公務員はpublic enemy

小泉政権の頃から、改革派を自称する政治家が、公務員(public servant)はpublic enemyだとして、国民を公務員から守るための「我が闘争」をアピールするようになった。

「シロアリを退治して、天下り法人をなくして、天下りをなくす、そこから始めなければ、消費税を引き上げる話はおかしいんです。徹底して無駄遣いをなくしていく、それが民主党の考え方です」
小泉首相の目指す構造改革は、一般に「痛みを伴う」ものであると言われているが、ほんとうにそうなのか? いや、断じてそうではない! なぜなら特殊法人改革は、われわれの税金を蝕む「ムダの巣窟」を一掃する、国民にとっては「明るい」行革だからである。
本書は、改革の中心人物が特殊法人の問題点を洗い出し、民営化によるメリットおよび実現への戦略などをわかりやすく解き明かした小泉構造改革への案内書である。

公務員叩きは今でも国民に大人気だが、公務員をユダヤ人に置き換えれば、ナチスとよく似ている。

ドイツが第一次世界大戦に敗れたのは、ユダヤ人や共産主義者が革命を起こしてドイツ軍を後ろから撃ったためだと訴え、<民族の敵>の排斥を主張しました。ヒトラーの演説で最も盛り上がったのは、この「背後からの一撃」伝説や、ユダヤ人商人が大もうけしてドイツ人が苦しんでいるという「ユダヤ人の陰謀」を非難したくだりだったといいます。

獅子身中の虫の公務員が日本の経済社会を蝕んでいる

公務員を排除しなければ日本社会は健康体を取り戻せない

公務員の排除が「改革」

公務員の代わりに民間企業が入り込む(利権獲得)

ということになる。

「ギリシャは公務員天国で大阪市も同じ状況。革命を起こさないと大阪市は破綻(はたん)する」と話し、公務員制度改革を掲げる橋下徹市長に「応援しているので頑張って」とエールを送った。

<国民の敵>の公務員の排斥は公的支出の削減、公的部門の縮小・弱体化につながるので、必然的にこのような事態(⇩)を招く。公務員叩きは日本の政治経済への影響力を強めたり、日本から「宝」を吸い取ろうとする外国勢力を利する行為でもある。

これほど単純な煽動が20年間も有効であり続けていることは、日本人が世界でも稀なnaïveで学習能力が低い国民性であることを示している。

大阪でこの手法が特に有効なのは、「お上」に対する反発心と民間活力信仰が強い風土が関係していると思われる。大阪では公園の無料スペースから利用者を追い出して営利企業の儲けの場に変える「囲い込み(エンクロージャー)」が行われているが、それが「改革」の本質である。

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