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映画「パラダイスの夕暮れ」感想

二カンデルは、部屋の窓から夜の街を眺めている。
ゴミ清掃の仕事の休憩中、同僚から週末はどうだった?と聞かれて
「退屈だった」と答える。
しょうがないのだ。
一緒に食事をする恋人もいないし、テレビやレコードも持っていないのだから。

ニカンデルが一目惚れをしているスーパーのレジ係のイロナ。
腕を怪我したニカンデルの手当てをしてくれるイロナ。お互い気があるようだ。
デートに誘うニカンデル、それに応えるイロナ。
しかし、デートの行き先は誰がどう見ても退屈極まりないビンゴ会場…
嫌気がさしてイロナは帰宅。なんで帰るのか、分かってないニカンデル。
しょうがないのだ。女の子が喜びそうな場所など知らないのだから。

これでもうイロナとは終わり、と言うか始まってもないのだが、
スーパーをクビになったイロナがニカンデルの元にやってくる。しかも、
スーパーの売り上げ金が入った金庫(小さい)を盗んできたのだ。
逃避行のように郊外のホテルへ行く2人。
しかし、なぜかシングルルームを2つ、というニカンデル。またか!ニカンデル!
イロナは夜、ニカンデルが来てくれないかとドアをいじらしく見ているというのに、
ニカンデルは裸で寝タバコしながら寛いでいる!
しょうがねーな!ニカンデル!

たびたび「しょうがない」場面がやってきます。

高そうなレストランにイロナと入ろうとしたら、「満席です」と断られる2人。
おそらく見た目(服装)が相応しくないと判断されたのでしょう。
しかし、しょうがないと2人でファストフードに行くと、意外と美味しいじゃんといい感じになる2人。終始無表情で何も話さないニカンデルだけど、イロナと相性は良いのですね。

同棲を始める2人(これもしょうがなく)。
ゴミ清掃の途中で、イロナのバイト先の服屋に出向き、コーヒーでもどうか?と誘うニカンデル。仕事中だからと断るイロナ。分かったと帰るニカンデル。
するとイロナの上司の男がやってきて「あの男は誰だ」と言う、イロナは「従兄弟」と答える。上司は「二度と店に近寄らすな」と言い放ちます。
短いシーンで、セリフも少しなのに強烈なシーンです。
「職業に貴賎なし」とは言いますが…
この一言でイロナはニカンデルとの交際に迷います。
約束もスッポかしてしまいます。
そして上司の男とデートをして、行き先はニカンデルと入ろうとしたら断られたレストラン。でも、やはり無理をしていたと気付いたイロナはニカンデルの元へ。
部屋に入るとニカンデルは不在、部屋にはSONYのレコードプレーヤー付きコンポとSONYのビデオデッキとテレビが。ニカンデルが自棄を起こし無理して買ったのです。
やはり無理は禁物です。ほとんど使わずに置きっぱなしにして、バーで夜を明かすニカンデル。
なんとも煮え切らない2人、というかニカンデル!

いろんなことをしょうがないで諦めてきたのではないかと思われるニカンデル。
イロナと出会って生きる気力みたいなものを出してくれよ、ニカンデル!

帰り道のニカンデル、良からぬ二人組に絡まれて失神KO
翌朝、ゴミ回収にきた同僚に発見されます。

入院したニカンデルは、同僚と話すなかでイロナに会いに行くと決めて
病院を抜け出し、イロナが勤めるアパレルショップへ

上司の男の威圧も力でねじ伏せ、イロナと逃避行へ

ようやく二人は無理せずに自分の気持ちに正直になったのでしょう
フェリーで旅立ちます。

二人に幸あれ、と思ったのでした。

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