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【練塾ダイジェスト】経絡治療は古典医学の現代版入門編?

古典医学を理解するために、経絡治療を活用するんです。

古典医学を勉強するということは、もともと虫食いの地図を読んでいるようなものです。
その理由は、大きく二つあります。

①散逸

そもそも、古典医学は実行体験を言葉にして、口伝や書物という形で現代まで繋がれてきました。
古代から現在の間に散逸してしまったものも多くあるということで、完全な資料があるわけではありません。
また仮に、散逸したものをすべてかき集めたとしても、すべてがそこに書かれているわけではないでしょう。

②言葉は完全なものではない

古典医学では術者のイメージや感触が重要です。
体験を口伝や書物にするということは、そのイメージや感触を言語化するということです。
ですが、術者のイメージや感触を完璧に言葉にすることはできません。
言語化の過程で、どうしても欠けたものになってしまいます。言葉がすべてではないのです。

つまり、我々が文字や言葉として触れることができるのは完璧なものではなく、欠けた虫食いの地図なのです。

だから、古典医学の本質に近づくためには、虫食いの地図を見て、虫食いの部分を含めて、すべてを読み解く力が必要になってきます。
陰陽五行論などの古典医学の概念に慣れていないわれわれ現代人は、字面だけ読んでいてはその奥にある本質にたどり着けません。虫食いの地図を読み解くには、古典医学の概念を身につけなければいけないのです。

その力をつけるために、古典医学に触れ続けるのです。
古典医学を写経し、読み、講義を受け、考え、臨床をすることを通じて、古典医学の概念を自分の中に染みつかせるのです。

経絡治療は、昭和の初期に、現代人になじみやすいようにアレンジされた古典医学です。古典医学の概念を身につけるための入門・ステップとして、経絡治療を学ぶことをおすすめします。


話者:大上勝行
編集:大上真悟

(2023/09/07 zoomより)


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