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脆く弱い自心に克つ-克己と自利利他


克己と自利利他の関連性

己に克つと自利利他の解説

1.克己=己に克つ

世の中で成功している人は、
先天的、後天的に関わらず必ずと言える
ほどの強い克己心を備えています。

そしてそれは、
人として大切な思い遣りとも言える
利他心の礎(土台石)です。

『克己心(己に克つ心)』の源は、
遜り自分の力はまだまだ不十分と言う
謙虚な自覚を持つことです。

自分を周りとの比較して見つめるだけの
気持ちでいると、この克己心を備え持ち
続けることは困難です。

スポーツの世界や勝負の世界でも周囲と
の比較はあまり最重要でないと言います。

何故なら超えるべき相手、超えなければ
ならない相手は、他人の敵ではなく自分
自身である故からです。

現在活躍しているサッカーやプロ野球など
選手の殆んどが「克己心」を意識しています。

それは、その克己心の内側にある
自分を高めたい。
弱い自分に打ち克ちたい
」と言う情熱や
向上(チャレンジ)心からと考えられます。

人間は、
立場や地位、成功が続いけば続く程、
周りを意識しない自己中(保身)に走り、
謙虚に自分自身を指差すことを忘れ、
自らを磨き高めることを忘れてしまう
弱い一面を備え持っています。
しかも、
その弱さは常々自らの心に芽生えます。

人は、
何事に於いてもある程度のレベルや立場に
なると不思議なもので知らず知らずの内に
真摯に向上心や自分を指差す活動を忘れて
自分のことしか見えなくなってしまいます。

また、
下のような様々な煩悩に打ち克つ際にも
この克己心が必要とされると知りました。。
(ア)異常な食欲を持たない
(イ)異常な物欲を持たない
(ウ)異常な性欲を持たない
(エ)異常な怒りを持たない
(オ)異常な行為や物を求めない
(カ)異常な願望を持たない
(キ)異常な名誉欲・プライドを持たない
(ケ)異常な負けず嫌いにならない

一人の人間としてもこの様な煩悩を自制、
コントロールすることも重要だと思います。

体験から、この気持ちは誰の心に生まれる
ものであり、それを否定しては一人の人間
として生きて行くことは出来ません。

人の持つ多種多様な感情や食欲-性欲-物欲
の煩悩(身心を悩まし煩わせる心の働き)と
その誘惑と戦う心があるから人生は楽しい
と受け止められるのです。

特に下の4本の柱と思い遣りは人間の情欲
に打ち勝ち成長するために必要不可欠です。
中でも謙虚さ・思い遣りこの二つは難易度
の高いと体感しました。

4本の柱と思い遣り

2.自利利他は

自利利他-イメージ図

自分の本当の利益は、人々の幸せを
 図っている行為そのもの

 を表わすと言われます。

また、
自利とは利他を言う」とも言われ、
他人に利益を与えて行くことが、
結果として自分の利益に繋がると言う意です。

この自利利他の理念は、
平安時代に天台宗の創始者である最澄薯
「顕戒論」の文中にある
大乗の菩薩の道にはすべて自利なし、
 利他を以って即ち自利となすが故に

とされています。

自利利他

成功者や発展し続ける企業は、
自利利他の思想が徹底され実践しています。

それは自分のことだけ考えていて
一時的に上手く行くことがあっても、
それは時流やたまたま運が良かったことに
拠るものであると捉え、自分の本物の力や
努力によるものではないので、
継続しないと言った考え方です。

また、
一生懸命努力して素晴らしい成功を掴んだ
人であっても人間の持つ煩悩や欲により、
人は知名度が上がりや地位が高くなると、
いつしか自分を自制する気持ちが緩んで、
感謝を忘れ、自分を許し、愛する心が
起きてくることをこの目で見てきました。

或は自ら、あの苦しい中をよく頑張ったと
自画自讃し奢りが出、謙虚さを失うことも
決して少なくありません。

そうなってしまうと、「世のため人のため」
ということを忘れてしまい「自分のため」
だけを考えるようになり、それが身の破滅
や没落の引き金になることも時にあります。

古より人間は本来、
他人のためになることや幸せになることを
自ら行い、それを自分の喜びとする天性を
備えていると古より言われていますが、
現在のように情報に溢れ多くの有り余る物
や環境に恵まれた社会生活環境に於いては、
いつの間にか本来の人間としての心を見失い、
利己的な自己中心自我の固まりとなり、結果、
己の心の自制心・制御が利かなくなる状態に
なり結果人としてあるまじき悲惨な行為事件
を引き起こすことになることが現実にあります。

この様なことは、
人間の持つ様々な煩悩や欲望に依るもの
ではないか❓と考えられます。

克己については、西郷隆盛の残した文言の
一部に以下のように記されています。
自分の修養には、己に克つということを、
 いつも心がけなければならない。」

すべて、人間は己に克つことによって成功し、
 己を愛することによって失敗するものだ。
 歴史上の人物を見るがよい
。」

だからこそ、常に自分に打ち克って、
 人が見ていない時も聞いていない時も、
 自分を慎み戒めることが大事なことだ。

一方で、
人間は生きていく限り煩悩は付き纏われて、
放っておけば、心の中に常に様々な欲望が
湧き起ってくるものです。

百八とも言われる煩悩の中でも、「三毒」と
言われる貪欲・瞋恚(しんに)・愚痴の三つの煩悩。
即ち、
むさぼること怒ること理非のわからないことの
この三つを抑えることが克己です。

どんな人の心の中にも湧き起こる煩悩は
自分の意思の力で抑える努力をしないと、
いつまでも付き纏って来ます。

それを克服するために体の鍛錬と
同じように心の鍛錬が必要なのです。

次の【自利利他】の実践に「克己」は欠かせません。

中でも特に、経営者や指導管理者、リーダーほど、
その鍛錬と修得が大事であると思われます。

克己や自利利他の心を育む✅診断-抜粋 

使い方
 自分自身を次の内容の必要性を見出す。
 👆必要な項目の番号を○で囲む。
 (  )内⇒有=〇/無=✖/どちらとも=?
 
1. 煩悩に打ち克つ
(ア) 異常な食欲を持たない(  )
(イ) 異常な物欲を持たない(  )
(ウ) 異常な性欲を持たない(  )
(エ) 異常な怒りを持たない(  )
(オ) 異常な行為や物を求めない(  )
(カ) 異常な望みを持たない(  )
(キ) 異常な負けず嫌いにならない(  )

2. 欲が出た時、自分は丸裸で
 生まれ出たことを自覚する(  )
3. 妬まない(  )
4. 感情の自制(コントロール)が出来る
5. 己の様々な身の丈を再認識する(  )
6. 怖れ慎む心を持つ(  )
7. エゴイストにならない(  )

8. 利他心を備える(  )
(ア) 先ず他人のことを思う、考える(  )
(イ) 他者へ貢献することに積極的である(  )
(ウ) 自己啓発活動に取組める(  )
(エ) 他者の成長に繋がることに前向きさがある(  )
(オ) 親切心を備え持つ(  )
(カ) 謙虚さと素直に徹しられる(  )
(キ) 愛他心を備える (  )
(ク) 利己主義(自己中)にならないよう己を省みられる(  )
(ケ) 先ず相手の利を想い、己の利益を考えない(  )

9. 必要以外の自己顕示をしない(  )
10. 行き過ぎた大きなプライド、
 過ぎた不要な自尊心は持たない(  )
11. プライドをひけらかさない(  )
12. 我が侭を言わない、通さない(  )
13. 己を省み、指差す(  )
14. 立場転換意識で己の言動、態度を省みる(  )

15. 己の当たり前を振返り、見直す(  )
16. 他人ごとに過度の介入をしない(  )
17. 柔軟な思考、発想が出来る(  )
18. 八正道を備える(  )→(正見・正思・
   正語・正行・正命・正精進・正念・正定)
19. 年齢相当なモラルを備え持つ(  )
20. 揺るぎない信条、信念を備え持つ(  )

21. 身の丈に合った判断力を備え持つ(  )
22. 不屈の精神を備え持つ(  )
23. 明確な志を備え持つ(  )
24. 無理押し、無理強いをしない(  )
25. 物事に固執しない(  )

26. 無理な我を通さない(  )
27. ストレスとしっかり向き合える(  )
28. 向上心を持ち果敢にチャレンジ出来る(  )
29. 逆境に強く、立ち向かえる(  )
30. 自己と自律した発想を持つ(  )


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