Z級うつ病ログ:ヘルプマークデビュー

昨年のちょうど今頃、7月くらいだったと思う。平日に休みを取ったついでに役所で”ヘルプマーク”をもらった。
はじめは家族からは「障害があるみたいだからやめた方がいいのでは…」「もらうのために審査がいるんじゃないの?」と止められた。家族は今でもうつ病を「若干甘えた病気」でいつか完治すると考えていることが言葉の端々から伝わってきた嫌な思いをしたのを覚えている。

ご存じでない方のためにヘルプマークとはどういうものなのかを公式サイトから引用しておく。

義足や人工関節を使用している方、内部障害や難病の方、または妊娠初期の方など、外見からは分からなくても援助や配慮を必要としている方々が、周囲の方に配慮を必要としていることを知らせることで、援助を得やすくなるよう、作成したマークです。

東京都福祉保健局HPより

自分はうつ病なので、「内部の病の方」に該当する。
なぜヘルプマークを持つに至ったのかというと、鬱で体質が大きく変わり、「易疲労性」を持つようになったからだ。

【易疲労性】
疲れやすい状態・症状。激しい運動などをしていないのに、だるくなったり眠くなったりする。精神疾患や神経疾患の症状として表れる場合がある。

勿論、1年半ほぼ寝たきりの生活をしたことで体力が落ちたのもあるとおもうが、それにしてフルタイムで働いて1年が経とうとしているのに体力がついている気配を一向に感じない。朝家を出てたった5分で息が切れる。電車に長時間乗っていると眩暈がする。呼吸が辛い。手足が痺れる。これからの季節は高温多湿なので余計に息が出来なくなる。学生時代にも電車通学中に眩暈などで電車で倒れて駅の救護室に這って乗り込んだ実績がある。
ヘルプマークをもらいに行く数日前にも電車の中で、たった5分待てば座れたところをあまりの辛さでその場でしゃがみ込んでしまった。これが決定打だった。ヤンキーだと思われたくないから。別に席を譲ってほしいわけじゃない。実際どんなに辛くてもぶっ倒れても席なんて譲ってもらえないしね。ただ「この人がしゃがんでるのはヤバいからじゃないんだ」と同じ電車の人に安心してほしいからヘルプマークをもっている。あれ、また他人からどう自分が見えるかを気にしてしまっているようだ。


ヘルプマークをカバンに付けてもう1年ほどになる。そういえば先週も電車の中で強烈なしんどさと眠気に襲われてしゃがみこんだが、ヘルプマークのおかげか「大丈夫ですか…?」と声をかけてもらった。
因みに新型コロナの後遺症と闘っている自分の家族もヘルプマークを持つようになった。最初はヘルプマークに否定的だった母親が「(Z級)みたいにお守り替わりに持ってたらええねん」と手渡していた。ヘルプマークのあるべき姿を目の当たりにした。

ただ、まだまだヘルプマークの社会的な認知度は低い。半月ほど前、電車で向かいに立っている若い学生が社会人かが先輩らしき人に向かって、「優先座席のところにある赤いマークはヘルプマークって言って”障がい者”がもつやつなんですよ~」と訳知り顔で間違った情報を教えていた。私は根が陰湿で沸点も低いので、腹立ちまぎれによっぽどカバンを見せつけながら「身体障碍者以外も持つんですよ」と言ってやろうかと思ったが、報復にあうと怖いので我慢した。
もっとヘルプマークの正しい認識が広まるようになればいいのにね。

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