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Coffee story エピソード4 【ロイヤルミルクティー】

ロイヤルコペンハーゲン ブルーフルーテッド

【グリーンちゃん】オマケ

あれから彼女は、なかなか現れなかった。

おそらく私が教えた場所に行ったんだと思う。いつか何かしらの報告をしにグリーンの服を着て現れるだろう。もしかしたら、もうグリーンは、やめて違う色の服に変わっているかもしれない。まあ、楽しみに待っておくことにしよう。それはそれで面白いから。

今日も相変わらず昼のランチタイムには、ママさんたちのおしゃべりで店内はパッと明るい雰囲気になっていた。こちらとしては、好き嫌いを度外視してありがたいお客様たちだった。

『カフェRe-Q』のサービスランチは、ワンコインで飲み物付きというとてもお得なものだった。

ハヤシライスとカレーライス

厚切りトーストと、ホットドッグ、ホットサンドなどがありそれプラスお好きな飲み物というバラエティーにとんだメニューになっていた。サンドイッチにも具材がいくつかあり私がオススメするのは、ハムタマゴサンドだ。シャキシャキのレタスとハムとタマゴをはさんでなぜかトースターで焼いて出すのだが、サンドイッチを焼くという観念がそれまでなかった私は、ここに勤めだして家でもそればかりするようになった。

シャキシャキのレタスが、パンからはみ出したとこだけ熱でしんなりとして、でも中はシャキシャキでパンの耳がカリッとなってて、食べた時にサクっシャキシャキという絶妙な食感が気に入っている。
中のタマゴはシンプルで、細かく刻んだゆで卵をマヨネーズで和えているだけだが、オーナー自ら作った手作りで絶妙な味のものになっている。

このサンドイッチとロイヤルミルクティーを来たら必ず注文するお客様がいた。
その人は、男の人でちょっと遅めのランチをしながらいつも夕方近くまでここでパソコンをしていた。
だから席もコンセントが近くにある席に座るのが決まっていて、そこは、私の定位置から一番近い一人用の席だった。

ロイヤルミルクティーを入れるカップは、この店で一番高いカップで、なんでこんな高いものを店に出しているのか不思議にいつも思う。出した後の片付けや、洗う時もうっすら緊張してそのカップを片付けている。

ロイヤルコペンハーゲン ブルーフルーテッド

とてもシンプルで上品なカップだ。

そのカップでゆったりとホットサンドを食べる彼は、映画で見たことのある貴族のようでどことなく品があり私は、勝手に『プリンス』と心の中で呼んでいてかなり気になっているお客様のひとりなのだ。

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