日経平均株価は史上最高値を更新したが

日経平均株価が1989年末の過去最高値をついに更新した。

JPXより作成

株価水準は同じでも、株式益利回り(PERの逆数)は大きく異なる。約5%はグローバル基準では妥当な水準なので、バブル期と違ってファンダメンタルズ(企業利益)に裏付けられているといえる。

企業業績の拡大を背景に、賃金と物価がそろって上昇する経済の好循環に期待が高まった。

👆自分の周辺ではこのように期待する人は見当たらないが、期待薄なのは👇にあるように、日本経済の構造が金融ビッグバンをはじめとした構造改革によって様変わりしてしまったからである。

第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストは「現在の国内企業の株価はグローバル化した企業の実力であり、日本経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)を反映するものでなくなった」と指摘。国内景気が悪くても、海外での収益性が高まれば株価は上昇するようになり、「バブル期の『日本の景気=株価』だった情勢とは経済活動や収益の範囲もずれてきている」と分析する。

JPX
内閣府
内閣府|原系列の前年同期比

企業が変わってしまったことに加えて、人口構造の変化が好景気の実感が湧かない原因になっている。中位数年齢は1989年→2021年に37.1歳→49.0歳に上昇している。日本の社会が老化しているために、グローバル化した企業は日本国内でカネを回さななくなっているわけである。

これから益々ヤバくなる。

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