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プロフィール写真撮影をすすめたいのは「他人を見るように自分を見れる」から

自分が写った写真を見て「鏡の自分と違う」と感じたことはありませんか?

私はしょっちゅう思います。

写真を見て、毎度思うんです。「なぜなのだ」と。

ふっくらしすぎている顎回り。大きな前歯。「緊張しまくってます」というぎこちない笑顔。


なんだ、これ!
これだから、写真に写るのって嫌なんだよ…!

そんな理由で写真を撮られるのが苦手なのですが、理由は違っても写真が苦手な人って、意外と多い気がします。

けれど先日、プロのカメラマンさんにプロフィール写真を撮ってもらいました。場所は、横浜の山下公園。本格的に写真を撮ってもらうのは初めてです。

この撮影のおかげで、私は

「自分という他人」

に出会えました。

プロフィール写真を撮影しよう、と思ったワケ

私はフリーランスとして仕事していますが、完全なる顔出しをしていません。

自分の仕事の実績は、自身のHPやSNSを通して発信しています。ただ、そのアイコンはうつむき加減で写ったもので、どんな顔をしているのか判別はできません。

顔出しを完全にしないのは「知り合いに自分の仕事を見られるのが恥ずかしいし、顔出ししなくても仕事がもらえていたから」です。

じゃあ、なぜ今回プロフィール写真を撮影しようと思ったのか?

それは

フリーランスとして長くやっていく決意がかたまったため、顔出しすることで、初めてのお仕事相手の方に信頼してもらいたいと思ったから

です。

「プロフィール写真を撮る」なんて、すごくキラキラしてる人がすること、と思う気持ちもあったので、

「調子のっとるな、自分」

と空のうえのほうから千鳥・大悟の声が聞こえたような気がして震えましたが、なんとか落ち着いて撮影当日をむかえることができました。

お願いしたカメラマンさんは、SNS経由で知り合う

横浜に、山下公園というところがあるんですね。そうです、中華街の近くです。小籠包が恋しいですね。

山下公園を上空から鳥の目で見ると、長細~い長方形の形をしています。端から端まで歩くと20~30分。

園内はとにかく緑があふれています。ところどころに花が咲き、背が低くずっしりとした木の合間から海が見えます。ジョギングしたり、お散歩したりする人も多いスポットです。

この日、撮影をお願いしたのは、ツイッターで知り合った「ましそそ」さん。「子どもや家族の写真を撮ることが多い」という、プロのカメラマンさんです。

雨上がりでグングンと気温が上昇する中「いろいろ場所を変えつつ、お話ししながら」ということで、撮影がスタートしました。

女子好きおじいちゃんとの遭遇と、紅の豚

撮影自体が初めてなので「どんな感じでするんだろう?」と私は思っていました。

ましそそさんは、撮影に適した場所を事前にリサーチしてくれていて「最初はこのへんで撮って、そのあとあっちのほうでも撮りましょう」とガシガシリードしてくれます。


実はこの日、途中雨に何度か見舞われました。

不安定な天候にもかかわらず、ましそそさんはあじさいの花など小道具を持たせてくれたり、名前を呼んで振り向いたときに撮ってくれたり、好きなことについてたくさん質問してくれたり。

自然な表情が出せるよう配慮し、たくさんの写真を撮ってくれました。

私はあまりおしゃべりが得意ではないのですが、質問してもらえると「質問→答える→質問→答える」の図式が繰り返され、答えることに集中し始めると、カメラのレンズが気にならなくなってくるんですね。

会話パターンができるので、自然な雰囲気になり、緊張もどんどんやわらいでいきます。

撮影してもらいたいけど、しゃべるのとか苦手なんですよね…という方は、すべてカメラマさんにお任せしましょう。身を任せるようにしていれば、緊張もどんどん解けてゆきます。


途中、シルバーの自転車を脇にとめ、デジタルカメラを片手にじりじりと近寄ってきて「一緒に写真撮ろうよ」と声をかけてきた、70近いと思われるおじいちゃんに遭遇。

ましそそさんはおじいちゃんから静かにデジカメを受け取り、「花と祖父」とタイトルがつきそうな写真を撮ってあげていました。

私は「その方はただの娘さんじゃない。プロの方なんだよ。運がいいな、じいちゃん」と念じながら、2人の姿を見ていました。

「ジャンプ」というクライマックス

撮影も終盤。

最後に「ジャンプ写真、撮りましょうか」ということに。

よく旅行先やアウトドアで、友だち同士でハイジャンプして撮影した写真がありますよね。

とんでる人たちを直に見たことはないですが、ハイジャンプしている写真は見たことがあったので「あれか!」と思いました。


ただ、私はとんだことがありません。


あれをやるのか…


「いいですね…!」と平気な顔をしながら、内心ゴクリとつばを飲み込みます。


え、ここで?

この歳で?

足ひねるよね?


羞恥心と足をひねる恐怖が湧き出てきたそのとき、なぜか「飛べない豚は、ただの豚だ」という『紅の豚』の名セリフが浮かんできました。


ポルコは豚だけど、あんなに空をかけ巡っているんだ…


まだ小雨がちらつく中、おでこに髪の毛をはりつけながらハイジャンプ。

あとからいただいた写真で確認したら、20cmほど飛べていました。


とべたよ、ポルコ…

他人を見るように、自分を見る

後日、撮影した写真をいただいて思ったことは

「なんか他人みたいだな」

ということ。

普段、自分の顔って鏡でしか見ませんよね。私は鏡で見る自分と、写真に写る自分がいつも違うような気がしていました。

その違いはいつも納得いかないものだ、と思い込んでいましたが、思いがけずに「きれいだ」と思える自分も写真の中にはいました。

通りすがりにきれいな人を見て

「あ、あの人きれい」

と思うこと、ありますよね。でも走り寄って「お茶でもどうですか?」と声をかけるだけの興味はない。あ、きれいな人だな。それだけで終わる一瞬。

それと似ています。

それと似て、他人のような自分がいたのです。


プロフィール写真を撮ってもらうということは、他人を見るように自分を見ることができる、ということなのでしょうか。

・あ、この人。素の顔はブスっとしてるのに、笑顔めっちゃかわいい

・この人、薄い色より濃い色の服のほうが顔色が明るく見えるな

・似合ってないって本人はいうけど、だんぜん髪短いほうが似合ってる

他人に対して、そんなふうに思うこと。

そんなふうに一歩引いて、客観的に感じること。

写真に写った自分の姿に対しても、そんな感覚を抱ける気がしました。


興味深かったのは、角度や表情の違いで、ぶさいくにも美人にも見えたことです。

鏡では真正面から自分の姿を捉えることが多いですが、写真だと360度いろんな角度からの自分を見ることができるし、

会話中の何気ない表情など、相手がいてこその表情を切り取って見ることができます。

撮影された写真には今まで見たことがない、いろんな自分がいました。


写真の持つ力のひとつは、ひとりの人間から両極端なイメージを生み出せることなのかもな。そう思いました。

【撮影してくれた方】カメラマン・ましそそさん

今回プロフィール写真撮影に協力してくれた、カメラマン・ましそそさんのツイッターはこちらです(ご本人の許可を得ています)

思い出に残るプロフィール撮影。

いろいろと気遣っていただき、ありがとうございました…!

「お寿司が大好き」とアカウントに書いてあったのに、お寿司の話できなかったことが悔しいです。

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