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ユーザベースで、デザインするって?

こんにちは。デザイナーの廣田(@nacchin777)です。ユーザベースが開発・運営するスタートアップ情報プラットフォーム「INITIAL(イニシャル)」のデザイン全般を担当しています。

これまで、完全個人の発信で、その時に興味があることや、記録として残しておきたい出来事などをテーマに、たまーにnote記事を書いていたんですが、今回はちょっと違います。

私が所属する株式会社ユーザベースのSaaS Design Division。ここのみんなと一緒に、もっと自分たちのことを発信しよう!と始めたマガジン「DESIGN BASE MAGAZINE」の第3弾の記事として書いています。うわっ、緊張するー。

さてさて、そのテーマですが、いろいろ考えた末、「ユーザベースでデザインするって?」としました。これまで、どんなふうにユーザベースでデザインしてきたのか。SaaS事業の1人目のデザイナーならではの失敗や楽しさを、心のままに綴ってみようと思います。ちょっと長文ですが、お付き合いください。

デザイナーへのキャリアチェンジ

...と、本題に入る前に、まずは自己紹介から。

これまでの自分のキャリアのことを書いておかないと、なぜこのテーマで書こうと思ったか伝わらないかもしれないので。

この見出しの通り、私、ノンデザイナーでした。

前職は外資系の出版社の法人営業。今思えば、B2B SaaSのセールスでした。当時は、SaaSがこれほどまで浸透していなかったけど、形態としては、法人向けのWebサービスのセールス。法人といっても、事業会社ではなく大学法人向けでしたが。

そこから、何を血迷ったか、デザイナーになりたい!と一大発起して、デザインの勉強を始め、運良くユーザベースにデザイナーとして入社したのが2015年2月です。

そう、ユーザベースの社歴が、そのまま私のデザイナー歴なのです。今年で入社7年目なので、デザイナーとしても7年生(中学1年生か?)ってことになりますね。

こちら(↓)は、ユーザベースに応募した際のポートフォリオ。

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入社当時の私は、ユーザベースのSaaS事業としては、1人目のデザイナーでした。

今では、SPEEDA、FORCAS、FORCAS Sales、INITIAL、、、と、いくつものSaaSサービスを手がけていますが、当時のユーザベースのSaaS事業はSPEEDAだけ。NewsPicksもまだ分社化していなかった時代。

入社当時は、SPEEDAのデザインを担当。2017年のジャパンベンチャーリサーチ(JVR)の買収後は、JVRのサービスentrepedia(INITIALの前身のサービス)のデザインも加わり、そして、FORCAS立ち上げの時にはFORCASのデザインも。

最初の数年は、3つのサービスを掛け持ち担当していた時期もありました。あっ、今は、INITIAL一つに専念してますよ。

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よくよく考えると、デザイナー経験のなかった私に、よくここまで任せてくれたよなあ、、、と、ユーザベースという会社の大胆さ?無謀さ?懐の深さ?に驚くばかりです。笑

最初は、デザイナーの何たるかも、デザイナーとしての振る舞い方?も、全くわからないところからのスタートでした。

そう、何もかも初めて。初めて尽くし。初めてのオンパレード。
そんな私でも、6年とちょっと、ユーザベースでデザイナーを続けてこられた! これまでを振り返ると、考え続け、作り続け、学び続けた6年とちょっとだったなあと。とにかく、続けてきた。継続は力なのである。

そう感じたエピソードを紹介しながら、「今、デザイナーになりたい!」と思っている人に、少しでも勇気を持ってもらえたら嬉しいなあ、、、と思っています。

ちなみに、INITIALのビジョンは「挑戦する勇気と機会を生み出すプラットフォームをつくる」です。私も、誰かの勇気を生み出したい! 笑


考え続ける&作り続ける、自分なりに...

入社後3ヶ月目にスタートしたのは、SPEEDAトップページを含むUIリニューアルでした。プロジェクト名は「UI Revamp」。

何が大変だったかって、もうそれは山ほどあります。ありすぎるので、ひとつひとつ取り上げるのは諦めて、ダイジェストバージョンで。

プロジェクトオーナーが超多忙の創業者、新野さん

当時、新野さんはアジアでSPEEDAを立ち上げるため、シンガポールに在住。超多忙な新野さんに相談したくても、なかなか捕まらない。まだSlackが全社導入されていなかったので、Googleカレンダーを見ながら、Skypeとメールで追いかける日々。

何ヶ月かに一度帰国する新野さんを捕まえるのはもっと大変。大事な用事があるから帰国するので、予定はぎっしり。カレンダーと睨めっこして、なんとか30分とか1時間の予定を入れても、直前でキャンセルになることもしばしば。

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こちら(↑)はMTG数分前に私の席に貼られた新野さんの置きメモ(写真がないのでイメージ図)

あまりにも捕まらないので、カレンダーにあった会食の予定に、同じく創業者であり私を採用してくれた稲垣さんも参加すると知り、稲垣さんに「新野さんに、なんとか廣田との時間を作ってもらえるように、稲垣さんからも伝えてください(必死)」と訴えたり。笑

3回連続でドタキャンになったときは、さすがに凹みました。

連続3回目のキャンセルとなる当日の朝、オフィスのエレベーターで、NewsPicksのインフォメーション・デザイナー櫻田さんに遭遇。そこで、世間話的に「最近、ひろたさんはどんな仕事してるんですか?」という話題になり、ふと自分を振り返る。「あぁ、、、私、何してるんだろう?」「仕様も決められず、何もしてないんじゃ…」って、冗談抜きで泣きそうになったのを、今でも鮮明に覚えています。

それでもしつこく、4回目の隙間を早朝に見つけて、やっと仕様の相談ができたのでした。しかも、そのMTG、ほぼ10分ほどで終了。いろいろ準備して、気合を入れて臨んだMTGだったので拍子抜け。笑

その早朝MTGでご馳走になった、セブンの100円コーヒーが妙に美味しかったのをよく覚えています。

今、振り返って。。。
どうしてあれだけしつこく新野さんを追い回せたのか。ユーザベースに入社前の自分だったら、もう諦めてたと思うんです。もうイイや、、、って拗ねたり、自分は悪くないと端から諦めたりしてたと思うんですよね。

多分、ここまで自分をしつこくさせたのは、新野さんの言葉があったから。入社1ヶ月ぐらい経った頃の別のMTGで、新野さんに言われたこと。

わからないことがある時、誰かに相談せずには進められないことがある時、躊躇せずに、その相手に聞きまくれ。きっと相手は忙しいだろうから、なかなか時間をとってもらえないこともあるだろうし、忙しそうだからと自分で勝手にコミュニケーションを諦めたくなる時もあるかもしれない。それでもやり続ける。もし、相手の時間がほしいのに、なかなか時間を取ってもらえないときは、朝が狙い目。出社時間に待ち伏せするんだ。そこまでやる。それでも、その相手が時間がないと言ったら、それはもうその人が解決しなきゃいけない課題。自分は悪くない、、、と思えばいい。

最後は他責にしてもいいって言ってるわけじゃなくて(笑)、考えられることは全部やってみろと言ってくれたんだと思ってます。

これを教わった数ヶ月後、リアルに実践させてもらった相手が、そのアドバイスをくれた本人の新野さんだったというわけですが。。。笑


プロダクトを作るド素人

エンジニアと一緒に働くとか、新機能や改善機能を世に出すまでのプロセスとか、驚くほどド素人でした。Stagingとは?QAとは?デプロイとは?

それでも、何とかUIリニューアルをやり切れたのは、当時の相棒エンジニアの優しさでした。彼は、人の心の機微を感じる天才だと思う。創業者3人勢揃いのMTGの後、ぐったり&落ち込んでいる私のところに、すーっとやってきて、「ひろたさん、スタバ行きましょ」と、気分転換に連れ出してくれる。あぁ、、、今、思い出しても泣けてくるくらい救われていました。

あと、たくさんの未知の用語問題。

社内用語なのか、ファイナンス用語なのか、テック用語なのか、はたまたサプライヤーさんの名前なのか。もっといえば、会話に出てくる、そのワードの言語もわからない。英語だと思っていたら、中国語だったということもありました。

何度でも言います。こんな未熟な私をよく採用してくれました。


社名を間違えるという大失敗

トップページのリニューアルとほぼ同時進行で動いていたパンフレット作り。SPEEDA初の大型展示会への出展のためのものでした。SPEEDAのUIリニューアルも、この展示会に間に合わせようとしていたので、まあ、ドタバタしてましたね。

ドタバタしていたのは事実ですが、そこで、やってはいけない大間違いをしてしまったんです。

その証拠写真がこちら。

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まさかの社名間違い。ユーザベースをユーザーベースに。確かに間違いやすい。それは社内の私たちが一番よくわかってる。間違った社名でメールをもらうこともよくあったし。しかーし、それを自分たちがやってはいけない。うっ、それをやってしまったんです。

納品されてこれに気付いた時は、本当に青ざめました。

その直前に、「わー!できた!ありがとう!!」と、セールスの何人かが駆け寄ってくれた、その1時間後に発見したものです。まさに、天国から地獄へ。。。涙

これ、どう対応したかというと、裏写りしない訂正用ラベルを渋谷中の電気屋さんを探して買いに行き、これに正しい問い合わせ先をオフィスのプリンターで印刷。それをすべてのパンフレットに貼ったのでした。

ギリギリの納品だったので、展示会までに、すべてのパンフレットに貼ることはできず、残りは展示会場の休憩コーナーの片隅で、ひたすら訂正シールを貼っていたのでした。おかげで指がカサカサに。笑

こうして、トップページを含むUIリニューアル第1弾を無事に(ではないけど)リリースし、展示会を終えることができたのでした。

こちら(↓)は、リニューアルしたページの一つ、ログインページです。

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どれひとつ取っても、初めてのことばかり。考えてもわからないことも多かった。だけど、考え続け、作り続けてたんですよね。振り返ってみると。

プロダクトを作るド素人。でも、どうやったら前に進められるか、どんなUIデザインのパターンがよいか。考えて、作って、また考えて、作って。

初めてのパンフレット作り。社名間違えるという大失敗をしたけど、パンフレットをデザインする過程で、ユーザーのこと、これが使われる商談シーンのこと、どう見られたいかというブランディングのことを、寝ても覚めても考え続けてたなあ、、、と。

その後、UI Revampプロジェクトは第2弾、第3弾と続き、ありがたいことに、この年のYear End Party(ユーザベースのみんな、その家族も勢ぞろいする大忘年会)では、SPEEDA新人賞をいただきましたとさ。副賞でいただいた掃除機は、今も大切に使わせてもらっています。ありがたや、ありがたや。

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学び続ける、SaaS Design Division誕生

ユーザベース に入社後、最初の数年間は、おひとりさまデザイナー。当然、デザインと名のつくチームも、部門も、組織上はずっと存在しなかったんですが、2020年4月に、SPEEDA、FORCAS、INITIALのSaaS事業がひとつになり、そこでプロダクトを横断するSaaS Design Divisionが誕生しました。

そこには、UIデザインが得意な人、グラフィックデザインが得意な人、コンテンツデザインが得意な人、イラストが得意な人、ブランディングが得意な人、コーディングが得意な人、情報設計が得意な人、リサーチが得意な人。本当にさまざまな個性 & スキルのあるメンバーが揃っています。

メンバーみんなの背景もさまざま。

私のようにノンデザイナーからのキャリアチェンジの人もいる。エンジニア出身の人も、海外でデザインを学んだ人も、自分のデザイン事務所を持ってた人も、制作会社で多くのクライアントと向き合ってた人も。

世の中には情報は溢れていて、ネットには本当に多くの学びのチャンスがあります。ですが、それ以上に、身近な人からのリアルな経験談を聞いたり、いろんな人の振る舞いを間近で観察したり。そういうリアルな距離で得られる学びのパワーって、ほんと、すごいんですよ。

このDESIGN BASE MAGAZINE。
先頭を切った平野さんからも、第2弾で新プロダクトの立ち上げとPdMへの挑戦を語ってくれた茂木さんからも。このあと続く、個性豊かなデザイナーの面々からも。ほんと、現在進行形で多くのことを学ばせてもらっています。

なんか、こうやって過去から現在に意識を戻していくと、感謝で涙が出そう。。。笑


ユーザベースで、デザインするって?

あらためて自分に問うと、考え続ける、作り続ける、学び続けるに尽きるな、と思いました。

もちろん、どの会社にも、どのサービスにも、同じことが言えるかもしれない。だけど、常に「ひろたさんは、どうしたいの?」と問い続けてもらえるのは、ユーザベースならではだなあ、、、と。

おひとりさまデザイナーから始まり、今は15名以上のデザイナーが所属する組織となったSaaS Design Division。これからも、いろんな職種&部署の人たちとタッグを組んで、DESIGN FORWARDして行きたいなと、、、と思っています。

そう、私たちは、やっとスタートラインに立ったのだから

CDO平野の記事で出てくるこちら(↑)は、本気の本心です。


最後に、ここ最近やった自分のわかりやすい仕事をちょこっと紹介。
INITIALの中で働く人たちのことをもっとよく知ってもらうためのINITIAL Story Book 2021。多くの人に届くことを願って。

(バナーデザイン:Kurumi Fujiwara)

ユーザベース でのお仕事。よかったら、過去の記事もどうぞ。



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