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ビタミンD(カルシフェロール)について

今回は予防栄養学では絶対に外せない栄養素『ビタミンD』について紹介します。
ビタミンDは障害予防効果がたくさん報告されていて、予防栄養学では大注目のビタミンです。
もはやビタミンの枠を超えてホルモンのような働きがあります。

ビタミンD(カルシフェロール)とは

ビタミンDは脂溶性のビタミンで『カルシフェロール』という物質です。
脂溶性のビタミンで、体内のコレステロールを原料にして皮膚で合成されますが、不足分は食品から摂取する必要があります。
現代人は特に不足しているということですので、積極的に摂取しましょう。

ビタミンDの機能

骨や歯を丈夫にする(骨粗鬆症予防)

小腸におけるカルシウムやリンの吸収を高めて骨や歯を丈夫にしてくれます。
実は骨密度は20歳がピークで徐々に低下していき、高齢になると骨がもろくなってしまいます。
特に閉経後の女性はエストロゲンというホルモンが分泌されにくくなることで一層骨が弱くなり骨粗鬆症のリスクが高くなります。

骨粗鬆症になると、勢いよく座っただけで腰の骨が折れたり、クシャミや咳で肋骨が折れたり、転倒した際に股関節や手首の骨が折れたりします。
場合によっては転倒がきっかけで寝たきりになることもあるので絶対に予防しなければなりません。
男性でも骨粗鬆症になることがありますが、多くの場合、日光に当たっていないことが原因です。

ビタミンDは食品からも摂ることができますが、日光(紫外線)に当たることで皮膚細胞の膜にあるコレステロールから合成することができます。
そのため、日光に当たらないと不足してしまう可能性が高くなります。
また、肝臓と腎臓で活性化されてはじめて腸管でのカルシウム吸収に働きますので、肝臓と腎臓が正常に機能していることも重要です。

免疫能の調整

最近すごく注目されているのが、免疫細胞での活性化です。
特に自然免疫の活性化はがんをはじめ様々な障害を予防する効果があります。
もちろん感染症にも罹患しにくくなるという効果がありますが、なんと、その感染症における重症化を予防する働きもあるとのことでした。
この度の感染症が重症化して亡くなれた方は、肺にたくさんの血栓ができていました。
ビタミンDが不足すると血栓ができやすくなってしまうのですが、逆に十分あれば血栓を予防できるとも言えます。

肥満を予防

ビタミンDは肥満も予防してくれます。
血中濃度が高い人は太りにくくなります。
肥満症は立派な疾患で、あらゆる生活習慣病の根本的な原因となっています。
肥満を解消することができれば、様々な疾患から身を守ることができます。

免疫力が高いはずの若い世代の方でもコロナウイルスが重症化したのはBMIが高い人でした。
なんと、BMIが高い肥満の方や果糖ぶどう糖液糖をたくさん摂取している方はビタミンDが活性化しないということが報告されています。
どうも肥満と免疫力、ビタミンDの血中濃度には密接な関係がありそうです。

血圧降下作用

ビタミンDの血中濃度と高血圧には負の相関があり、血中濃度が高いほど高血圧になりにくいです。
高血圧症は循環器疾患の最たる問題です。
高血圧が続くと血管が脆くなったり、血栓が飛んで細い血管に詰まったりします。
例えば心筋梗塞や、冠状動脈疾患、脳卒中、肺塞栓など重篤な問題と関係しています。

肥満の方は血圧も高くなりがちですから、ビタミンD濃度を高く保って予防する必要がありそうです。

脳の健康

ビタミンD不足はうつ病などの気分障害やアルツハイマー病などの脳変性疾患との関連が報告されています。
ビタミンDは神経細胞を保護することが報告されており、不足することで脳細胞が死滅してしまうことが考えられています。
また、気分の調節に重要なセロトニンなどの神経伝達物質の産生を調節するのに役立つとされています。

もちろん乳幼児の脳の発達にも欠かせません。
妊娠中における母親のビタミンD摂取、幼児期の十分なビタミンD摂取は、健康な脳の発達を確保し、発達障害のリスクを軽減します。

ビタミンDが多い食品

ビタミンDが多く含まれる食品には紅サケ、銀サケ、サンマ、シラス干し、白きくらげ、黒きくらげがあります。
また、シイタケにも含まれていますが、干すことでビタミンD濃度を高めることができるということですので、シイタケを食べる際は是非干しシイタケを選択するか、一度日光に干してから調理して頂くと良いかと思います。
とはいうものの、動物性のビタミンDの方がより吸収されやすいので、まずはサケを選択して頂くの良いでしょう。

ビタミンD欠乏症と過剰症

欠乏症にはくる病や骨粗鬆症、高血圧、結核、癌、歯周病、うつ病、認知症などがあります。
また、カルシウムは筋収縮とも関係しており、ビタミンD不足で筋力低下や運動機能低下のリスクも増大します。
脂溶性ビタミンですので、高カルシウム血症をはじめとする過剰症もたくさんありますが、食品からの摂取や日光に当たるだけではほとんど問題ありません。
サプリメントで摂取している方はお気をつけください。

今回はビタミンDについて解説いたしました。
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