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今日のアヴェマリアは亡くなったAさんに捧げます

昨日は昼からN先生のバレエレッスン。前日に娘夫婦と夜まで飲んだり食べたりして身体が重い。
それでも何とかポアントレッスンまでして汗まみれで帰宅しました(コロナになってからレオタードは着たまま、上からワンピースをすっぽり被り自転車で帰ってくる)

3時半過ぎに自宅に着くなり、「Aさんの娘さんから電話があった」と夫。
「え、何て?」
夫はちょっと間を置いて「今朝、Aさん亡くなられたらしいよ。」

え、え、何?
意味がわからない。Aさんは月曜日から抗癌剤治療のため再入院するはず。
「急に容態が悪くなったんだって。まりりんは3時半に帰宅するって伝えたから、すぐ行ってあげて」と夫。

頭が真っ白だったが、震える手でレオタードを脱ぎ、汗を拭いて、ワンピースを着替えて私はAさんのお家に走って行きました(二分もかからない)。

チャイムを押すと娘さんが泣き腫らした目で出迎えてくれた。
「ごめんね。お電話頂いていたのに留守にしていて。」

娘さんからいろいろな話を聞きました。
癌はずいぶん進行していたらしいけど、病院の先生に娘さんがショックを受けることは伝えないで欲しいとAさんが頼んでいたらしい。。近所の私達もだから全く知らなかった。
「母の遺言でお通夜もお葬式もしないんです。水曜日に火葬して家に戻ってきます」
母ひとり娘ひとりだから、Aさん、いろいろ悩んだことだろう。
「H子さんは知っている?」と私。
「まだ連絡してなくて」
「じゃ、私が連絡するね。水曜日、H子さんと伺いますね。お母さんに会わせてね、、」
娘さんの肩を抱いた。
二女のサヤと同じくらいの歳かもしれない。
「よく、頑張ったね、、」声を掛けたら私も涙が止まらなくなった。

帰宅してすぐにお向かいのH子さんに電話をした。
「あのね、Aさんがね」私の第一声の声でAさんが亡くなったのではとH子さんは直感したらしい。
「この頃、すごく痩せて辛そうだったよね。そうか、入院していたんだ。知らなかった。
わかったわ。水曜日、一緒にマコちゃんちに行きましょう!マコちゃんを一緒に元気づけましょう!」

娘さん、マコちゃんと呼ばれているのね。H子さんはここで産まれ育った人だからAさんとも何十年もの付き合いだ。
「Aさんは72歳。私達と10歳しか変わらないわよ。元気だったのに。保護猫活動頑張りすぎたのかもね。。」とH子さん。
「亡くなった父や母とも仲良しだったから今ごろ会ってるわよ!ちょっと早すぎないかって言われてるかもね~」H子さんはいつも前向きで羨ましい。

娘さんのマコちゃんは32歳らしい。独身だ。Aさんが40歳の時に生まれた一人娘さんなのね、、
娘たちと変わらない歳、、
みんなで力になってあげたい。

私がAさんと親しくなったのは五年前、チワワのモナカを飼い出してから。
お散歩していたら「可愛い子ね~」と声を掛けられた。モナカは愛嬌たっぷりだから、たちまちAさんのお気に入りになり散歩中によくお喋りするようになり、、

私は五年前は子宮癌の手術をしたばかりで歩くのもおぼつかなく、時には杖がいるほど。
栃木出身のAさんはよく「しもつかれ」というお惣菜を作っては届けてくれた。
不思議な味で最初は違和感あったけどだんだん美味しくなり、夫と私の良い酒のつまみになったなあ。。

ベランダのイチゴのプランターも、玄関前のギボウシの鉢植えもAさんからのプレゼント。
カレーやジャムを作って持って来てくれたこともある。

ほんとに面倒見が良くて、弱った人を放って置けないAさん。
だからご自分の癌を知りながら、体調が悪くても最後まで保護猫活動をされていました。
「私が行かないと、あの子たち、お腹すかせて死んじゃうからね」と。

7月の初め、まだAさんが入院する前、夕方夫とモナカとタルトと散歩していたら、ばったりAさんに会って少しお喋りをした。
いつも綺麗に髪を染めて、お化粧をして、お洒落で元気なAさん。
「こんなに手が冷たいのよ」と私の手を握ってくれた。
声は元気だけど、びっくりするほど冷たいAさんの手だった。。

それがAさんに会った最後だったね、、と今朝夫と話した。

モナカを沢山可愛がってくれたから、再入院の時のお守りにとモナカの写真を先週娘さんのマコちゃんに届けたばかりだったのに。本当にまだ信じられない。

Aさんに届けたモナカの写真

今日は月曜日。今日からAさんは再入院する予定だったのに。。

私は気持ちの整理がつかなくてボーッとしている。
Aさんが急に容態が悪くなった原因がワクチンでありませんようにと願う。万が一そうだったらほんとにやりきれない。誰よりも優しく面倒見よく、誠実なAさんだった。
どれだけの猫ちゃんがAさんに助けられた事だろうか。

「まりりん、そんなぼんやりした状態じゃ、怪我するよ。モナカの散歩中、事故に会わせるよ。
Aさんに私のせいにしないでよ、しっかりしてよって言われるよ」と夫に言われた(博多弁で)。

そうね。
しっかりしなくちゃ。Aさんに叱られるわね。

今日はお向かいのH子さんの家でカルテット。久しぶりに四人で「アヴェマリア」の練習。

H子さんのピアノ、私のヴァイオリン、N子さんのフルート、S先生のチェロ。

今日のアヴェマリアはAさんに捧げる曲にします。



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