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柔軟な発想で顧客要望を実現!【ローコード開発にSIerとして取り組むために】


1. はじめに

初めまして、DXソリューション統括部 西日本クラウドテクノロジー部 クラウドインテグレーション第1グループの高橋湧也です。

私は2020年に新卒としてパーソルプロセス&テクノロジー(以下、パーソルP&T)に入社し、Microsoft AzureやMicrosoft365の導入・構築支援のほかPower Platformの開発業務に携わっています。
なかでもPower Platformに関わる業務を多く経験しており、本記事では自組織での取り組みも交えながら、Power Platform開発の特徴についてお話します。

2. Power Platformとは

2-1. 概要

Power Platformは、Microsoftが提供する包括的なビジネスプラットフォームです。
データ分析・アプリ開発・ワークフローの自動化処理・チャットボット開発などをローコード・ノーコードで実装でき、いずれも使いやすいユーザーインターフェースや豊富なテンプレートを活用することにより、迅速かつ柔軟な業務プロセスの改善が可能です。

2-2. 案件の特徴

様々なビジネス課題の解決に役立つPower Platformですが、お客様から開発支援のご相談をいただく機会が多いのがPower AppsPower Automateを組み合わせた業務システムの開発です。

データの入力・編集などの管理インターフェースをPower Appsで、承認処理や通知といったワークフローの自動化処理をPower Automateで構築します。

図1:Microsoft365環境で完結する業務システム構成

ここにお客様環境にある基幹システムやMicrosoft365サービスとの連携が加わるにつれて、より大規模なシステム開発になります。

図2:お客様環境のシステムとの連携も含まれる大規模な業務システム構成

2-3. 市民開発者かSIerか

IT人材不足が深刻化する問題を解決する糸口としてローコード・ノーコード開発ツールがあり、Power Platformもその中に含まれます。
こうしたツールを用いた業務システム開発を外部のSIerに委託せず内製化することでコスト削減や開発期間の短縮などが見込めるのですが、内製化にあたって開発担当者には“市民開発者”が選ばれることがあります。

“市民開発者”とは企業におけるIT部門以外の業務担当者のことを指し、ローコード・ノーコードツールが広く普及した今後はシステム開発を実現するための重要な人材であるとも言われています。
実際、“市民開発者”による市民開発の成功例や企業のDX化についてメディアで取り上げられる機会も多く目にします。

ですが、市民開発にも下記のような課題はあります。

  • ローコード・ノーコードとはいえ、ツールの使い方を覚える学習コストがかかる。

  • ガバナンスやシステムの拡張性を考慮することが難しい。

  • 現行の業務に加えて、開発~保守運用までを担当することで業務負荷が大きくなる。

また、定型的なアナログ業務をデジタル化するならまだしも、様々なシステム間の連携や複雑な処理を含んだシステム開発を行うには、結局のところツールに対する深い知識や高度なスキルが求められます。
これはPower Platformに関しても例外ではなく、開発画面のユーザーインターフェースがGUIベースになっていますが、その中に実装されている処理や数式はとても複雑なものになることが多いです。

つまり、アプリやワークフローに予め用意されている処理をいかに組み合わせてお客様の要望を満たすかが、私たちの発想力と問題解決力が問われるところになります。

私たちSIerが専門的なスキルをフル活用してお客様の要望を実現する、あるいはお客様自身がデジタル化を実現できるようお手伝いをさせていただく機会が、ローコード開発でもまだまだあるのだと私は考えています。

3. 組織内での取り組み

様々な課題を柔軟な発想で解決できるよう、私たちの組織では積極的にPower Platformを活用しています。
普段の業務で発生したちょっとした思いつきや、「これ、こんな風にできたらいいね。」といった小さな課題に対して、“とりあえずやってみよう“の精神でまず作ってみようという風土があります。

これまでの成果物としては次のものがあります。

  • コロナ禍で対面でのコミュニケーションが激減したメンバー間の紹介を担うスキルシートアプリ

  • オフィスへの出社状況と座席の利用状況を可視化する座席表アプリ
    (仕事終わりの酒の席への集いを募集する掲示板機能が求められているという噂も…笑)

「全然業務的なアプリじゃない!」というツッコみがありそうですが、こうした積み重ねでメンバーのスキルは着実に向上していると感じています。これからも組織のこうした取り組みは大切にしていきたいと思います。

4. さいごに

ここまでPower Platform案件の特徴や私たちの取り組みについて紹介してきました。Power Platformそのものも年々アップデートが進んでおり、2023年は話題に事欠かない生成AIの機能も実装されました。(※2023年12月時点でプレビュー機能)

技術の進歩は非常に速く追いつくのも大変ですが、今後も私たちは積極的にこうした新技術にも挑戦していきたいと思っています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

※高橋さんの所属する西日本クラウドテクノロジー部については、以下の記事でもご紹介しています。


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