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#day5 『永遠のゼロ』とは、永遠に生きること

 ブックカバーチャレンジの7回のどのあたりで案内しようか…と迷っていた『永遠のゼロ』をいよいよ紹介することにした。金曜日の正午から医療や介護など最前線で働く皆さんへ、感謝の拍手を捧げる活動FridayOvation。その金曜日は、航空自衛隊ブルーインパルスも都心の空からOvationした。病院の皆さんのみならず、自宅から勤務先から空を見上げた人、動画や映像で雄姿を見た全国の人までもを励ましてくれた。うつむきがちだった日本人が、久しぶりに上を向いた。青空を見上げて、がんばろうと思えた。私もそのひとり。ブルーインパルスに感謝をこめて、この作品を紹介したくなった。

 さて、「永遠のゼロ」は原作より先に映画を観た。一緒に観ていた姪が隣で泣いてくれて、妙な安心と嬉しさを感じた。戦争を知らない子供たちの私たちより、戦争のイメージがバーチャル化しているだろう平成世代の彼女たち。伝わるだろうか❓ …という懸念をぬぐってくれたのが、姪の涙だった。この涙に促されて、原作の愛蔵版を買い求めた。

 そのエピローグは何度、読んでも泣ける。米軍の戦艦に突っ込んだ主人公、その亡骸を前に艦長は告げる。「我が軍の優秀な迎撃戦闘機と対空砲火をくぐり抜け、よくぞここまでやってきた」「我々はこの男に敬意を表すべきだと信じている。よって、明朝、水葬に付したい」。義を重んじてきた日本に生まれながら、義を忘れかけている私たち。義を学び直さなければ、と艦長の言葉に教えられた。

 さて、#stayhome の習慣は、私に揺りかごの時間をくれた。緊急事態宣言が解除され、来月から外出することになるが、少し怖い(笑) 

 4/24からのZoomをとおしてのFraidayOvationを続けた。そして、ブルーインパルスの飛んだ5/29の金曜日、6回目で幕を下ろした。毎週金曜日の正午からZoomをとおして医療や介護や最前線で働く皆さんに拍手を贈り、「上を向いて歩こう」を唄い続けた1か月ちょっと。たくさんの友人知人をZoomミーティングへ迎えるには、それなりの智恵も体力も注いだ。一緒に並走、伴奏してくれた大切な仲間たちがいればこそ、毎週、参加してくれる皆さんがいればこそ続けられた、温かい時間だった。もっと続けたい、この仲間たちと一緒にいたいと思った。けれども、緊急事態宣言の解除され、私もゆりかごから這い出さなければ、と幕引きを決めた。

 最終回のOvationの後は、名残りを惜しんで「歌声Zoom」も開催した。みんなで「見上げてごらん 夜の星を」を斉唱し、笑顔で別れを告げ合った。折しも12:40頃…。あのブルーインパルスが都心の空を舞う時間帯だった。機材や脚立やあれこれを片づけて、PCを開いたらライブ配信中だった。スカイツリーの手前を舞う雄姿を見られた。Ovationの仲間たちも新宿、渋谷の空を舞う雄姿を見たと、早速に写真や動画を送ってくれた。Ovationのご褒美のように思えた✨

 戦争とコロナは似て非なるものではありながら、いずれも穏やかな日常を奪い、生命を脅かし、未来を見えなくする。そんな時にも、それぞれが人を想い、社会を想い、これまでの生き方暮らし方をふりかえり、誰かを助け、誰かをかばい、誰かを励まし、#いま私にできることを営むだけだ。時間が、私たちをいずこかへ運んでくれるだろう。命は運ばれて運命になるという。運ばれた場所で丁寧に命を使えば、それが使命となるだろう。運ばれよう、そして、丁寧にひたむきに生きよう。永遠のゼロとは、命を使い果たして魂となり、永遠に生きることだと直観した。

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