「脳からみた学習」を育児や学習に活かすメモ(3兄弟のパパ家庭教師)

結論は、下にある目次の★を押せば読めます。お急ぎの方はそちらをどうぞ。


★結論:学習に適した時期はあるものの、人は成長し続けられる/右脳・左脳による分類は無意味

脳科学の結果、明確に否定されている神話が全部で8つ紹介されていますが、その内容を、大きく二つに分けて紹介します。

1 学習に適した時期はあるものの、人は成長し続けられる

「3歳児までに発達の重要な段階は決める」のような三歳児神話の否定
人のシナプス密度は10か月をピークに減少していき、10歳になるころに安定するという結果は存在します。しかし、シナプス密度が学習能力の向上を予測することはありません。また、刺激の多い環境の方がシナプス密度を増加させ、学習能力を向上させるといったデータもありません
※ネズミの実験では、複雑な環境に置いたネズミの方が、刺激が乏しくて孤立させたネズミよりシナプス密度が高く、迷路を正確かつ迅速に遂行したという結果があります。

言語学習等には臨界期があることの否定(感受期は存在する)
発音や文法については、できるだけ早期に学習した方が良く、また、多言語を早期学習することによる脳科学的な弊害はないそうです。ただし、成人後に身に着けることは不可能ではなく、特に語彙についてはその能力が衰えることはないそうです。つまり、学習効率の高い感受期はあっても、学習が無意味となる臨界期はないのです。

総じて本書では、第二外国語の早期学習の弊害はなく、むしろ利点が多いという結論でした。

ただ、現実には「ダブルリミテッド問題」が存在します。脳の発達に問題がなくとも、(通常単一の言語で横並びのカリキュラムで展開される)学校のカリキュラムに乗っていけるかという別の問題が発生し、それが個人の公的な学習に影響を及ぼす可能性があるようです。

(少ないですが)インターナショナルスクール在校のお子さんを持つご家庭の話を聞いたことがありますが、確かにダブルリミテッド状態のお子さんは少なくないそうです。

育児に応用すれば、やるなら母語の遅れは絶対にないようにということですね。

2 右脳・左脳による分類は無意味

表題通りの結論で、"女性脳/男性脳"といった分類や"脳は10%しか使われていない"等も否定されています。こちらの記事が参考になるかと思います。

理論(資料)の紹介

脳から見た学習
OECDの教育部門にあたるCERIのプロジェクトの結果です。脳科学から得た知見を教育へとどう活かすかが書かれています。最新とは言えないので、最新の動向は別途追う必要がありそうです。


以上、結果です。みなさんの参考になれば幸いです!

以下は、書籍内容の整理結果と、我が家での実践録と理論との照し合せ、理論から今後どうしていくか考えたことを紹介しますね。

我が家でどうした&どうする

本書を読んで、うちの子たちの第二外国語学習について、(発音については)最適な時期は過ぎたことはわかりました。同時に、いつになっても学習は可能であり、また、16歳頃までは文法学習は十分な感受期にあたることもわかったので、しっかり勉強してもらおうと思いました。

実際ぽよ太郎自身、大学受験までは英語は苦手でしたが、大学院に入る前に一生懸命勉強してTOEFLで80点を超えることができ、留学もできましたので、言語学習に臨界期はないことは体験としても理解できます。

学習そのものの重要性をずっと背中でも言葉でも伝え続けていきます。

この記事が参加している募集

育児日記

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?