見出し画像

【パワポ研のパワポ資料探訪32】グリーンモンスター社のIR資料は、情報量がほどよく見やすい!

様々なパワーポイント資料について解説するこのシリーズ。
毎回大変好評をいただけておりまして、おかげざまで引き続きシリーズを重ねられております(好評だった初回Goodpatch様の記事は以下)。

今回も見どころあるパワーポイント資料について紹介させていただきます。
対象とするのは、グリーンモンスター社のIR資料。グリーンモンスター社は新進気鋭の金融関連IT企業です。

(リンク:事業計画及び成長可能性に関する説明資料

それでは早速見ていきましょう。

表紙

極めてシンプルです。少し簡素過ぎるぐらいですが、問題ありません。パワポとは関係ないですが、ロゴが野球チームみたいで格好良いですね。

ディバイダー

自社商材(アプリ)をきれいに見せていますね。何も関係がない写真も悪くはないですが、読者は「どんな企業なのかな?」と思って読む人もいるような資料(IR関連資料)なので、効果的な写真の使い方かと思います。

グリーンモンスターの事業領域

イメージだけでは伝わりにくいですが、文字を上手く配置することにより「おかね×まなび」という根幹と、その詳細(具体)であるとりまくもの(投資、資産形成、ゲーミフィケーションなど)がよくわかります。複雑すぎるイメージではないので、頭に入ってきやすいですね。

少しだけ残念なのは、ロゴとキャラクターの解像度がもうちょっと高いと嬉しいかもしれないですね。これ以上は触れませんが、資料全体としてイラストや写真の解像度があまり高くないので、ちょっとだけもったいないところです。

おかねに関する悩みはつきない

これはいいスライドですね。メッセージはクリア(みんなお金の不安をかかえているよ)で、かつそれを支える具体的な悩み(税金、給料、老後など)が書いてあり、しかも情報も最小限です。もっとデータをつっこんで書くこともできるとは思いますが、そこまでは全く求められていないスライドです。

情報というのは、増やすのは簡単ですが減らすのは勇気がいります。削りに削ったこのスライドは素晴らしいです。

グリーンモンスターの挑戦

このスライドも情報が少なくてよいですね。自社のコンセプトやバリューを示す際は、ともすると抽象的になりがち、あるいは過度に詳細な説明を記載しがちですが、世間の「どういった課題」を解決するために「どういった方法」をとり、その結果「世間がどうなる」ということを端的にまとめれば実は十分です。そしてこのスライドは、それを非常にわかりやすく表しています。やはり情報量の少なさが魅力です。

そして、スライドと実写(写真)の組み合わせも、見ていて安心感がありますね。

グリーンモンスターの事業構成

他方で、このようにしっかりと事業を説明しなければいけないスライドは、定量データや定性的な情報などをしっかりと記載します。もちろん、自社商材の画像などもそれを補足する貴重な資料になります。

ビジネスモデル

詳細な解説が必要なスライドでは、写真はイラストを減らしてこのようにわかりやすく記載されています。資料全体として、TPOに即したスライドが多い印象です。

売上高推移、及び売上高広告運用費率

グラフが2つ横並びで情報量が多いスライドですが、これも必要があってこのような情報量になっているわけです。ここで過去の年次の分の統計データを省いたりすることでスライドがすっきりするかもしれませんが、そんなことをしてはいけないわけです。必要な情報がこのようにしっかりと掲載されていることが肝要なわけです。

市場背景

TPOで言えば、このように文字が比較的多いスライドもあります。ですが、そこまで(この資料全体からみて)重要な情報ではない場合は文字の大きさを小さくするで、文字ばっかりになって見づらいスライドになることを回避しています。ここでは、「黎明期」~「投資暗黒期」~「個人投資復興期」というタイトルのところだけ見えれば(ある意味で)十分なスライドと言えます。

成長戦略のサマリー

あとはこのような色使いも、この資料のよいところですね。緑とオレンジというのは我が国ではしばしば見られる色の組み合わせ(東海道線の電車など)でもあります。

こういった資料に主に使う色は、会社のロゴ(あるいはコーポレートカラー)が基準になるため、全ての企業が自由自在に色を使えるわけではないので参考にするのは難しいと思います。もし読者の皆様が新しく基準となる色を決める際には、そういった工夫が(ロゴを含めて)あってもよいかもしれません。そうしたタイミングがあれば、明度や彩度を調整していろいろな人が見やすい色を選べるとよいと思います。

まとめ

この資料は「事業計画及び成長可能性に関する説明資料」ということなので、決算説明資料のように細かいデータを出す必要はないというものでした。しかしそれにしても、うまい具合にスライド単位の情報量が制御されているので、何が言いたいかということと、それをサポートするコンテンツが各スライドの中で上手く組み合わさって非常に分かりやすい資料となっていました。

パワポ研オリジナルテンプレート

パワポ研では「ビジネスシーンで使える」パワーポイントテンプレートを公開しております。デザインを整えるのみならず、ロジックやストーリーを整理するのにも役立つパッケージになっておりますので、関心のある方は下記ページも併せてご覧ください!

パワポ研からのお知らせ

上記の記事のように、noteではフォローしているだけでビジネスにおける「資料作成のコツ」と「デザインのセンス」が身に付くアカウントを目指して情報配信を行っています。

今後もコンスタントに記事を配信していく予定なので、関心のある方は是非アカウントのフォローをお願いします!

Template販売
https://powerpointjp.stores.jp/
書籍
https://www.amazon.co.jp/dp/4046060476
note
https://note.com/powerpoint_jp/m/mc291407396da
X(旧Twitter)
https://twitter.com/powerpoint_jp
お問い合わせはこちら
https://power-point.jp/contact

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?