顧客接点のデジタル化とマーケティングトレンド
近年「顧客接点のデジタル化」ということがよく聞かれます。
「顧客接点」とは企業と顧客が接するすべてのことです。
企業側の人間と顧客が直接接する接点だけでなく、企業側が提示する情報やモノに顧客が接する間接的な接点も含みます。
・直接的な顧客接点
店頭での商品説明、電話での営業行為、商品の展示会、コールセンターでの応対など
・間接的な顧客接点
ダイレクトメール、webサイト、SNS、テレビCMなど
これらの顧客接点をデジタル化するとは、例えば問い合わせ対応をAIチャットに置き換える、商品説明を公式サイトの動画で行う、展示会に替わるウェビナーを行う、などということを指します。
特にコロナ禍以降、人と人との直接的な接触がやや敬遠される社会情勢となっており、こういったデジタル化は避けては通れない課題と言えるでしょう。
ただし顧客接点のデジタル化とは、単に既存の接点をデジタルに置き換えるということではありません。デジタル化によって得られる膨大なデータをもとに、顧客一人ひとりに「満足度の高い購買体験」を創出するということが重要です。
特にスマートフォンのアプリなどを介することで、より顧客の「今」に接触しやすくなっていますから、業種によっては顧客のリアルタイムな「今」の状況に応じたプロモーションを仕掛けていくといったことが重要になっていきます。
これはコトラーの提唱する「マーケティング4.0」の概念とも符合します。マーケティング4.0の中で、マーケティングは「4P」から「4C」へ変わるとされており、特に4Cの中でもCo-Creation(共創)やConversation(会話)といった要素は、顧客と企業の双方向的なやり取りを表します。顧客接点のデジタル化によってこういった要素が実現されていくでしょう。
また、顧客接点をデジタル化することにより、逆にオフラインならではの価値が再定義されることも忘れてはなりません。
今後はオンラインとオフラインが融合し、より高度なマーケティングが確立されていくでしょう。
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