メモ/ 大人の学び

大人の学び方は子供とは違う。成人の学びを助ける技術と科学はアンドラゴジーと呼ばれる。

P-MARGE

大人の学びを表す用語にP-MARGEというものがある。

大人の学習は、

Practical 実利的である。今の自分の課題を解決するために学ぼうとする。

Motivational (他の要素からなる)動機を必要とする。

Autonomous 自律的である。子供は決められた内容や学び方であるのに対し、大人は何をいつどのように学ぶかを自己決定する。

Relevancy 文脈、関連性がある。実利的に近いが、学ぶ内容に関連性がないと学ぼうとしない。

Goal oriented 目的志向性が強い。課題解決を望んでいる。

Experience 経験がある。経験は学習資源になりえるが、経験に縛られ学習のレディネス(準備)ができないこともある。

このように大人の学びは問題解決的であり、目的指向性が強い。これを踏まえ、支援者は問題解決を中心にしたカリキュラムとすることで支援が効果的になる。

物語で学ぶ

ジェロムブルーナーは、人間の認識は2つのモードがあるとした。

論理科学的(パラディグマティック):普遍的な真理、論理的な一貫性。理路整然としたもの。

物語的(ナラティブ):もっともらしさ。人間の意図やドラマを含む変転を扱う。

教育プログラムの内容はパラディグマティックであることが多いが、それだけでは実際の現場を乗り切ることはできない。出来事の連鎖の中では、ナラティブな思考を通すことで実践力を高める。

そのトレーニングとして、リアルなシナリオの中に学習目標を埋め込むゴールベースドシナリオがある。シナリオに画像などでリアルな文脈を与えることをアンカードインストラクションと呼び、学習効果を高めることが分かっている。

リアルな物語と、それをどう活用できるか一考の余地がある。

熟達化

仕事ができるようになっていくことを熟達化という。決まった手続きを早く正確に=定型的、決まった形のない課題について柔軟に=適応的の2つの熟達化がある。熟達化には領域の固有性がある。

熟達者は、慣れによって記憶しやすくなる=記憶力の向上、簡単なことは注意を払わずできる=下位技能の自動化、自分のデータベースから、何を注視すべきかわかる=問題の直感的把握という特徴がある。熟達化のためには注意を必要とする練習が必要だが、一人だと膨大な時間がかかるため、有能な他者との共同作業が有効。

コリンズらの認知的徒弟制理論は以下。

モデリング 真似させる

コーチング 手取り足取り指導、助言

スキャルファディング 一回取り組ませて足りない部分を指導

フェイディング 徐々に支援を外す

上記のように人が一人前になるとき、その側には他者がいる。



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