見出し画像

【瓦版】OL時代の大好きな先輩たちについて

やぁ、今は夜だ。考えことをするにはふけすぎている夜だ。

最近は、よくOL時代の先輩達のことを考えている。みんな、いやな癖も良い癖もあって、すきだった。あ〜もう少しだけ、後輩でいたかったな。

今日はそんな先輩たちとの大好きな思い出の一部を書き連ねて心を満たしたい。いま、自分の心はエンプティマークで悲しいからさ。

課長Aさんの場合

まず口が軽い。わたしがセンシティブな話をしてる途中から、遠くにいる別の社員の人にバラすシステムを取る先輩だった。悪気はないようなので毎回ゆるしながら、この話って大した問題を抱えてないんじゃないかと思えスッキリした。さすが先輩だ。ここまで考えてるなんて、、、。好きな食べ物は焼肉。人が焼いてる肉を自分のモノとして食べてくれるので、焼くこちら側も途中からワンコそばの女将さんの気持ちになる。食べろ食べろよ。マッコリを一緒に飲んでくれる唯一の先輩。飲んだらカラオケでEXILEの喉ちんこ飛ぶ曲ばかりを歌う彼は、他の社員の女の子たちを倒していくことに成功していた。私はというと、最後まで倒れないモンスターとして腕を組んで聞いているフリをした。フィリピンパブのケツが可愛い女の子を彼女にしたい、と会社のバックヤードで教えてくれた。新宿のラブホの精算機で札が入らなくて焦ったこと、その間に女が逃げたこと、それを追うボッキ魔の先輩。全てが地獄よ、と言いながらかわいい笑顔を見せてくれるのでファミマのシュークリームを口に押し込んであげた。もぐもぐ食べてお腹をさすり、すぐ歯を磨いていた。まじ失礼。「ちょっと言ってくるわ」と作業服を着て出ていくと、商談を決めて帰ってきて、また焼肉に連れて行ってくれた。「お前みたいなタイプは幸せになれない」とキツイことを言うくせに、私がバックヤードで泣いているとまた焼肉に連れていった。焼肉以外が食べたいんだがと生意気な心に気づいたのか、今度はすき焼きに連れて行ってくれた。上に乗ってる春菊をまとめて食べて見せると「草食べて幸せか?」と。幸せだ。私が会社を辞める時に、「ぜったい大丈夫だよ」と背中をぶっ叩いてシュークリームをよこせのポーズをしてきた。次はなんの仕事をするのか深くは聞いてこなかったし、水商売をするなんて言えなかった。「お前がいなくなると、焼肉食べる人がいないかもしれない」とつぶやいて、また商談に出かけて行った。うるせぇな、死んだわけじゃないんだからいつでも行けますと思いながら夜のメイクをして胸を盛って知らない男の人相手に新しい仕事を始めた。時々のLINE。「吉祥寺、集合」行くと、知らない先輩の同級生がずらり。誰やねん、アキヒコって。さっきからその彼、手が震えて焼酎こぼしまくっとるやん。汚いな、これで拭いてください。経験人数の話でそんなに笑うな。お会計。私が見栄を張って払う。帰り道、バックにはお札が知らない間に数枚入っていた。見栄を張らせてくれてありがとう。LINEを打つ。「今度、焼肉行きましょう」「店、抑えとくね」「ありがとです」「あい」数ヶ月後。金髪ロングで居酒屋に集合した。「ギャルじゃん、最高じゃん」「あざすです」「なにがあったん?」「別に」褒められるだろうとは思っていたが予想通りがうれしい。うれしい。うれしいですわ。お会計。領収書を店員さんに求める彼。「俺も会社辞めて独立したんだ」「えっ!確定申告しようとしてんすか?先輩が?」「これからは確定して申告しまくるからよろしくな」「うるせぇよ」屋号を聞いた。なかなかのキラキラネーム。今のヤンキーでも付けんわ。でも先輩らしくていいんじゃないの。2ヶ月後「7/7〜7/9開けといて。山梨いくから。ギャル男も来る」「かしこまりました」詳細は聞いていない。多分知らないやつがいっぱい来るんだろう。聞いてもうやむやにしてくるから聞くだけムダ、でも楽しいことだけは分かっていた。

営業Qさんの場合

シンプルに借金王。借金の闇に堕ちて血が流れているのに永遠に気付いてない。アコムのカードを握りしめ「ほな、行ってくるわ」と出て行った。「いや、なにしてんすか。返さんと」「今日、ガールズバーやねん」「アホですか?ここにガールズおるやんか」「違うガールズやねん」Qさんは目の前の欲望に弱い。営業成績も最下位。しかし各方面から飲みのお誘いが絶えない。なんでやねん。そこの人たらしの部分、営業に活かして欲しいんだが。私の横の席で、営業部長に毎日しばかれ正座させられ、説教を受けることが日課だった。「おまえなんで島忠の駐車場で昼寝してサボってんだよ。営業行けよな」「いや昼寝というか調査でした」「島忠はクライアントやないやろ」「そうでした」営業部長と私は深いため息。こいつ、まじで頭打って反省させんと耐えられない、でもなんか憎めない。たっぷり怒られたあとは、セブンのアイスコーヒーLサイズを走って買いに行っていた。誰が休憩に入っとんや。走って営業がんばれよと思ってたら、お釣りで買ったチョコボールをくれた。うれしい。ガリガリガリ。「金のエンゼル出たらちょうだいよ」とひょっこりはんのモノマネをしながら、2階に行った。Qさんが2階に行く時は大体ウンコサボりタイム。1時間出てこない。彼宛の電話メモが掲示板に溜まっていく。5枚溜まったら、トイレのドアをガンガン叩くのが私の役目。これが業務内容に入ってるなんてなんて情けないんだろうか。「まだ出てないんや。プレッシャーかけんでくれる?」「うるさいです。クライアントのOさんからですよ、いいんですか出なくて」「早よ言えやそれ!!!」受話器に走り、その場でジャンプ、息を切らし「お世話になっておりますぅうううう、Oさぁん、はぁ、はぁ、あっ今バタついてて…」電話してる先輩の背中に中指を立てて自分の席に戻る。チョコボール一気ぐいした。やはりうまい。会社の締め会、高級中華料理屋。全グループをまとめる社長がネクタイを緩め立ち上がり「ここに商品券10マンがある。俺にジャンケン買ったやつにあげる」沸き上がる俺たち。先輩は両手をつなぎ腕を交差させ、隙間から見える小さな穴を見つめていた。まだおったんや社会人でそれやるやつ。「借金のあてにするわ」「無理でしょ」「見てろ」一回戦敗退。エビチリを無心で食べていたのを見て、私もお供する。「惜しかったですね」「ほんとな」「先輩なら勝てると思ってましたよ」「ありがとう、ほんまいい後輩やな」「私の紹興酒あげるから一緒に飲みましょ」ざらめを溶かした熱々のやつをグイッと飲んだ。「高級な味ぃ〜」安月給の2人、胃に染みるプライスにときめく。「先輩、将来どうすんすか」みんなが酔いすぎて輪になって踊る姿を見ながら言った。「そやなぁ〜とりあえず幸せになろうと思うよ。」「じゃあ借金返さんといかんやないですか?」「そやねん。でも今好きな子おって、ネックレス買ってあげたくて」「ばかじゃないの」私はそこで嫉妬してトイレに立った。鏡に映る自分の顔がこわい。あれ、借金王に恋してたんだっけ、わたし。違う違う。戻ろう。戻ると、酔いどれ集団の中心で踊っていた先輩。店員さんに目配せしてお水を頼んだ。踊りをつまみに、ちびちび飲みながら顔の火照りをさまして、自分の将来が不安になってきた。ここの会社って将来性ないかも。先輩、一緒に逃げないか。水まずい、紹興酒をよこせ。ざらめたっぷりで頼む。踊り疲れた先輩が横に座ってきた。「また飲んでんのか」「こんな高いお酒、いま飲まんといつ飲めるか分からないじゃないですか」「また飲もうよ」「そっすねー」拗ねが取れない。さっきのネックレスのくだりが頭にこびり付いて悔しかった。そしてその夜、ラブホに一緒に行った。横に寝た。疲れてやる気はどちらもない。天井を見て、こいつの好きな人は私じゃないなだと思うと泣けてきた。「何泣いてんの?」って聞いてくれたから「最近死んだ人のこと考えてて」と演技した。みんなすこぶる健康で生きている。ちんちんは触ってみた。やる気がない。はぁ。いや、おっぱいはそこじゃないから、慣れてないなこの人。はぁ。「とりあえずさ、借金返しません?わたし、アコム毎週ついてってあげますよ」「なんでついてくるん?」「応援です。ただの。ひとりであのATMの機械に向き合うのって寂しくないですか?」「せやなぁ、優しいなぁ自分」「面白そうなので付いてくだけです」「へぇ、、」寝た。さみしいのは私のほうで200万の借金返済スケジュールを頭の中で組み立てた。叱咤激励のスケジュール。ネックレスは買わせてやろう。おっけー、あと3時間後にまた会社や。おやすみなさい。

毎日、瓦版のように世の中で起きたかもしれない、いや起きてないかもしれない個人的大事件を軽く書き連ねていきます。世の中、苦しいニュースばかりで耐えられないので自分で書くことにしました(動物が産まれたニュースばかり希望)。完全見切り発車小説、としとこう。瓦版があった当時、2〜3文で売られていたようなので、今回から書いていく瓦版も100円にしたいです。これを最後まで読んで気に入ったら100円サポートしてください。記事のオススメボタンも押してもらえると飛んで喜びます(^^)やった〜。


小説を出しました!👇
『全部を賭けない恋がはじまれば』
(ひろのぶと株式会社)

ぜひ読んでください。いろんな人生を詰めた本です。感想、すご〜く嬉しいです。ぜんぶ読んでます◯精神がお腹いっぱいになります。

この画像をポチッとするとAmazonへGO


思いっきり次の執筆をたのしみます