見出し画像

重症筋無力症

概要

自己免疫機序による神経筋接合部の神経筋伝達障害であり、神経障害ではありません。筋細胞のアセチルコリン受容体に対しての自己抗体が生成や、筋特異的受容体型チロシンキナーゼ(Musk)が原因となります。
女性に多く若年者でも発症します (20-40歳で好発)
新生児でも発症し、その場合新生児無力症という

症状

随意筋の易疲労性・脱力が主症状で、外眼筋・顔面筋に好発します
四肢近位筋力低下、呼吸筋筋力低下による拘束性換気障害
初発症状:眼瞼下垂・複視・球麻痺症状(嚥下障害・構音障害・舌筋運動障害)・鼻声
日内変動:夕方に悪化
クリーゼ:症状が急激に悪化する状態で発症は20%以上で過労・妊娠・感染・ステロイドの急激な減量などが誘因となります

所見

筋電図:M波の漸減現象(waning現象)
テンシロンテスト:抗コリンエステラーゼ薬であるテンシロンで症状が軽快したら陽性
抗アセチルコリン受容体抗体陽性

合併症

胸腺腫、リウマチ、甲状腺機能亢進症、全身性エリテマトーデス

治療

副腎皮質ホルモン製剤
抗コリンエステラーゼ薬(コリンエステラーゼ阻害薬):
アセチルコリンを分解してシナプス間隙の掃除をするコリンエステラーゼを阻害し、シナプス間隙のアセチルコリン濃度を上げる対症療法

合わせて覚えておきたい疾患

筋無力症候群(イートン・ランバート症候群)

肺がんに合併しやすい
四肢近位筋の脱力
筋電図所見は:漸増現象(waxing)

ボツリヌス中毒症

重症筋無力症はアセチルコリンが受容体に付着することが阻害される疾患なのに対し、ボツリヌス中毒症はボツリヌス毒素がアセチルコリン分泌の阻害する

Fisher症候群

ギランバレーの亜型で複視を呈する

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?