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訪問介護の無資格者派遣の手順と必要書類とは?

こんにちは!プロサポニュース部です!

令和2年4月24日の介護保険最新情報の通知で、訪問介護においても無資格者の派遣を可能とする旨が明記されました。

前回の記事にて、常に人材不足が叫ばれている訪問介護にとっては、まさに神の手のように感じる通知ですが、残念ながら運用することがとても困難であるとお伝え致しました。
詳しくはこちら ↓↓↓
無資格者の派遣が可能に!この通知の落とし穴を読み解く

今回は、

『それでも無資格者の派遣をしなければいけない!』

という訪問介護事業所の皆様に向けて、無資格者派遣の際に必要な手順と必要書類をお伝えしていきます!

1.無資格者派遣が可能になる条件

人材を十分に確保できない状況であることとは、
人員基準を割っていることまたは、コロナの影響によりヘルパーが休んでいることを指します。

通知内には、無資格者を派遣を認める条件として、
「通所介護等の利用が出来なくなった発熱等の症状のある利用者に対する訪問介護の提供増加や職員の発熱等により、人員基準上の必要な資格を持った人員が確保出来ない場合」と明記されています。

このため無資格者の派遣には、

訪問介護の提供増加・職員の発熱などにより、
人員基準上の必要な資格をもった職員が確保できない

ことが前提状況である、と捉えることが出来ます。

2.無資格者派遣可能な期間はいつまで?

今回の通知には、明確な期間が記されていないため、7都道府県に緩和措置の期間をどのように想定しているかを確認しました!

〇6行政の返答
『未定であるため、国からの通知を待ってほしい』
〇1行政の返答
『派遣が困難な状態が解消するまで』
人員基準を割る状態も、一職員が発熱等で休んだ場合も、長期的にその状況が続くことは想定していない。このため緊急事態宣言とは必ずしも一致しないと考える。

例えば発熱が原因で有資格者が休み、その補填として無資格者を派遣するのなら、有資格者が解熱して復帰すれば派遣可能な状態と考えられます。

このため、あくまで有資格者の派遣が困難な場合の一時的な措置であり、この期間は必ずしも緊急事態宣言の満了までとは想定していないという事の様です。

『未定』との返答があった6行政も『あくまで新型コロナウイルスが原因で派遣が出来ない場合の一時的な措置であり、新型コロナウイルス以外の原因で派遣が出来ない場合のことは想定していない』としています。

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3.無資格者派遣の手順と必要書類

ここからは、有資格者の確保が難しく、どうしても無資格者の派遣が必要な場合の手続きと必要書類についてお伝えしていきたいと思います!

〇手順〇
① 人員基準を割っていること、または職員別に派遣が困難になった理由を記録に残す
② 無資格者を採用・雇用する
③ ご利用者に説明し同意を得る
④ 派遣する
⑤ 緩和措置の期間終了をむかえる

① 人員基準を割っていること、または職員別に派遣が困難になった理由を記録に残す
【必要書類】
〇勤務形態一覧(人員基準を割っている)
〇37.5度以上の発熱(派遣が困難な状況)で休んでいるなどの、有資格者を派遣できない状況で有ることを記録に残す

② 無資格者を採用・雇用する
【必要書類】
〇他の事業所などで高齢者へのサービス提供に従事したことがある人
実務経験証明書及び雇用契約書類一式
〇利用者へのサービス提供に支障がないと認められる人
法人、事業所が『利用者へのサービス提供に支障がない』と判断した理由及び雇用契約書類一式

③ ご利用者に説明し同意を得る
【必要書類】
〇説明を行い、同意を得たことの記録(支援経過等)
〇重要事項説明書

※ご利用者への説明は、事前に丁寧に行い同意を得ていれば、口頭で説明したことを支援経過に残し、後日、重要事項説明書の変更事項に同意を頂く事も出来ます。

④ 派遣する
【必要書類】
〇通常の介護記録に実施したサービスを記録

⑤ 緩和措置の期間終了をむかえる
【必要書類】
〇支援経過
無資格者の派遣期間終了を迎え、通常の有資格者を派遣することに至った旨の記録を残します。

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4.無資格者の派遣ができる具体的な状況とは

この緩和措置の中で注目すべきことの1つに、派遣された無資格者に緩和措置期間終了を迎えた後の事が何も考えられていない事が挙げられます。

緩和措置期間が終了を迎えれば、無資格者は派遣できないという事になるため、訪問介護事業所を単体で運営している法人・事業所では、無資格者を雇い続けることが困難になることでしょう。

これについて、7都道府県の行政に、無資格で派遣された人材が、資格取得のために何かしらの免除が用意される等、
『雇用継続を可能とする措置を検討しているか』
を確認したところ、
『現時点では何も決定しておらず、国からの通知を待ってほしい』
という返答に留まっています。

このことから、現実的に無資格者を派遣できる法人・事業所は下記の様な状態にあることが想像されます。

〇複数の事業所を持っている法人間で、無資格者を一時的に訪問介護事業所へ派遣できる状態
例)通所介護事業所で働く無資格者を訪問介護事業所へ派遣する
〇初任者研修・実務者研修の講義を終え、修了証の発行待ちの状態の求職者を雇用することが決定している状態
※無資格者派遣条件の利用者へのサービス提供に支障がないと認められる人に分類されるため、事前に管轄行政に確認を行うのが良い

5.まとめ

今回の緩和措置の通知について、いくつかの質問を7都道府県に投げかけてみたものの、そのほとんどは
『法人判断』
『現時点では国からの通知が来ていないため、国の決定を待ってほしい』
という返答に留まっています。

新型コロナウイルスという、介護業界に限らず世間を賑わす情勢だからこそこの様な緩和措置が出されていますが、介護従事者にとっては、いつでも感染のリスクがあり、いつでも人材不足に陥っているのが現実です。

災害やパンデミックになっても、介護の現場は休むことが叶わない現実の中では、法人だけでは解決できない状況に陥ることも想定しなければいけません。

今回のような一時的な緩和措置の実施をするのであれば、

〇ご利用者と顔見知りの地域住民が生活援助等の介護に参加した際に介護給付の対象とする事ができる
〇無資格者を派遣する際には必ず同行について身体介護を教え、緩和措置終了後はこの研修記録をもって初任者研修の一部を免除する

等の、未来につながる様な措置が望まれています。

より良い介護業界の未来のために、今回の新型コロナウイルスをきっかけとして、根本的な課題の解決策を実施して行くことが大切なのかもしれません。

さて、本日は無資格者派遣が可能な前提条件と、具体的手順についてお伝えしました!

次回は、業界で噂の、
新型コロナウイルスによる介護職員への危険手当についての情報
をお伝えしたいと思います!宜しくお願いいたします!

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〇加算獲得チェックシート(特定事業所加算 取得前の方はこちら)
https://pro-sup.com/documents/274/

〇返還診断チェックシート(特定事業所加算 取得後の方はこちら)
https://pro-sup.com/documents/402/

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