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2021年版、偏差値50の文系アラフォーがG検定に受かったので勉強法をまとめます

こっそり(?)とG検定を受けておりました。

どんな資格かというのは公式から拝借しました。

G検定とは?
ディープラーニングの基礎知識を有し、適切な活用方針を決定して、事業活用する能力や知識を有しているかを検定する。
引用元:https://www.jdla.org/certificate/general/

要はAIの活用についてほんのり知ってるけど、

実際にプログラミングはできませんというもの。

営業職だったりコンサルとして提案するときには使える知識であり、

後にも書きますが「今後大切そう」な知識です。


そんなテストに受かったので勉強法をお伝えしつつ、

なんで取ったのか?もオマケで書けたらと思います。


前提条件/偏差値50の文系アラフォー

まずは前提条件です。

ITの知識はWEB制作はしてたのでHTMLとCSSは知ってる程度。

AIに関する知識も経済紙や一般メディアを見ていたぐらい。

大学はド文系で数学、物理といった理系科目なしの試験で合格。

偏差値は厳密には53前後ですがざっくり50とします。

おまけにアラフォーで「勉強」から離れて20年弱です。


「G検定 勉強時間」と検索をすると


  「1週間前から勉強した!」

  「おおむね30時間ぐらい」


とか書かれていますが、深く読み込むと


  「(現役のエンジニアで)30時間ぐらい」

  「(理系大学の生徒で)30-40時間ほど」


そうです、文系のおじさんは対象外です。

実際にテキストを開くとわかりますが微積分や行列まであり、

高校で数学を投げ出した方には30時間+αです。

文系でプログラミングも知らず、なんならアラサーやアラフォー…

でもダメかと言えば、そうでもありませんので、

個人的には「頑張ればなんとかなる」と思います。

そのために今回記事にもしましたし、わたくしも受かりました。

次に、具体的なテキストや勉強方法を書いていきます。


使ったテキストは公式2冊+問題集+秘密の一冊


まず、買ったテキストは4冊あります。

なお主に使ったのは3冊で、あとは動画をメインに参考にしたのが一冊。

一冊ずつ見ていきましょう。


深層学習教科書 G検定公式テキスト 第2版

基本的なテキストであり、必須の一冊です。

現在「第2版」です。試験も2021年から新シラバスに。

中古で買う際はやけに安い第1版を買わないように注意してください。

ちなみに第1版はこちら。

Amazonでは新品がすごーく高く出ていますが、

内容が古く試験では間違えてしまう可能性もあります。

さらに中古は300円と破格!で喜んで買うと残念な結果になります。

試験対策の項目でも書きますが、試験には新しいネタが出ます。

問題集にもありますが

 2021年5月時点、日本では自動運転レベル3の車は販売されているか?

とか。これ、ホンダが出しております「〇」なんですが、

古いテキストだとこの手のものが載っていません。

また、各種AIが進歩しますがそれも古い情報のまま…

たった数千円ケチって1万円以上する試験に落ちるのは残念ですよね。


長くなりましたが次のテキストへ。


ディープラーニングG検定 問題集 第2版

ネットでは通称「黒本」です。こちらもポイントは「第2版」。

先のテキストもこちらも300ページほどありますが、

こちらはあくまで問題集であり、半分以上が解説です。

なお、この一冊で本試験にクリアできるか?!というと疑問が残ります。

試験前にこの本を9割以上正解でしたが、

本試験で自信をもって答えられたのは6割程度…その理由も後ほど。


もう一冊お世話になった問題集を。


最短突破 ディープラーニングG検定 問題集

こちらも360ページほどの問題集です。

黒本に比べると古いのですが、問題の傾向が違うことや

解説文がこちらの方がわかりやすい部分もあったりしました。

改めて書きますが、両問題集は9割以上とれる状態で試験に挑みます。


おまけ程度のあったら便利テキストです。


G検定 要点整理テキスト&問題集

紹介してなんですがいらないかもしれません。

要点がきれいにまとめてありますので、

一通り勉強した後に、このテキストで頭の中を整理したり、

一部の数学的な内容をこのテキストで学びました。

が、必要かどうかと言われたら「Google検索でなんとかなる」かも。


ここまでは一般的な書籍です。

追加で一冊「意外と役立った本」をご紹介します。

他サイトではなかなか紹介されない秘密の一冊です。


からあげ先生のとにかく楽しいAI自作教室

いきなり実践系の書籍ですが、役立ちました。

内容はプログラミングの知識がなくてもAIが作れる…

というよりは本の通りにやるとAIがわかるといった感じです。

超初心者向けでわかりやすいのはもちろんのこと、

上記のテキストや問題集で出たツールを実際に使いますし、

出てきたキーワードが「ここで使うのか!」ってなります。

時間があるなら一通りやってみると理解がかなり深まります。


例えば…


Tensorflowを使って画像認識をします。

Kerasとnumpyを使って…

学習率にエポックといったハイパーパラメータは…

学習データを読み込んで、訓練して結果を見たら過学習したので…


と、勉強してない方は聞いたことがないワードが並んだかと。

テキストで学んでも


 ハイパーパラメータは人が設定する数値だよ!

 過学習は訓練データに特化した状態だよ!


と断片的な情報ですが、自分で作ると一連の動作として理解できます。

ですからテキストで一通り学んだあとに実際に作ることで

「進研ゼミで出たやつだ!」

みたいな体験をするわけです。私はこれが試験でも生きてきました。

少し寄り道ですが、余裕があればこの本をって思います。

もちろん他の初心者向け書籍でもいいと思いますし、

プログラミングの知識があるならもっと高度なものでも良いでしょう。


次は動画で、しかも無料で学ぶお話。


無料動画サイトは2つ、gaccoとCoursera


次にオンライン講座、しかも無料のサイトを二つ。

見出しにもありますがgaccoとCourseraです。


他サイトではStudy-AIやYouTubeがおすすめされていますが、

個人的に役立ったのはこの二つでした。


gacco

gaccoとは
大学教授をはじめとした一流の講師陣による本格的な講義を、誰でも無料で受けられるウェブサービスです。
引用:https://gacco.org/about.html

おすすめの講座

>はじめてのAI
https://lms.gacco.org/courses/course-v1:gacco+pt028+2019_08/about

>AI・データサイエンス基礎
https://lms.gacco.org/courses/course-v1:gacco+pt093+2021_06/about


何が良いか?と言えば講師陣がしっかりしておりわかりやすいこと。

また、具体的にAIを活用する際の講座もあることや、

一部で理解度チェックテストまで用意されていることです。

テキストに飽きた時や防水スマホと共にお風呂で勉強しました。


注意したいのは講座に期限があること。

今回ご紹介した講座も一定期間で終了する場合がありますし、

また新たな期間設定で同じ講座が始まる場合もあります。

リンク先が終了している場合はご了承ください。



Coursera

Courseraとは
世界最高の大学や企業から学位をオンラインで取得してスキルを身につけることができます。
引用:https://www.coursera.org/

もうひとつはこちら、Coursera。

実はテキストや問題集にも出るほどAIの勉強では有名なサービスで、

おすすめ講座の講師である Andrew Ng 先生はテキストにも出たり…

そんな素敵な講師から直接教えていただけるのがポイントで、

こちらも「さらに具体的に、仕事で使いたい」と思っても大丈夫。


おすすめ講座

>すべての人のためのAI AI for Everyone


国内の試験対策サービスを提供する会社の動画も良いのですが、

わかりやすくて深いのは上記の2つだと思いました。

どちらも無料ですから活用してみてください。


次に具体的な勉強方法です。


勉強方法:テキストと問題集平行しつつ、とりあえず一周。二周目から本気出す!


最初に書いた通り、ほぼ知識ゼロでした。

テキストに出るAI用語はもちろんコンピューター用語や、

数学の理論もわからず「大丈夫か!?」と思ったのを覚えています


テキストを読みつつ、問題集を1章ずつこなす…

で、成果率はもちろん間違えた箇所も残しておきましょう。

なお、わたくしは当初5割程度の正解がやっとで、

比較的難しいとされる手法の細かい部分では2-3割という状態…

正直「無理かも…」と思いましたが、結果はご存じの通り、

偉そうにnote書いてるほどですから安心してください。


最初は「最後までやる」を目的として行い、

間違えた問題の解説を読んでなんとなく理解したらOKです。


で、本番は2周目。


ある程度キーワードが頭に入っていたり、知識が蓄積されています。

点ばかりだったのがつながり線や面になっていく…

(AIだからニューラルネットワークみたいに…というのが正解!?)

を経験しつつ問題にあたっていくと、やっぱり5-6割です(笑)

が、今度は「なぜ間違えたのか?」がうっすらわかってきますし、

次の答え合わせの際は間違った問題に関して

公式テキスト(あれば4冊目の要点まとめ)を使って理解します。

最初から知識があればこんな面倒な作業がないのでしょうけど、

そこは偏差値50の文系アラフォーなんで遠回りさせてください。


こうして間違えた問題を見直すと3周目に大きな変化があります。

章によっては8割以上取れたりしますし、

苦手だったものでも5割を切らなくなったり…

ここで「弱点」がわかったらそこを徹底的に掘り下げていきます。

大切なのは「なぜ間違えたのか?」であり、

一番怖いのは「正しい」と思って間違っていた問題です。

4周目にはだいたいどの章も8-9割取れるようになったりします。


さあ、これで試験も大丈夫!と思ったら大けがします。

これはネットにも多々ありますが、問題集ができても試験ができません。

理由としては新シラバスになり出題傾向が変わったことで、

問題集の問題がそのまま出るようなことはほぼありません。

肌感として5-6割ぐらいが問題集でも似た問題があり、

それ以外はテキストや内容を理解したり、

さらにはニュースなど新しい情報を仕入れてないと答えられません。


参考ですが、Study-AIさんが模擬テストを提供しているので、

こちらをやってみると「テキストの過学習」が理解できます。


https://study-ai.com/generalist/


なお、こちらも間違えた問題は深く理解しておきましょう。

特に公式テキストや問題集で見ないような毛色の問題に関し、

実際のテストで似たものが出た記憶があります。


次は試験対策です。


試験対策:スピード勝負と共に、キーワードの説明ができるようにしておく


これはほかのサイトでも書かれているので簡単にいきます。

ポイントは3つ


1:試験時間が足りなくなる可能性があるので、わかる問題から
2:キーワードだけで覚えるのは失敗のもと
3:ネットのカンペ情報は使えないものが多い


まずは1の時間の話。

120分で220問程度の選択式です。

単純計算、1問32秒ちょっとで回答が必要です。

なお、問題文と選択肢含めて100文字以上あるのも普通でして、

その問題文を読んで、答えを考えてクリックして32秒です。

問題はチェックをつけて「あとから見直し」ができますが、

その作業をしていると30秒はもちろん60秒もありえます…

ですから「早押しクイズ」のように問題文をざっくりみて、

選択肢みたら答えが出るくらいの問題もあります。


次にキーワードだけで覚える方式。

これは過去の試験対策ブログや動画に多いのですが、

「関連する動画をつなげて覚えておく」というものです。

これらのブログや動画の投稿者が悪いわけではなく、

今年から新シラバスになり、ネットに増えた「カンペ」対策もあるかと。


説明文を読んでキーワードを選択するというよりは、

特定のキーワードを出されてメリットを選んだり、

特徴ではないものを選ぶといった問題が多くみられました。

キーワードで繋げて覚えるだけだと間違いなく混乱します。


最後にネットのカンペ、2と同じです。

シラバスが変わったり、一部でカンペが有料で売られています。

noteもですが一部の個人売買サイトでも販売されており、

テストを提供する側もその対策をしているのでしょう。

個人的にはカンペなしで挑みまいたが、

そもそもよくある「簡易説明」のカンペは全く役に立ちません。

記憶の限りですが公式テキストの「コラム」みたいな、

それこそ本文から外れた部分の内容が出題されたりもしますし、

先にも述べたようにキーワードの説明を選ぶものがあります。

YouTubeで有名な動画なども見ましたが、

キーワードをつなげるタイプでカンペ作成を推奨する方もおり、

その通りにした方は試験中に大変だったかと思います。


公式テキストや問題集をしっかり理解したうえで

8-9割とれる状態であれば合格はできると思います。

もちろん時事ネタなどテキストにない問題も出てきますが、

基本的にはテキストにある知識で対応可能です。


最後に、なんでG検定とったのかという話です。


経営者はAIの知識が必要になり…一般常識にもなると思う

きっかけはこの本でした。

自分の中で

「AIはプログラマーが使うもの」

「AIは優秀な理系が作る」

と考えている節があり、その状況で上記を読みました。

帯にもあるように「AIはExcelくらい誰もが使う」というか、

例えばスマホにAIは搭載され、検索エンジンにも搭載され、

さらにメールソフトや様々な場所で活用されてきています。


自分は2002年ごろにホームページを作成し、

当時は「ごく一部のためのもの」だったのが

気が付けば「名刺がわり」「店がなくてもHPはある」に

変化するのを見てきました。

WordやExcelだって昔は「出来たらすごい」が今では常識。

Skype全盛期は「オンラインMTGなんてIT企業だけ」だったのが、

現在は「当たり前」になってきていますよね。


AIもそうなるじゃないかと思って勉強した次第です。


ただ、一般で言われるAIとは少し違うというか…

「AIが人間の仕事を奪う」

「AIが究極まで進化し人を滅ぼす」

これはないと思います。なぜって、勉強したから。

特異点(シンギュラリティ)といってAIが人を超えるとき

多くの方々が警告をしているのは事実である一方で、

AIはいまだに3歳児はおろかサル並みの行動もできません。

これも勉強すると出てきますが、弱いAIしかなく、

強いAI…いうなら一つのAIですべてをこなすのはまだまだ無理です。


経営者こそG検定を受けるか、最低でもテキストを読むべきだと思う


ただ、AIは特定の業務でとんでもない結果を出せます。

そこで思うのは「チームの一員としてのAI」です。

今までは特異な人や優秀な人がやっていた分析であったり、

ひらめきや経験に任せた企画・立案に関して、

正しい内容と量のデータを与えるだけでAIがこなしてくれます。

過去数年のデータからこの先を予測…もしてくれます。

これはとっても優秀な「チームメイト」だと思います。


私は経営側にいるからこそ、適材適所で人員配置し、

必要に応じて投資をしたり判断が業務となります。

だからこそ「AIをチームに入れる」という判断も必要ですし、

例えばスタッフが

「AIでこういうのができて、こういう効果があります。

予算は〇年で〇億円ですが…」と来た時、判断も必要です。

経済新聞程度の知識では判断がつきませんし、

「AIに仕事を奪われる」なんて言ってる人間は問題外です。


正しい判断をしたい、AIとうまく付き合いたいからこそ

最初に体系的に学べるG検定を選びました。

次はE資格と考えていたのですが、AIを学ぶほどに

「統計学の一部」でしかないと吹き込まれ(?)

統計学の勉強へと移行している次第です。


残念ながらG検定で給料アップや転職のことはわかりません。


ただ、先日某社のAIエンジニアさんや

データサイエンティストさんとの打ち合わせは非常にスムーズで、

先方からのお話はよく理解でき、必要な質問もその場でできました。

たったこれだけ、でも大きな成果だと思っています。

だからこそ偏差値50の文系でアラフォーなのにG検定だったわけで…


だいぶポンコツでもなんとかなった勉強法が、

少しでも誰かの役に立てばと考えてnoteにまとめた次第です。

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