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放送大学で卒業研究をやってみる


卒業研究とは

放送大学の卒業研究とは、他の大学の卒業論文にあたるものです。美術大学の卒業制作にあたるような特別なものではありません。

内容は人によって様々です。夏休みの課題的なものから、修士論文としても通用するのではないかと思われるようなものまであります。

履修期間は年度始まりの4月から10月までの7か月間しかありません。卒業研究は、「卒業研究報告書」として、11月1日消印有効で大学本部に送付しなくてはなりません。指導期間は、あっという間に終わってしまいます。

指導教員は、原則放送大学本部所属の専任教員から指名しなくてはなりません。指名せず大学任せでも構いません。

4月に履修が始まると、履修者の数によっては、ゼミも開催されます(教員によって異なります)。20〜22年度までは、ゼミもZoomのみのことが多かったのですが、23年度からはハイブリッド式になるのではないでしょうか。また、ゼミと並行して、メールによる個人指導もあります。先生によっても異なるとは思いますが、論の展開の仕方や客観的な根拠の付け方のようなマクロ的なお話から、言葉遣いの間違いや誤字脱字などまでチェックが入る程丁寧な指導です。

卒業研究を始めるには

まずは、最新の「卒業研究履修の手引」を入手しましょう。毎年6月上旬に各学習センターで配られ始められます。同時に学内システムWAKABAにも同じ内容のPDFが公開されます。少しでも関心のある人はのぞいてみると良いと思います。

卒業研究(以下卒研)は、人によっては数年温めているテーマを持っている人もしますし、急にやりたいと思う人もいます。2020年度のぼくの卒研は、後者でした。憧れの仏文学者野崎歓教授が2019年4月に着任された後、初めて担当する卒研生、修論生が2020年度だったのです。とにかく野崎歓卒研ゼミ第一期生になりたい一心で、何のテーマも具体的には持っていませんでした。

まずは、テーマ絞りから始まります。
「手引き」の中で、「コース及び教員の指導方針と方法等」が、事細かく書かれています。ここは熟読しておきましょう。とても為になります。自分が所属しているコースの先生の文章は、全部読んでみましょう。他のテーマに関する先生の指導方針・研究の進め方は、とても参考になり役に立ちます。特に人間と文化コースの諸先生方のものは、同一コースなら読むのがマスト位に充実しています。

テーマは、自分の趣味から仕事に至るまで幅広く捉えることができます。それを如何に学問的な見知から捉えるか、ですね。それまで履修して来た科目も多いに役立つでしょう。

大体のテーマが定まったら、意中の先生に質問をしてみましょう。意中の先生がいない場合は、そのコースの責任者のところに質問が行きます。

この質問は、学生課卒業判定係経由で先生の元に届きます。質問内容は、テーマか履修計画に関するものです。これが卒業研究質問箱として期間限定で設置されます。6月1日から8月1日までです。

なるべく早く質問をするようにしましょう。返信があってから、それを元に更なる疑問点が出てくるものです。期間内なら何度質問しても、何人かの先生に質問しても構いません。悔いの残らないようにしておきましょう。

この卒業研究質問箱の期間が始まって、少し経った頃、各学習センターで、卒業研究ガイダンスが開かれます。卒研の概要が解説され、本部専任教員の卒研に関する講話もあり、とても参考になるので、是非参加しましょう(今は、Zoom開催が多くなっていて、必ずしも所属学習センターのガイダンスでなくてもOKです)。

そして8月中旬に申請書を郵送で提出します。その時に、「卒業研究相談票及び質問票」を添付して、事前準備、研究の仕方を相談することができます。そして、この時が、先生に直接コンタクト出来る最後の機会です。次に連絡が取れるのは指導が始まる時です。

申請書を出した後は、 11月1日付けで、「20〇〇年度卒業研究申請の審査結果について(仮決定通知)」が到着します。
申請書の内容に大幅な変更がある場合は、別途再申請するように書かれています。
特に変更がない場合は、1月上旬頃「20〇〇年度卒業研究履修の可否について(通知)」が届きます。あとは科目登録をして、学費を支払うだけです。

指導開始にあたっては、4月頭に先生からメールが入ります。

卒業研究へ向けての準備

卒研は指導期間が7か月しかありません。もたもたしていたら、あっという間に過ぎて行ってしまいます。それを防ぐため前々からの準備が必要です。申請書を出すとのんびり構えてしまう人が多いのですが、9月から3月までも7か月間あるのです。

卒研ガイダンスで強調される先生もいらっしゃいます。本当にこの7か月は大切にした方が良いです。実際に指導がある訳ではないので、気は緩みがちになりますけれども。

テーマは大体決まっているのだから、そのテーマに関する基本書の2〜3冊は読んでおきたいです。
可能であれば、再読、更には読み込み。
そして参考文献リストを作りましょう。
ラフな章立て(目次)も作っておけたら、4月からの指導もしなやかに始められると思います。

ぼくは、fbに2023年度卒研履修者のグループを作っています。人文学の分野の人のみですけれど。
ぼくも、2023年度に3回目の卒研を履修するのです。そのため、そのようなグループをつくりましたが、活発な意見交換がなされ、意義深い事前学習の場となっています。4月になったら、更にパワーアップすることでしょう。

以下は、ばくの2020年度卒業研究「『バンド・デシネ 異邦人』の考察」です。当時は大真面目だったのですが、今となっては稚拙に感じられます。公にするのも恥ずかしい位ですが、学内システムWAKABAの資料室に掲載されているので、あえてここにも出しておきます。


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