好きを個性にしたくない
ただ一人で空を見てボーッとしていたいだけなのに、そこかしこに人間の視線が落ちている。
私はそれを拾わずにいられなくて、そんなことをしてる間にいつの間にか青空はどこかへ行ってしまう。
ずっとそうやってきたけど、拾い続けても何もいいことはなかった。
シャボン玉を吹いていても、かばんに忍ばせた白いぬいぐるみを抱き上げていても、そこには必ず視線を拾う私がいて、そうやって自覚した瞬間に好きなことが全部好きでなくなってしまう。
シャボン玉を吹いて、ポンポンと遠くへ飛んでいくのを見ることが