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完璧なヒーローなんていない。

『書くが、まま』を見た。

内気な14歳の女子中学生ひなのが、書くことを通して、力強く成長していく物語。感情が揺さぶられる映画だった。とても良かった。

心が揺さぶられた理由は3つ。

①原体験に重なるシーン
②内向きな主人公が、ヒーローになる瞬間
③映画製作に関わる人の多さに強い憧れを再認識

原体験に重なるシーン

自分と重なるようなシーンもあり、感情移入してしまった。どんな学校でもヒエラルキーは存在し、世渡り上手もいれば、コミュニケーションが苦手な人もいる。悩みは消えないが、楽にさせてくれる存在。音楽に救われる。共感が強い映画だった。


内向きな主人公がヒーローになる瞬間

信じていた人に裏切られて、自分への不甲斐ない感情ではなく、初めて人に強い怒りをぶつけるシーンがある。しかし、書き殴ることで、一度冷静になり自分自身を客観的に捉えられた結果、自分を救ってくれたヒーローを守るのは自分だと決意し、走り出す。そしてクライマックスに向かっていく。

そうか、自分にとってのヒーローも、どこかで傷付いている。
支え合って、生きているんだ。

映画の持つ凝縮されたエネルギーは、短時間で感情を揺さぶられ、自分の感情を押し上げてくれる感覚に陥る。言葉にするのは難しいが、恐らく憧れから来るものが多い。感動体験が好きで、熱を持った作品との出会いは感謝を覚える。すごいなぁ、たくさん乗り越えたんだろうなぁ、想像できない苦難があったんだろうなぁと。


映画製作に関わる人の多さに強い憧れを再認識

良い映画はついついエンドロールまでじっくり見てしまうのだが、改めてこの90分の作品に関わる人の多さに感動した。1人の頭の中が、言葉や絵によって拡張されていって、形になっていく。企画の魅力は、そういった巻き込みから生まれる熱量にあると思う。


『書くが、まま』は、ストーリーの流れの中でジャンプが独創的と、漫画家の羽賀翔一さんがおっしゃっていた。

ファンタジー的な要素があるからこそ、映画に夢やロマンを感じる。あぁこのタイミングで見れて良かった。

ずっと気になっていたものの、平日開催チケットは夕方までに売り切れることもあり、行くことができていなかった。大変なことばかりだったと思うけど、独立上映をしてくれたからこそ今回見に行けた。ありがとうございます。

次回作品も楽しみです。


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