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日本人の心の原点「礼」と「礼節



『礼』-敬い心を尽くす活動

(≒リスペクト意識)

人の輪は礼に始まり、礼に終わる

現代社会生活上で私見ながら、
』の心が疎かになっているのでは?
と感じられることをあちらこちにで見受けます。

例えば、喪中の年なのに平気で
「新年おめでとうございます」
と言った挨拶言葉を使ったり
先人(年長者)への節度の無いタメ口(言葉使い)や
無礼な言葉遣いや態度だったり、
教えを受ける人に対し「参考に成ります」
と平気で話したり
教えて貰うだけでその経過を返さなかったり
することを成さない大人が増えています。

即ち、利他的な『礼』を尽くさず
とも生きていられる
と安易に考える人
が意外と多いのではないでしょうか。

少しでも多くの人達に
この『』の大切さを知って頂きたいので
以下、孔子の論語の一部と学びのメモから記します。

仁によって育まれた気持ちを
』に依って形とする。
仁のみであってはいけませんし、
仁なくして『』はあり得ないと言うこと。

即ち礼は
」を具体的な行動とし表したものです。

元々は宗教儀礼でのタブーや伝統的な
習慣・制度を意味し、後に人間社会の
上下関係で守るべきことを意するよう変化した。

また、武士道の基本とされる
礼に始まり礼に終わる
も多く知られています。

また、孔子の論語の中にある
以下の語に「礼」の心が窺い知れます。

『礼を学ばざれば、以って立つことなし。』
  [季子第十六]

『礼を知らざれば、以って立つことなし。』 
[尭曰第二十]

[原文の意味・解釈](学びメモより転載)

孔子は長男の伯魚に、
庭先で「礼」を学ぶことを強くすすめた。
「礼」を知らないと、人格形成が出来ず、
人間関係がうまくいかないからだ。
伯魚の告白によれば、
直接の父である孔子から教えを受けたのは、
庭先で会って「詩(学問)の勉強」と
「礼の勉強」を薦められた。
それは、この二つだけだったと言っている。
(転載終)

「庭先での教え」さしずめ現在ならば家庭で
親が子に教える「躾・道徳教育」と言ったことです。
また、孔子は「礼儀作法」を重んじた。
「礼」を知らない「無礼者」になるなと。
「礼」とは「礼儀作法」のこと。

今流に言うと
礼儀」は「マナー」と「モラル」、
作法」は「ルール」「規律」
と言ったことでしょうか。

「礼節」とお辞儀

礼節

お辞儀は、
相対する人を尊び敬い、その相手へ
自らの心と意識を表し伝えるため行います。

その行為態度はリスペクト、即ちである敬意
相手に対する【礼】を表す「人間力」です。

人は自らの心で、
己の態度や言動を見つめることで
自分自身の品位を築きそれを高めます。

お辞儀を始めとした「礼法」を自分のもの
とすることは、「心法」とも言うべき
自らの品位を高め品格を育むことです。

お辞儀は心を清らかに澄まし、
心身の姿勢を正し、もの静かに屈体し、
頭(コウベ)を下げ行います。

どの様なお辞儀でも、
最後は必ず無心で頭(コウベ)を下げること
が作法とされています。

意識を正し、儀礼を尽くしつつ、
 後に作法に徹すべし

ということが大事なのです。

📚辞書検索ー国語辞書
【威儀】
 挙措動作が礼式にかなっていること。
 また、礼式にかなった、重々しく
 威厳のある態度・動作。

【儀礼】
 慣習によりその形式が
 整えられている礼法。礼式。
 一定の形式に則って行われる宗教上の行為。

古よりお辞儀は、
己の身を小さくすること、と言われております、
また、人間の身体で最も弱い部分である
相手の前に差し出すことから、
「私にはあなたへ敵意はありません」
「あなたへ敬意を持って接します」

と言うことを表し示しています。

別な捉え方として、
お辞儀は対面し、接する相手に
思い遣り」=思いを届けるの意を表現する目的で、
自らの心を、相手の心へ近づける意を表すために、
胸から前に出すように意識して正対し、
腰から折り曲げてするとも言われます。
故に、心(心臓)ある上半身を相手に向けて行うのです。

お辞儀(礼)は日常生活、ビジネスの場、
接客接遇サービスの場などあらゆる場面で、
円滑で潤いのある人間関係を築くために
無くてはならないものであり、
相手に対する己の心の姿勢、思い遣りや
敬意を表現伝達する為にするのです。
大人はこの原義原則を確りと弁え、
決して疎かには出来ないのです。

「礼」は、
人相互の軋轢(アツレキ)を防ぎ行動に
根拠を持たせる、当然の作法のこと。
礼儀・礼節と言った秩序。
自らの行いを丁寧にすることを言います。

元々は宗教儀礼でのタブーや伝統的な
習慣・制度を意味しています。
後に、人間社会の上下関係で守るべきこと
を意味するようになりました。

儒者の中でも、性悪説の立場に立った
荀子は特に「礼」を重視したと言われ、
五常の「仁」のみであってはいけませんし、
」なくしては礼はあり得ないと言われる。

大人と子供の違いは、
礼節」が何たるかを知り、
身に着けているか、否かです。
この「礼節」を弁えてこそ、
初めて一人前の社会人
と言えます。

自ら謙遜し、相手を尊び敬い(リスペクト」、
」を其の場、其の時の状況(Т.P.О)に
応じて自らの行動が出来るように、
弁える事が「」と言います。
※人の世に秩序を与える礼儀、
礼節は、仁を実践する上でとても大切です。

親や年長者、目上の人に礼儀を尽くすこと、
自分を謙虚に遜り、相手に敬意心を持って
触れ合い接することを「礼」と言い、
場合に応じて自分を律し、節度を持って
言動(行動)することをと言います。


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