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「佐藤卓TSDO展〈 in LIFE 〉」に行ってきました

2022年6月30日までギンザ・グラフィック・ギャラリーで開催中の「佐藤卓TSDO展〈 in LIFE 〉」に行ってきました。

この度の展覧会では1階に、2004年のggg佐藤卓展以降、佐藤が自発的に制作してきた作品を中心に展示。そして地下にTSDOとして関わってきたデザインの仕事を展示し、初めてその両側面を対比させてご覧いただきます。
(中略)
本展を通して、「デザインする」ということを、どこか雲の上の特別なものとしてではなく、日々のくらしのなかにある、身近な自分ごととして再発見いただきたいと思います。

地下1階のスペースには、佐藤卓さんが主宰するデザイン会社・TSDOによるクライアントワークの数々が紹介されています。

そこには佐藤卓さんのコメントが添えられているのですが、このコメントがとても印象的でした。佐藤卓さんがデザインをする上で思っていること・考えていることが書かれており、まさに「佐藤卓デザイン講義」のような感じでした。

せっかくなので、3つほどピックアップさせていただきます↓

食品デザインの一番重要なポイントは唾液に繋げるということです。つまり美味しそうに見せるということ。(中略)今後ネットで注文する食品が増えてくると、パッケージ上ではなく、画像や映像配信でそれを表現すればよくなり、パッケージはできるだけ簡素にするという考え方が主流になるかもしれません。

神戸コロッケ 店頭ツール、いちおしキムチ

外から参加するデザイナーとして求められることは、新鮮で客観的な目と、状況をよく理解している社内デザイナーの方々の力を引き出すことです。

オルビスユー、雪肌精 クリアウェルネス

AIで簡単に作れるマークは、マークではなくてただの図形です。人がつくった物語があって初めてマークなのだと、私は思っています。

マークの本

この佐藤卓さんのコメントだけでも読み応えがありますが、実際の商品・プロダクトも展示されているので、これらを見ているだけでも楽しくなってきます。

1階には「おいしい牛乳」や「キシリトールガム」など佐藤卓さんが関わったワークをモチーフにした作品が展示されています。社会の問題と向き合った作品もあれば、シンプルにかっこいい見せ方に捉えなおした作品もあります。

このフロアは「デザインをもっと身近なものにしたい」という佐藤卓さんの想いが詰まっている空間なのだと解釈しました。

「デザインは課題解決」と言われますが、それだけではなく「なんかかっこいい!」「テンションあがる!」「写真におさめたい!」もデザインが持っている要素であると。来る人がパシャパシャ写真を撮る体験も、ひとつのデザインなのだと感じました。

ギンザ・グラフィック・ギャラリーの隣「メゾン・デ・ミュゼ・デュ・モンド(MMM)」では、佐藤卓さんのスケッチの展示もおこなわれています。

ただのスケッチではなく、それぞれのマーク・CIが誕生するに至るまでの試行錯誤が見える展示になっています。

佐藤卓さんが「なぜスケッチを小さく描いているのか」についても言及されています。ここにも佐藤卓デザイン論が!

マークは遠くから見れば小さく見えるからです。今だったら、スマホの画面でも小さくなるでしょう。小さくても機能するマークでなければいけないので、あえてスケッチは小さく描くのです。

ギャラリーの道路に面したガラスには、このようなメッセージが書かれています。

デザインの展覧会をしています
どうそお気軽にお入りください
佐藤卓

デザインに関わる仕事をしている人・デザインに関心がある人はもちろん、たまたま銀座を歩いていて通りかかった人も、みんなが楽しめる展示会になっています。


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