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ムーミン展に行った話

THE ART AND THE STORYという副題がついている。東京、大分、石川、愛知、岩手、大阪、北海道、熊本を経て、静岡が最後の巡回展だった。

トーベ・ヤンソンの原画、習作、立体や演劇や縫製などさまざまな分野に展開した作品まで、主にフィンランドのムーミン美術館収蔵作品が展示されていた。

THE STORYというだけあって、ムーミン本編9冊を丁寧に網羅していた。順番にみていくと、生々しいスケッチの数々→本に実際に載ったもの、で並んでいるので何を活かして"本に載せる絵"にするのかがわかりやすくて、THE ARTだけでなく商業的な面もビンビンに感じる展示だった。

トーベほどの天才で、単純にみえる絵でも何回も何回も何回も何回も練習して納得いくまでやるのだというのがわかり、息の詰まる思いがした。一回ごときで何かを完成とさせてはいけない気がしてきた。

コミックスの原画がなかったのが残念だけど、かわりに雑誌の挿絵がたくさんあった。ムーミンがモブキャラというか小さくさり気なくいる作品群で、ムーミンはこれから派生したとよく言われている。戦争や政治に対する風刺画だけど、どこか優しい絵だった。トーべの描く人間の女性は、個性にあふれてて大好きだ。

心残りは、作品に夢中でBGMを全然聴いてなかったこと。せっかくコトリンゴさんが担当されていたのに…。知っていたのに…。なんで…。

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