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夜18時過ぎのドッグランでのできごと

もうあたりは薄暗い。

家を出た時はまだ明るい感じだったのに、ドッグランに着いた時はもう暗くなってきていた。

今日は誰にも会わないと思っていたのだけど

先客がいた。

「ワンワンワン!」
とめっちゃ吠えてるワンちゃんが、私たちのところにやってきた。

「すみません」と謝られる。

ワンちゃんを抱える飼い主さん。

あれ?このワンちゃん知ってる!会ったことある!
こんな時間にドッグランなんて、どうしたんだろう。 もしかして・・・


「こんばんわ!もう真っ暗ですね。もう誰もいないかなと思ってたので、ワンちゃんに会えて嬉しいです。前に会ったことありましたよね?」

と、話しかけてみる。

「もしかしたら、娘が、、、」

なんだか、曇った表情に疲れた感じ。

「ワンワン!」
飼い主さんの腕の中で落ち着いていたワンちゃんが、突然吠える。

なんだか怖がってるみたい。涙やけが気になる、、、


私もフィルを抱えてみる。

プルミエは、こっちを気にしながらも近くでマイペースに散策したり、飼い主さんの足元でお腹を出したりして、愛嬌を振りまいている。


「ちょっと挨拶してみます?」

と飼い主さんに聞いてみる。

かなり近い距離だと、吠えちゃうけどフィルのことが気になってる感じ。

その後、そのワンちゃんとフィルがドッグラン内で少し遊んだ。
吠えた後に、次にまた吠える間隔が少しずつ長くなる。


「実は、、、」

飼い主さんが、重い口を開いてくれた。

20代の娘さんが東京で一人暮らしを始めて、家族に相談せずに、ワンちゃんを飼い始めてしまった。
けれども、娘さんの仕事が忙しくきちんとお世話ができない状況だから、このお母さんが東北地方からお世話をしに来ていて、数日間滞在している

ということを話してくれた。

そのため、ワンちゃんが社会経験ができずに今に至ってしまい、犬を怖がってしまい吠えてしまっているという状況だ。

そう。お母さんは疲弊してしまっていた。

犬を購入したのは、ペットショップだったが、その時にきちんと育て方などの説明やアフターフォローがなく、相談する人もいなく困っている状況だ。

まずいな。これはかなり深刻な状況だ。。


でも、これが2023年の私の目の前で起きていたことだ。

私がプルミエとフィルをお迎えしたのはペットショップだったけれど、そうゆうことはなかった。


そして、このお母さんは自覚しているのだ。

自分のワンちゃんが吠えてしまったり、相手を傷つけてしまうかもしれないから、他の人に迷惑を掛けないように

「人がいない時間帯に、ひっそりとワンちゃんをドッグランで遊ばせている」

私は、こうゆう孤立が一番怖い。地震など震災があった時にこの状況だったら・・・


話をしていくうちに

「うちの子抱いてみます?」

と聞かれて、そのワンちゃんを抱いてみた。

痩せてる・・・



どうしたら良いんだろうと、色々と話していくうちに
「育て方などの情報がブログや何かSNSがあったら見てくれますか?」

と聞き、勢いでなんか考えてみますと言ってしまった。

いやいや。情報配信してる人いっぱいいるよな。笑 
何を言ってしまったんだろう。そもそも、SNS苦手なのに。


当時の私は、トリマーの勉強をしている時だった。
勉強しながら「うぎゃー」という感じで頭から煙が出る感じも、しばしば(笑)

勉強したら、ちょっぴり世界観が変わった。


私は、この時に正直なにもできなかった。

だけど、挨拶やひとこと声を掛けてあげるだけでも、人は心が軽くなることがあると思う。

正しく愛犬を育てることが正義なのかもしれない。
だけど、できていない人を避けたり、私はちゃんと育ててるとあからさまにアピールすることは違うんじゃないかなと思う。

犬とひとの共存の前に、まずは愛犬家同士の歩み寄りは必要なんじゃないかな。

人はひとりでは生きていけないのだから


OK? じゃ、またね!



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