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食材のすべてを食べつくすということ・・・

以前に薬膳の話しの中で、「以蔵補蔵」の話しを致しました。

体の中のどこか不調がある部位と同じ部位をいただくことで、蔵の働きを補うことが出来るというものです。

これと少し似た感覚なのかもしれませんが、やはり薬膳の考え方で、食薬の場合、食材は余すところなくまるごと使うと言うのがあります。

葉っぱや皮、芯なども捨てることなく使いなさいということなのですが、これ栄養学的にも、捨てる部分にこそ高い栄養価がぎっしり詰まっているから、推奨されているようです。

現代社会において、ものが豊富にある時代に育った私たちは、どうしても食べやすい箇所、柔らかい部分、一番美味しいところを選んで食してきたように思います。

では、この捨ててきた部分、腸内細菌との関連はどうなのでしょうか?

実は、腸内細菌的にも、皮の表面や、葉っぱの部分など、外界と接している部分は細菌の種類も多く、数も多いのです。

以前に、狩猟民族の人の便と都市型生活を送る人の便を比べた調査がありました。狩猟民族は捉えた肉をはじめ、木々になっている果物や葉を、肉はまるごと調理し、葉はそのまま、果物も皮が柔らかいものはそのまま頬張り胃袋に送ります。反対に都市型生活を送る人は、すべて消毒しているとは言いませんが、綺麗に洗って時には熱加工して胃袋に送ります。

では腸内細菌は?と言えば、言うまでもなく、狩猟民族の方が豊富で多種類の細菌が腸内に根付くであろうことは想像に難くありません。

もちろん、私たちが狩猟民族のように食事が出来るかといえば、それは不可能なことです。

しかし、食材は出来るだけ余すところなく食べる、必要以上に消毒をしない(農薬はもちろんダメ)など、ちょっとした工夫で腸内細菌の構成比や数量を変えることは可能なのではないでしょうか?

こうして見て行くと、薬膳の考え方と腸内細菌の生育に何か共通項があるのでは?と思ってしまいますね!