最愛だった人②

彼との交際は喧嘩も多かったが、たくさんの時間を共有した。

平日は彼の家、休日は私の家で過ごし、言わば半同棲状態を2年続けた。

平日仕事が終わったら自宅へ戻り、夜は彼の家へ。
朝は一足先に彼の家を出てカフェで勉強。

何気ない顔で出社し、職場にいる彼の存在を確認し仕事に取り掛かる。

毎週金曜日の夜は外でデートをして、一駅隣の駅から手を繋いで帰る。
スカイツリーが小さく見える夜景を背景に、彼の横顔を見て「幸せだな」と思い、ぎゅっと彼の手を握っていた。

冬にはコンビニで買った肉まんを半分こして歩いた。
通りすがりのおじさんから「いいね〜」と言われ、二人で顔を見合わせたことは今でも覚えている。

お互い目標があって一緒にいるときは勉強ばかりのデートだった。

それでも彼と一緒にいれることは嬉しかったし、何より家族以外で本音を曝け出し、心から許せたのが彼だった。

彼はわたしの大切な日常の一部だった。

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