欲望を手放すな

結論から先に書くと、

(反倫理的な)性的な話題に対して強い怒りを表明する人は、自身の心の奥底に隠した欲望を言い当てられたような気まずさと焦燥感から、それと真っ向から反することを主張する。

そしてそれはあんまりよくないよ、という話をする。


大なり小なりの社会においてもっぱらSNSを賑わせるのは性的なスキャンダルである。不倫。浮気。オフパコ。アイドルと繋がり。バンドマン。特殊性癖。流出動画。DM暴露。風俗やパパ活ママ活。買った買われた。売った売られた。
もう少し間接的なものでいうと婚活だの旦那デスノートみたいな話もそれに類すると思う。
パーソナルであり、刑法に引っかかるほどのものでもないが、しかしそれ以上に重たい社会的制裁すら受ける話題。
なぜそんなに他人のシモ事情に興味津々で、かつ自分ごとのように真剣に怒りを表明できるのか、よくわからなかった。

しかし人間の振る舞いを見ているといつしか気付く。

浮気なんかないわ~と言ってるやつは男女問わず100%浮気してる。
ヤリチンを否定するやつは異性にリプライやDMを飛ばしまくっている。
同性愛をDisる人間ほど裏で同性にアタックしている。
ファンは無理って言いながらファンの中に彼女が4-5人いるバンドマン。
パパ活を否定しつつも別の方法で金を搾り取る女性たち。

要は、一番最初に書いた法則にすべてが当てはまっているのだ。


この自家撞着はおそらく本人のメンタルにあまりよろしくない影響を与えている。
だいたい強い主張をする人ほど、後で思いっきりしっぺ返しのように大爆発するからだ。
子供を守る立場や団体に所属する人間の児童に対する性暴力だったり、真面目なイメージの人が実は……なんて枚挙に暇がない話。
欲望を手放そうとすればするほど、それは手元で強くなっていく。

私はそんな大爆発したくないし、かといって倫理道徳からはかけ離れた性格をしているので、自分の隠したいような欲望はむしろ積極的にオープンにして他者の欲望も肯定していくことで、矛盾による歪みを減らしつつ周囲からの期待値を下げる言動を心がけている。
何でもアリな態度でのらりくらりすることで致命傷を避けつつ、他者にとってもすくいになれればいい。
とはいえすべての人に対して開示する必要はなく、場所や相手によって名前やペルソナを使い分けてちょっとずつ自分を解放することで足場をたくさん作るのが大事だと思う。ので実践している。


欲望は生きる力の源でもあるし、所詮ただの動物である人間には避け得ないものでもある。
それに必要以上に蓋をしようとすればするほど、人は歪みを蓄積していく。
だからちゃんと自分も他者も肯定して受容していくことが大事。
最後に、そういう話が描かれたアニメ『さらざんまい』を推しておくのでぜひ観てもらいたい。配信されてるとこ少ないけど、、

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