ドラマ「おっさんずラブ」の感想を書かれたことで、一挙に名が売れた（ように見えた）ライターの横川さん。彼の書く文章がとっても好き。あとフィギュアスケートが好きなところ、特に宇野昌磨選手と山本草太選手推しなところ、少女漫画が好きなところなど、非常に価値観に共感する部分が多くて世界の片隅で応援してる。

彼の呟きに、また共感してしまう。

いや、これを言えるほど全然仕事してないから気持ちの部分だけ。

なぜ今日いきなり声をかけられて、明日から仕事できると思うのか

自分の思い出その1。

一昨年くらい、ギャラは良くないけど楽しんで書ける仕事をもらっていた。書籍などで史実を調べて数千文字にまとめるやつ。知識が身につくことが嬉しくて、わりとお気に入りだった。

しかし書籍から調べるとなると、一本仕上げるのに数日がかり。本を探して読むところで時間がかかる。
（歴史的な史実はネットに深い情報がほとんどなく、図書館で本を借りて調べるしかない。理系の情報はデータベースからすぐ最旬の論文にアクセスできることが多いのだけど、文系の情報はあまり出合えない）

だから、突然その依頼メールが来て、「１か月で何本できますか？」と問われたときに「えっ」と戸惑う。

今日からやり始めて１か月で調べて書く系の仕事を何本できるかって？

私が常に「スケジュールがら空き」ならいくらでもやるのだけど、そういう状況だったらライターを続けること自体が難しくなってくる。

毎度「来週は旅取材で、その次は住宅取材がギュウギュウで」と前置きしながら2本くらい、、、などとおそるおそる返事していた。

「そうですか。まあ、5本くらいやっていただけると仕事らしくなるんですが」

そう言われ、いつの間にかその仕事はフェードアウトした。

取材日時だけを聞かれておいそれと受けていいのかどうか問題

別の思い出。

SNSで仕事の依頼をもらい、「○日の○時は空いてますか？」とだけ聞かれることも多い。

バックグラウンドを知っている相手なら、「あの仕事かな」くらいのスタンスで「空いてますよ」と返す。納品は数日だから一本だけならいけるかなと。

その流れで、情報があまりない状態で「空いてますか？」という連絡をいただいた時。

取材が立て込んでいるので「空いてるけど、いつもの納品日程では間に合わないかもしれないんですが」とレスしたら、「納品はいつがいいですか？」と相手から返事。

「ところで、原稿ボリュームは？」と念の為質問すると、「あっすいません言ってませんでしたが6本です！」と返事が来た。

それは先に言うことでは？

「取材日は空いているけれど、その後のスケジュールが大丈夫かどうか」は誰も気にはしてくれない。

短い情報でレスを求められるこの社会。私はもっと対応策を考えなければいけない。（でもちゃんと相手には、ボリュームは先に教えて欲しいと伝えておいた）

でも仕事のことだけじゃなくて、この世全体のこと

これは仕事だけの話ではないと感じている。

「相手にボールを投げたらすぐ返してくれるはず」という大前提で全てのことが動いていて、それが思い通りにいかないと「なんで」みたいになるこの世。

私は昔、ママ友グループの中でこんな会話が繰り広げられていたのを聞いた。

「○○さんが、ライン見てから5時間後に返事くれて。5時間だよ？遅くない？？」

えっ十分早いじゃん！

と、思ったが言えなかった。私だったら夜寝る前に返すかもなと思った。おいそれと既読つけらんないわと感じた。

また、友人にLINEをしてから、半日後に返事が来る時など。毎回冒頭に「遅くなってごめんね〜」って書いてある。いやいや何も遅くないし、その日中に返事が来れば全然いいと思うの。

だけど、ちょっとでもレスまでに間が開くと「遅くなってごめんね」。

もちろん「後でレスしよ」と思ったが最後、そもまま忘れるリスクもあるわけで、即レスはもちろんできることに越したことはないが。

短文メッセージの社会、即レス化の世界

なぜこれほど即レスが求められるのかは、1人が抱える情報量と業務量が膨大になり、短時間でたくさん捌かねばならないからなのかなと思うけれど。

それを「納品も即レスできる」社会になるのは超怖い。

この価値観。

メッセンジャー的なアプリでのやりとりが標準化しているから？

一行に入る文字量は僅か。たくさんの情報は入らない、その分早くレスができる。しかし大切な情報は抜け落ちている。

だから、いくら早く返信をしたところで、コミュニケーションの齟齬は生まれるのではないかなあ。

まあ、なんにせよ。文章を考えるのにも、自分の予定を考えるのにも、思っているより時間とエネルギーを使う。

なので、私はしっかりと大地に足をつけて、丁寧にレスをしなければならない。

が、ママ友からの長文ラインには、私は「わかった」の一言しか返さない。

（みんなめっちゃ長く絵文字入りの長文ラインをくれる。私はそれを打つのに恐ろしいほど時間がかかるの。なぜなら、ガラケー打ちしかできないから）

もう、私自身がわからない。