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人と人をつなぐもの:伊集院静さんのご冥福をお祈りします

桑田佳祐さんの曲に「なぎさホテル」があります。
心に染みわたる歌詞と、心が揺り動かされるメロウなメロディライン。
歌わずにはいられません。


🎶 逢えなくなっちゃうと、
🎶 これほど寂しいって〜

◇   ◇   ◇


作家、伊集院静さんが亡くなられました。
ご冥福をお祈りいたしたします。

私が伊集院さんを知ったのは、大学1年生1985年の年。

女優、夏目雅子さんがとても美しく、よくテレビで見ています。その夏目さんが、1985年、AML(急性骨髄性白血病、acute myelogenous leukemia)で亡くなられました。

大学一年生、受講していた哲学の授業、
タイトル「夏目雅子と死について」

人はなぜ死ぬのか? 
美しい人は短命なのか?
病とは何か?

友人たちと激論を交わした記憶が蘇ります。

伊集院静さんの当時結婚していた方は夏目雅子さんです。
夏目さんつながりで、伊集院さんを知ったのがきっかけです。

私は医療従事者になるための学生でしたが、AMLを初めて知ったのも夏目さんが亡くなられたニュースからです。

◇   ◇   ◇

そんな、エピソードから知った伊集院さんでしたが、それからも何かと気になって、本を読んだり、雑誌に掲載されているエッセイに目を落とすことが増えました。

桑田さんが歌う「なぎさホテル」発売に対して、伊集院さんが寄稿されています。

正直胸が詰まるような感覚に襲われました。
と、言うのは、30年前に私は新曲「なぎさホテル」と同じ名前のホテルに7年近く住んでいたからです。

桑田さんが描かれた詞のところどころに、過ぎていった海辺での出来事が、まるで魔法使いの水晶玉の中に、去っていった過去が生き返ったようにまぶしく、しかも鮮やかに蘇らせてくれているからです。

ちいさな人形のような若い2人が、海の中で笑っていました。秋の終わり、人影の絶えた逗子の海は実に美しかったし、詞の中にある ”水のないプール” もまさにその通りでした。

ちいさな逗子の湾の沖合に、学生たちの操るヨットの白い帆が、稲村ヶ崎のほうに向かっていました。

伊集院静 
特別寄稿:新曲「なぎさホテル」に寄せて



ラジオ番組:「桑田佳祐のやさしい夜遊び 2023年11月25日」の中で、桑田さん自身が、伊集院さんのこの特別寄稿を読み上げ、思い出を語りながら、「なぎさホテル」のオープニングナレーションをされていました。

建物はすでに存在しない「なぎさホテル」が人と人を繋ぎ、そのことで、多くの人々がまたつながっていく。

メロディラインも、
歌詞も、
文章も、

受け取る人の感受性に応じて染み渡り、そして、心を動かします。


伊集院さんのご冥福を心よりお祈りいたします。



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