしないし、下がりもしないです。

男性用の美容市場はどんどん増えて来ていて、男性の化粧品需要は高まっているかと思います。
バラエティーショップでメンズのコーナーがあるかと思いますが、男性用スタイリング剤などは昔から多いですが、最近ではスキンケアのニーズが高まってきています。

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卸販売のスキームとして美容室でのPB商品を扱っていただくのは難しいと思いますが、いかがでしょうか?

美容室への販売方法は対面方式が多いですね。ディーラーさんは直接行って、担当者またはオーナーさんと話をして、商品を売ります。美容室は店舗と違って、商品を売る場所ではなくお客様を綺麗にする場所です。ですので美容室は業務用の方がよく出ますね。安定しますが需要は短いです。多くのメーカーは同じ商品でも2年ごとにリニューアルして、容器も新しくします。

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最近、オリジナルブランドを作るハードルが下がったかと思いますが、OEMの案件は去年に比べると変化はありましたか?

OEMで化粧品を企画し、オリジナルブランドの立ち上げを考えるお客様は個人事業主の方が増えてきました。

例えば、お客様は商品を購入する際、ネットだと1,000円ぐらいで買えるものが、美容室だと1,500円するんですよ。お客様は美容室との信頼関係で最初は買ってくれますが、後でネットで情報を集めるとネットの方が安いと言うことから、ネットで購入してしまうことが多いです。ネットで安く買えると美容室の従業員はモチベーションも下がり、自信をもってお客様にすすめられないです。

それを防ぐために自社のオリジナル商品を作り、こだわり抜いた商品を提案し、お客様のために商品を作ったとなるとストーリー性もあり強みにもなるかと思います。また、サロンのブランドイメージを向上させることもできます。ネット通販・ドラックストア販売による定価ダンピングの心配がないです。安売りに巻き込まれないですし、価格設定も自由で利益率もアップできます。

近年、毎年多くのブランドが新規参入し、海外にも販路が広がりました。OEM会社の数も増加傾向にあり、製造以外にも扱うサービスが多様化する傾向です。

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最近、在庫持たないというお客様が増えていますが、御社の取引先様はいかがでしょうか?


そうですね。やっぱり在庫を持たない企業が増えてますね。
店舗で在庫を持たせない方法は、大手だからこそできます。しかし、倉庫を持つと、色々デメリットがあります。在庫がたくさんあるのに、売れないとか。長期保管された商品は、品質や商品価値の低下につながります。在庫は売れなければ仕入代金を回収できず、利益が発生しないし、保管スペースの費用もかかります。

これまでに商品を販売する方法は「既製品を仕入れて販売する」という方法と「オリジナルを作って販売する」という、2つの方法があります。とくに、オリジナル商品の販売は、自分のブランドを持ちたい方や、ネットショップで競合と差別化したい、という方に非常に人気です。小ロットで製造できますので、在庫リスクもあまりありません。小規模のOEMも増えるということですね。

この変化に対応し、生き残るためには、今、商品開発戦略や販売戦略など再構築を行うことが重要であると思います。

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今回はインタビューのお時間ありがとうございました。化粧品OEMをお考えのお客様は下記のリンクから資料をダウンロードしてください。


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