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WHO YOU ARE-君の真の言葉と行動こそが困難を生き抜くチームをつくる

ベン・ホロウィッツの「WHO YOU ARE」を読んだ。評判のよかった「HARD THINGS」の著者の2作目で、組織文化に焦点を当てている。極端に困難な状況からも文化を作り上げ、浸透させた過去の人物(※偉人、とは言えない人も含む)や、著者の実践経験など踏まえて様々な事例と示唆が示される。相変わらず面白い。

本書のメッセージのうち、特に重要なのは「まともな文化を作りたければ、行動で示せ。そしてシンプルで印象的なルールを作り、組織に叩き込め」だ。

そこまで丹念に読んだわけではないので間違いがあれば指摘してほしいけれど、本書を読むと、さらにこんな疑問が生まれる。

「『自分らしくあれ』、確かに重要だ。『戦略と調和する文化を考え、自分を変えろ』、もっともだ。でもこの両立が難しいのでは?

例えば文中にこんな場面がある。著者ベン・ホロウィッツはとりとめのない話を延々するのが好きだ。この特性は、起業家と話す時には役に立つ。しかし自社が成長すると、経営においては役に立たない。だからベンは自分のまわりを「会議を速攻で終わらせ、とっとと次の業務に移りたい奴ら」で固め、自分と全社に会議ルールをつくり、徹底した(会議アジェンダとゴールが決まってなければ会議はキャンセルする)。結果、たまに失敗もあるが概ねうまくいっている、と本人は述べている。

このとき、ベンは自分らしさを損なわずに(少なくとも本人は損なっているとは思わずに)、自分を変えることに成功したようにみえる。

ただ、そもそもそんなふうに自制できるなら苦労しないのでは?とも思ってしまう。普通は、自制できないから苦労するのではないか。

おそらくベンに言わせれば、戦略と合致した文化の形成に寄与するなら「役立つ自分らしさ」であり、そうでない「自分らしさ」なんか捨てちまえ、といったところだろう。そして、戦略と文化が確立し、むしろ自分を変えることに耐えられなくなったとしたら、それは経営者が辞める時なのだろう、と思う。

では、自分らしさを1ミリでも捨てたくない、自分は変えたくない、という人間だったらどうなのか?「俺がCEOだ、俺についてこれない奴は全員辞めちまえ」、と直接言う人はおそらく日本には少ないが、言外に醸す人は少なからずいるような気がする。

ベンなら何と言うか?

「お前が誰からも好かれるナイスガイなら変わることはない。お前がクソ野郎でも、UBERに匹敵するような革命的なプロダクトがあれば成功できる。どっちもないのに変わりたくもないなら、経営しないほうがいい」みたいな感じだろうか?

最後までお読みいただきありがとうございました。 このnoteのテーマは「自然体に綴る」です。 肩肘張らずに、「なんか心地いいな」と共感できる文章を探したくて僕も書いています。なにか良いなと思えるフレーズがあったら、スキ!やフォローをしてくださると励みになります。