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2023年夏 ある夫婦の夏休み


まずは楽しくハイキング。JR奥多摩駅からのこぎり尾根を登り鋸山のこぎりやまを経由してから大岳山おおたけさんそして御岳山みたけさんへと縦走を計画。ただいま御岳山ではレンゲショウマまつりを開催中。レンゲショウマの群生を目指します。(注1)
早朝のJR奥多摩駅を出発。
序盤、愛宕神社へと上がる参道にある石段。187段あります。
路傍にはかわいいキンミズヒキの花。
爽やかな朝。
明るい森を進みます。
あっ!一輪だけ咲いていました。可憐なレンゲショウマの花。朝露に濡れた姿。
御岳山までの行程で見かけたのは鋸尾根のこの一輪だけ。
木漏れ日の森。順調に歩みを進めます。
ミヤマウズラ。常緑のラン科の植物で、夏の盛りに花をつけます。
ミヤマママコナ。
鋸尾根では箇所箇所でその群生を見つけました。
モミジバハグマがもう咲いていますね。キク科の多年草で、高尾山では秋に咲く花です。奥多摩ではちょっと季節が早いのでしょうか。
大岳山山頂に到着。残念ながらふもとから雲が湧いてきて、遠景は望めませんでした。晴れていれば丹沢の山脈越しの富士山を望むことができます。
山頂からの遠景は望めませんでしたが、空の一部で雲がはれて青空がのぞきました。大きな夏の入道雲。子供の頃も幾度となく見た、ああ夏休み!という思い出の空です。
御嶽みたけ神社にお参り。この平凡な幸せが末長く続きますように。
御岳山ではレンゲショウマまつりを開催中。富士峰園地北側斜面に数千株の群生地があり、一斉に花が咲いている光景は見事のひとこと。
見れば見るほどかわいいですね。ずっと見ていると、ひとつひとつの花にはそれぞれ個性があることがわかります。
レンゲショウマの群生の中に咲いていた、ツリガネニンジン。高尾山でも多く観察できます。
素晴らしい!本当に来てよかった。後ろ髪を引かれる思いで下山します。
下山後向かったのは、山深い谷間にひっそりと佇む小さな集落。かつて養蚕農家の母屋だった古民家を改装した宿泊施設が本日の宿です。
養蚕農家の面影を残す、二階に設えられたロフト。養蚕農家の二階には蚕室として利用するため、間仕切りのない広い空間が確保されています。
お風呂でさっぱりと汗を流してから、ハンモックに身を委ねて、普段は手に取らない本を静かに読みます。いつも何かに急き立てられているような毎日から隔絶された、良質な時間。
この糸巻きのように、宿にはここが養蚕農家であったことを偲ばせる小物が飾られています。
待ちに待った夕食。つき出しは、村で採れたジャガイモをマッシュし、旬の香り高いトウモロコシと枝豆を直火で香ばしく焼いたものを包み込んだポテトサラダ。アクセントにチーズを焼いたチップを添えて。
碗盛。芳醇なうま味をまとった香りが春風のように鼻腔を吹き抜ける冷たい鰹の一番出汁をはったお椀の中には、村で育てられた山梨県のご当地ブランド魚「富士の介」を同じ出汁でヅケにしたお刺身。それに、青菜とシメジにこれまた村で育てられたワサビを添えて。正真正銘の本ワサビは、この量でもその清涼な香りと刺激の存在感が抜群。健康的な脂の乗った肉感たっぷりの富士の介の旨みをさらに引き立てます。
焼き物は、村で育てられたイワナのソテー。上にのっているのはおかひじきととうもろこし。バジルと味噌のアクセントが加えられたバター風味のソースとトマトのピューレに、地元産のゴーヤーを薄切りにして素揚げにしたチップを添えて。このイワナ、縦に切った切り身でこの大きさです。どれだけ立派なサイズなのか。ですが、全く大味ではなくむしろ深山の恵みが凝縮されたような濃厚な味わいでした。
メインはこちらも山梨県ご当地ブランド、「甲州富士桜ポーク」のロースト。甘酢のソースに合わせるのは大根おろしとたで。付け合わせはズッキーニのフリット。村で採れた青唐辛子を添えて。蓼酢からの着想か、甘酢に蓼の組み合わせが秀逸でした。
ご飯は村で育てられた虹鱒の炊き込みご飯にとろろを添えて。美味しくておかわりしちゃいました。
そして水菓子。葡萄の盛り合わせ。
大満足です。心地よい酔いに誘われて、日常ではありえない早い時間に就寝。泥のようにぐっすりと眠りました。
おはようございます。朝食も豪華。ご飯とお味噌汁のお供の膳。
これに、焼きたてのだし巻き卵がつきます。美味しかった!
そして、この日迷い込んだのはある旧街道沿いの、とある宿場町。
江戸時代から変わらず残っているというその街並みを眺めながら、散策します。
ここはかつて造り酒屋だったという旧家。この町でも一際目立つ、大きな佇まいです。
ここが本日の宿。
中庭をとおり、部屋へ。
開放的な、庭付きの部屋に通されました。
まずはともあれ、お茶で一服。
今から一泊、何もしない、贅沢な時間をゆっくりと過ごします。
夜のとばりがおり、夕食の時間です。
最初は、まるで果物のような豊かな甘みが特徴のとうもろこし、ゴールドラッシュのすりながし。漆器の優しい肌触りを楽しむためあえて匙は供されず、椀に口をつけて食します。
次は地元名物の、おやき。ただしその中身は野生的な滋味あふれるシャモのぶつ切りと茶豆風の香り豊かな旬の枝豆という、前衛的な設定。経験のない驚きの美味しさです。
これを経木で挟んで手掴みで喫するという趣向。
イワナの刺身。醤油に漬けたものと、葱油に漬けたものをペアで。ここまで個性が変わるかと思うほど、食べ比べが楽しい一品。
新鮮な鯉をあえて数日間熟成させて旨みを引き出してから幽庵焼きにした一品。鯉の料理は洗いが一番好きですが、勝るとも劣らない、同じ魚とは想像できないアイデア溢れる逸品。
箸休めのサラダですが、生、茹で、揚げ、焼きそして干しと、ありとあらゆる調理法で準備した野菜の盛り合わせ。ひとつひとつが濃厚な味わい。野菜好きのわたくしにはたまりません。ニンジンのピューレと自家製味噌のパウダーを添えて。
メインはとろけるような柔らかさの牛カツに、桃と瓜のソテーを添えて。噛むと、旨みたっぷりのジューシーな肉汁が溢れ出ます。
締めのご飯と留め碗、香の物。ご飯は豚肉と、野趣溢れる甘みが特徴の赤とうもろこしを炊き込んだもの。
甘味と水菓子。甘味はヨーグルトのアイスクリーム。
部屋に戻ってからも、まだまだ良質な時間は続きます。何もしない贅沢を味わっていたら、いつの間にか眠りに落ちていました。
おはようございます。早朝、誰もいない静かな町を独り占めしながらお散歩。
さてさて、朝ごはんの時間。中庭を食堂へ。
お腹すいたなぁ。楽しみ!
ひとつひとつ、全部美味しく頂きました。
焼きたてのだし巻き卵。熱々で美味しい。
ご馳走様でした。このあと朝風呂に入って、チェックアウトの時間ギリギリまでのんびり過ごして、帰路につきました。明日からまた頑張ろう。

(注1)
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出典:国土地理院ウェブサイト(地理院地図:電子国土Web)
GPSデータに基づく軌跡を描線。
図形等加筆。


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