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縁凜旅行記

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著者が訪れた旅先での感動を皆様にもお伝えしたいという思いで書いた記事まとめ。本当は教えたくないお宿ばかりだったり。
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これまで訪れた文豪ゆかりの宿 記事目次

同じ空気を味わうかつて文豪達が現在でも語り継がれる名作を執筆した、若しくは舞台とした宿が現在でも宿泊することが出来る。 それはもちろん決して簡単なことではない。 古くは大正から残る建物を維持している宿もある。 文豪達が吸った空気、触った柱、見た景色を現在でも味わうことが出来るというのは、一種奇跡のようなものだと思う。 川端 康成「雪国」の舞台となった越後湯沢 高半は老朽化のため現在は新しい建物となっている。 館内には川端執筆の部屋がそのままの姿で保存されているが、環境が環境

川端康成 伊豆の踊子の舞台 湯ヶ野 福田屋で時間旅行

私の伊豆の旅は幸いにもそのような雨には降られることはなく晴天に恵まれた。 ノーベル文学賞受賞作家、川端 康成が旧制一高(現 東京大学教養学部)の学生時代、孤独に悩み、憂鬱から逃れるため一人旅で訪れた伊豆の旅路。 その中で出会った旅芸人一座と共にした数日間を描いたのが、川端初期の代表作「伊豆の踊子」 その作品内での「私」こと川端と旅芸人の同行の旅は、このトンネルの先から始まる。 私が訪れた当日の気温は10度、陽の光は暖かいが強く冷たい風が吹いていた。 トンネルの向こうに小

島崎藤村ゆかりの宿 湯河原 伊藤屋で時間旅行

木曾路はすべて山の中である。 このような書き出しで始まる島崎藤村による長編小説「夜明け前」の原案を練ったとされる宿が湯河原にある。 当日は大粒の雨が降っていた。 若干の気持ちの落ち込みを感じながらも、文豪や墨客、要人達が愛した宿への期待に胸が高鳴っていた。 国道135号線湯河原温泉入口から温泉街へ向けて走る。 千歳川沿いに走ると伊藤屋の数軒手前、交番脇に駐車場入り口がある。 入り口は車一台分程の細い道だが、奥には6台程の駐車スペースが広がっている。 画像奥に見えるのは和

沖縄移住に失敗した男が美味い沖縄そばを紹介していく 2024年2月再訪分追記、画像追加

今回は約一年半という移住と呼ぶには短い期間ではあったが、沖縄滞在中に食べた沖縄そばの中でも特に私がおすすめしたいお店をご紹介。 有名なお店は食べ終えて、次はどこに行こうかと迷っておられる観光客の方に参考にしていただけたら幸いでございます。 木灰そば木灰そば とらや 木灰と書いて「もっかい」や「もくはい」と読む。 現在多くの沖縄そばの麺は小麦粉、塩、かん水で作られているのだが、戦前はかん水の代わりに木灰が使用されていた。 こう書くと灰を練り込んでいるとイメージしてしまうがそ

太宰治 斜陽執筆の宿 西伊豆三津浜 安田屋旅館で時間旅行

敗戦により没落した貴族の家庭。 「真の革命のためにはもっと美しい滅亡が必要なのだ」という儚くも気高い心情を、それぞれの滅びゆく姿から色鮮やかに描く。 斜陽は以前から好きな本ではあったのだが、そもそもこちらの宿を知るきっかけになったのは、ライトノベル「ビブリア古書堂の事件手帖」の実写映画を見てからだ。 太宰 治の「晩年」の稀覯本をめぐり繰り広げられる物語に出てくる人物が、小説を執筆する際に籠った、そして秘められた情熱が放たれた部屋。 私が生まれる半世紀以上も前に建てられた旅館

どうする家康 浜松にある悲劇の舞台をご紹介 築山御前 松平信康 お田鶴の方

2023年11月。 前回の岡崎市の神社巡りに引き続き、浜松の神社を巡ってきた。 岡崎市の神社巡りの記事もご覧いただけましたら幸いで御座います。👇 浜松を舞台とした、どうする家康の悲劇のエピソード神社のご紹介は次回書くことにして、今回は合わせて巡ってきたどうする家康の悲劇のエピソードとして放送された舞台、それに纏わる場所をご紹介させていただく。 ドラマを見て史跡やエピソードに纏わる場所を巡るだけでも楽しいのだが、歴史の背景を少しだけ頭の片隅に置いておくだけでも、その場所の見え

本当は教えたくない宿 新潟県 お宿 まつや

横浜から車で約五時間。 新潟県長岡市寺泊にある民宿が本当に素晴らしかった為、是非皆さんにもご紹介させていただきたい。 本当は教えたくないというのは本音ではあるが、お宿を皆さんに知っていただき、あの歴史の重みを感じながらもゆっくりと流れる居心地の良い時間を味わっていただけたら嬉しい限りだ。 新潟県神社巡りの旅の初日を終え、16時にお宿へ。 新潟の神社巡り前編はこちら👇 今回の宿はお宿 まつやさん。 駐車場は宿前の道路を挟んだ所に広い敷地が用意されている為、安心して車で訪れ