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ドイツの医療保証制度。

先日初めてドイツの病院へ行きました。

職業病なので、ある程度は諦めているんですが、半年ほど前になったテニス肘が、どうやら慢性化しているようで、肩や手首まで常に痛みがある状態が半年ほど続いてました。

どうして今まで病院へ行かなかったかというと、日本の場合を考えるとレントゲン撮って何千円か払って処方せんもらって薬局行ってお金払って湿布と痛み止めの薬を渡されて、サポーターなんか着けるように言われたらまた何千円も払って…というような予測ができ、だいたいお財布に1万円以上は入れていくだろう。という出費の負担があることが考えられ、
さらにここはドイツだから、病院でのコミュニケーションが難しい。ドイツの医療は最先端だろうと思いつつも不安の方が大きかった。

でも行くことに決めたのは、就労ビザを更新することになりそうだからだ。ビザが更新できても手が使えないんじゃパティシエでは居られなくなってしまう。だからこれ以上の悪化は防がなければという思いと、以前に膝とか腰の怪我もしており、困ったときに行ける整形外科が必要だと思ったからです。

緊張しながらも紙にドイツ語であらかじめ症状を書き持って行った。
診察室に呼ばれドイツ語は話せない事を伝えてたら、英語で話してくれた。
不安げな顔でもしてたのか、安心させるように先生は笑顔で固い握手をしてくれた。
そして何度かわたしの腕を動かして、腕の筋肉が良くない状態になっている事と治療していく方法を説明してくれた。とりあえずはしばらくサポーターを付けて様子をみてまた来るように言われ、また笑顔で固い握手をしてくれた。
なんだかすごく安心した。一緒にいた看護師さんも受付の人もとっても感じが良かった。
こんな言葉もろくに喋れないアジア人にも手厚い対応をしてくれてありがたいと感じました。

待合室で受付に呼ばれ財布を持って行くと、処方箋らしき紙と、住所の書いたメモをくれた。支払いはなかった。

メモ書きの住所のところへ行くと、いわゆるいろんな医療系サポーターなどのお店だった。
そこでも英語対応をしてくれて、サイズに合ったサポーターと付け方を教えてくれた。
お会計では、おそらく日本円で4000円〜8000円くらいはするだろうと思いながら保険証を見せると、なんと600円程度でした。

次の日、職場のフランス人に余りにも安くて驚いた事を話したら、だって毎月給料から引かれてるだろ?と言われた。
確かに毎月保険代は引かれているけど、日本だったらさらに病院でも薬局でもお金を払うんだよ!と言うと、
マジか!!と驚き笑っていた。
フランスでも病院代は保険に入っていれば無料らしい。そうしないとフランス国民がすぐに怒ると言っていた。

今回の事で私は、はじめは少し高いと思っていたハードルだったけど、行ってみたらレントゲン撮られる訳でもなく、薬を渡されるわけでもなく、しかも無料で診てもらえて、これからは安心して気軽に病院に行けると思った。
きっとドイツ人にとって病院はそういうところなんだろう。
保険料の他にお金を払う必要が無いと分かっていたら、症状が軽いうちに診てもらおうって思える。それってすごく安心できる事なんだと分かった。
日本はお金かけたくないからちょっと我慢して様子をみてしまったりする。

この事を友人と話してて思ったんだけど、日本人がマスクを付けるのは、風邪や病気をもらわないためなんだけど、ドイツにはマスクをしてる人は居なくて、そもそも具合が悪いのに働かなければならない状況になかったり、悪化する前に早めに治しているんじゃないかなと思った。

私も一度、胃腸炎になった時、すぐに3日も休みをもらえたし、復帰してもみんな笑顔で良かったと言ってくれました。

また、先生や看護師さんやお店の人もその場でお金を払うわけでもないのに親切に対応してくれたのは、きっとそれなりのいい待遇で働いているからなんだろうと感じました。

ほんの少しの保証制度の違いで人々の生活の底上げってできるんじゃないかな。生きて行く事に安心感を持つってこういうことなのかなって、日本に居たらきっと分からなかった事、気がつかなかった事だと思いました。

日本は小さな島国だから、知らない事たくさんあると思うんですよ。だから私が感じたことだけでもみんなと共有していきたいなって思います。


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