見出し画像

丹沢主脈表尾根縦走

《山行概要》
菩提バス停(08:35)⇨二ノ塔(09:50)⇨三ノ塔(10:00)⇨鳥尾山荘(10:15)⇨新大日(10:45)⇨塔ノ岳(11:05)⇨丹沢山(11:40)⇨蛭ヶ岳(12:35)⇨丹沢山(13:45)⇨塔ノ岳(14:20)⇨鍋割山(14:55)⇨大倉バス停(16:00)

総距離:34.4km
累積標高:2,763m / 2,649m
日付:2021年2月20日

山行地図(注1)

東京近郊には、初級者から上級者まで楽しめる登山エリアが複数あります。高尾陣馬エリア、奥多摩、箱根そして丹沢です。

これらの登山エリアの中でも、丹沢は沢あり壁あり谷あり山ありの、特に豊富なバリエーションを擁する山域で、多種多様な登山アクティビティを求めて年間多くの人たちが訪れます。なかでも塔ノ岳から深田久弥日本百名山に名を連ねる丹沢山、神奈川県最高峰の蛭ヶ岳、そしてその先黍殻山きびがらやまから焼山まで連なる丹沢主脈は東京近郊屈指の縦走コース。特に、塔ノ岳から蛭ヶ岳へと連なる尾根は、その眺望比類なき素晴らしさ。多くの登山者の心をつかんで離しません。

また丹沢主脈には、塔ノ岳、丹沢山ならびに蛭ヶ岳に居心地のいい山小屋があり、南北アルプス縦走を目指す登山者のステップアップとして、初めての小屋泊縦走の地に選ばれることでも知られています。

今回は、上述の丹沢主脈の一番美味しいところをピストンするルートに、こちらも東京近郊屈指の名縦走コースである丹沢表尾根を加えた超贅沢コースです。

丹沢表尾根は、小田急線秦野駅からバスでヤビツ峠に向かい、そこから入山して塔ノ岳に向かうのが一般的ですが、いつも菩提から二ノ塔尾根をあがるルートを選択します。ヤビツ峠に向かうバスは始発が遅いのと、特に週末は登山者で大混雑し、増発対応があるもののたまに全員乗り切れないことがあるからです。

二ノ塔尾根は週末も含めていつもほとんど人がいないので、他人に気をつかうことなく、気の向くまま自由にのんびりと登れるのがいいところなのですが、ひとをご案内したとき「人気ひとけがなさすぎてこわい」と言われてしまいました。これはもう各人それぞれの考え次第ですね。

二ノ塔からは大人気の表尾根に合流。ひとがぐっと増えて賑やかになります。天気のいい日は行者ヶ岳と新大日のあいだにある鎖場が渋滞し、時には30分以上停滞することがあるのでご注意を。

順調に塔ノ岳まであゆみを進めます。ここから、丹沢主脈の素晴らしい眺望を眺めながら、楽しい尾根歩きが始まります。富士山の遠景はもちろんのこと、ところどころ東側の眺望がひらけている箇所があり、雄大なパノラマビューを左右に眺めながらの尾根歩きは、ここが東京近郊の山とは思えない壮麗さです。

また、丹沢主脈は各種スミレをはじめとする可憐な野草の花々の宝庫です。特に多くの登山者が心待ちにしているのが、早春に咲くキクザキイチゲ。キクザキイチゲは通常花が白いのですが、丹沢の標高が高いところに咲く個体は淡青色や桃色の花を咲かせます。

順調にあゆみを進めて、神奈川県最高峰蛭ヶ岳に到着。ここからは、遮るものがなにもない富士山の勇姿が独り占めできます。そしてその向こうには冠雪した南アルプスの峰々。素晴らしい眺望です。

ご機嫌で蛭ヶ岳を後にし、丹沢主脈の稜線を戻ります。たった今来た道を塔ノ岳まで引き返すのですが、同じ道でも方向が変わると、往路とは全く違う景色を楽しめるのが山の面白いところです。

塔ノ岳からは大倉尾根をくだって下山するのが一般的ですが、欲張って鍋割山に寄り道。鍋焼きうどんが有名な鍋割山荘ですが、お昼の時間はとうに過ぎていて小屋もすでに店仕舞い。ここから二俣へ下山し、西山林道を経て大倉バス停にゴール。丹沢表尾根縦走、ここに完結です。

菩提バス停で準備運動。入念にストレッチしながら、これから目指す二ノ塔と三ノ塔を見上げます。
丹沢の峰々に囲まれた秦野盆地の地下は膨大な地下水を湛える天然の水がめです。町のいたる所に天然水がわく湧水口があり、秦野盆地湧水群と呼ばれています。葛葉の泉もそのうちのひとつ。早朝にくると、地元の方々がポリタンクを携えて水をたくさん汲んでいる場面に出会います。私も、ここでハイドレーションの水を全部いれかえます。軟水であたりがなく、美味しい水です。登山にバッチリ。
いつも静かな二ノ塔尾根。明るい森で、大好きです。
二ノ塔手前の富士山ビュースポットから、富士山の遠景。雲ひとつない青空。清々しい朝です。
同じく二ノ塔手前の富士山ビュースポットから、箱根方面。箱根も東京近郊を代表する登山エリアです。
二ノ塔と三ノ塔のあいだでうしろを振り返ると、雄大な相模湾の景色が。若干霞がかかっていますが、空気が澄んでいれば江ノ島、三浦半島そして房総半島まで、見事な遠望を得ることができます。
三ノ塔に到着。三ノ塔といえば、この素晴らしい富士山の遠景。こちら方面は霞が少なくクリアに晴れてくれました。
同じく三ノ塔から、これから目指す塔ノ岳の遠景。丹沢表尾根が一望できます。
写真中央のピークが塔ノ岳です。あそこまで、写真に写る尾根をつたっていきます。
三ノ塔から少し進んだところ、鳥尾山への降下ポイントに佇むお地蔵さん。いつもきれいな服を着せてもらって、とても大切にされています。
順調にあゆみを進めて、塔ノ岳に到着。
塔ノ岳からの富士山も素晴らしい。
同じく塔ノ岳から、相模湾方面の遠景。ここは有名な夜景スポットでもあります。
いざ、丹沢主脈を蛭ヶ岳へ。
丹沢主脈は絶景の宝庫。素晴らしいパノラマビューです。
丹沢山に到着。しばし休憩します。
不動ノ峰手前から、ここまで辿ってきた稜線をふりかえります。遮るものが何もない稜線が連なり、この尾根がいかに眺望に優れているかがわかります。
同じく、不動ノ峰手前からここまでの稜線をふりかえります。大好きな景色のひとつです。写真中央、丹沢主脈の向こうにみえる三角形のいただきは、大山おおやま
蛭ヶ岳に到着。今日は本当に天気がよく、ここでも素晴らしい富士山ビューに恵まれました。
蛭ヶ岳山頂からは、南アルプスの峰々も望むことができます。
白峰しらね三山(北岳、間ノ岳、農鳥岳)の遠望。
塔ノ岳まで戻り、鍋割山へと向かう稜線からみる蛭ヶ岳。ついさっきまであそこにいました。
鍋割山に到着。お昼時は名物の鍋焼きうどん目当ての登山客で溢れるのですが、もう3時前なので小屋はすでに店仕舞い。静かな山頂です。
そして、大倉バス停に下山。今日もお疲れ様でした。

(注1)
《国土地理院コンテンツ利用規約に基づく表示》
https://maps.gsi.go.jp/help/termsofuse.html
出典:国土地理院ウェブサイト(地理院地図:電子国土Web)

GPSデータに基づく軌跡を描線


この記事が参加している募集

アウトドアをたのしむ

山であそぶ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?