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【熊本県水俣市】 水俣ワーケーションモニターツアーに参加しました!

水俣ワーケーションモニターツアー の 概要

  • 名称:水俣市ワーケーションモニターツアー

  • 日時:2023年9月26日(火)〜29日(金)の3泊4日

  • 応募期間:2023年8月18日(金)まで

  • 募集人数:10名程度

  • 費用:宿泊費・体験費を補助。食事代・お土産代・交通費などは自費負担。

こんにちは、(株)地域科学研究所 熊本事務所の河津です。
今回は2023年9月26日~29日の3泊4日で、水俣市が主催するワ―ケーションモニターツアーに参加しましたのでご紹介いたします。
本モニターツアーは水俣市の交流人口増加を目指すため、企業へ向け「水俣市のSDGsの取り組みを学びながら、レジャーを楽しむワ―ケーションプログラム」を造成するために行われました。主なフィールドは水俣市の観光スポットである湯の鶴・湯の児エリア。今回はその様子をご紹介します。

モニターツアー1日目

ドキドキの一日目、集合場所の水俣市役所へ。今回のツアー参加者は8名で業種も様々な方々が集まりました。最初のオリエンテーションを終え、早速一日目スタート!!

最初は、エコパーク水俣へ。海沿いに面しているエコパーク水俣では、様々なスポーツ施設や、遊具や木のおもちゃ館といった子どもが楽しく遊べるエリア、また花と緑といった自然を満喫できるエリアなどたくさんのアクティビティを体験できる場所です。また毎年春(4月下旬~5月中旬)と秋(10月下旬~11月中旬)に見頃のバラ園が有名です。

エコパーク水俣を散策中

そんなエコパーク水俣は、水俣病を引き起こす原因となった水銀を含むヘドロがたまっていた水俣湾が埋め立てられて完成した公園です。県内外の方がレジャーを楽しめる場所が、以前は水俣市民の方々を苦しめていた場所であった事実を知ったときはかなり衝撃を受けました。

水俣病慰霊の碑へ

その後、水俣市立水俣病資料館へ移動し、かつて「豊穣の海」と言われるほど豊かな漁場だった水俣市が、大企業チッソが生まれ工業都市に発展し、その後工場排水の影響で水俣病が発生し、多くの人々が苦しみを与えた歴史を学びました。今もなお解決されていない問題ではありますが、私自身できることはないか考えさせられました。

水俣病資料館へ

水俣の歴史とこれからを学んだ後、水俣市で行われているSDGsの取り組みを見学するため、みなまたエコタウンにある田中商店さんへ向かいました。
田中商店さんでは主にガラス瓶のリユース・リサイクル事業をされています。
様々なお話を聞いた中で印象的だったのは、リユースできなくなった瓶を道路の素材として活用した「リグラスロード」はどんな資源も知恵次第で色々なものに変化させることができる可能性を感じ、考え抜く力の大切さを学ぶことができました。また代表である田中社長ご自身がガラス瓶をリメイクした作品は素敵なものばかりで、溢れるアイディアに圧倒されました。

田中商店さんでの視察

1日目のプログラムを終え、いよいよ宿へ。湯の鶴エリアの鶴水荘に宿泊しましたが、自然を楽しみながら静かでゆったりとでき、普段の疲れを癒せる場所でした。(一部参加者は「TOJIYA」さんへ宿泊されました。)

鶴水荘から見た湯の鶴温泉の風景
湯の鶴温泉にある「TOJIYA」

夜は水俣市役所職員と参加者の方々で「田舎料理 蔵」という天保12年に建設された蔵の中で懇親会を行いました。素敵な空間と料理を堪能しながら1日目が終了しました。

夕食は「田舎料理 蔵」へ

モニターツアー2日目

2日目は午前中、宿舎でワークを行い、昼食は水俣市内にある「おるがんと商店」へ。アパートの1階スペースをカフェとしてリノベーションされており、プライベートでもワ―ケーションでも利用できるゆったりとした空間でした。食事はハンバーガーやサンドイッチ、オープンサンドなどメニューも豊富で美味しいものばかりでした。

おるがんと商店にて

昼食後は湯の児地区にてマリンアクティビティ体験をしました!私のチームはSUP体験、別チームはシーカヤック体験を行いました。天候にも恵まれ絶好のアクティビティ日和となりました。私自身水俣の海は初めてでしたが、様々な魚が目視で確認できるほどとても綺麗で、気持ちよくSUPをすることができました。(エイの赤ちゃんも見ることができました!)時間は1時間ほどであっという間に過ぎてしまい、もっとこのまま佇んでいたいと思うほど充実したひと時でした・・・。
今回ご指導いただいた「からたち」さんのSUP体験では小さい子どもや車いすのお年寄りの皆様など様々な方々がご家族と一緒に水俣の海を楽しむことができるようで、プライベートでもぜひ遊びに行きたいと思います♪
※他にも農薬を使わない柑橘類を栽培・販売も販売されているそうです!!

湯の児地区の海
SUP体験中(帰りたくない・・・)

その後、湯の鶴温泉に戻り、旧湯出中学校で毎年地元の方々がお祭りで飾る竹あかりの製作体験を行いました。製作方法はあらかじめ模様を印刷した紙を竹に張り付けて、電動ドライバーと円の大きさの違う工具を使い彫っていくという手順で行いました。最初は慣れない工具を恐る恐る使いながら彫っていきましたが、時間が経つにつれてだんだんと楽しくなり癖になっていきました。(笑)最後は竹全体をバーナーで炙って完成!製作した竹あかりはなんと持ち帰り可能とのことでいただきました。

竹あかり製作中
マイ竹あかり完成♪

モニターツアー3日目

3日目も午前中宿舎でワークを行い、昼食を済ませ、湯出七滝散策路整備体験を行いました。湯出七滝は「座頭滝」、「母滝」、「小滝」、「唐滝」、「赤水滝」、「箱滝」、「大滝」という大小7つの滝で構成されている湯の鶴温泉の観光スポットです。
今回はその滝周辺の整備体験をさせていただきました。整備する前は倒木の影響で滝の景観が損なわれていたり、散策路が荒れていたりなどしていましたが、湯の鶴地区の方々や市役所の方々と協力しながら整備を進めた結果見違えるほどきれいな景観、そして歩きやすい散策路になりました。道に落ちている石を丁寧に取り除き、草木を刈り、そしてずぶ濡れになりながら流木や倒木を運んで・・・と、湯出七滝散策路の一部の整備体験でしたが想像していた以上にかなりの重労働でした。この整備を湯の鶴エリアの方々だけで維持していくことはかなり過酷なことだろうと思うと同時に、地域の資源をきれいに残していこうという「想い」に私自身、尊敬とこれからも何か協力していきたいと感じました。

整備前
全員で協力して川から流木・倒木運び
整備後、自慢したくなるような滝の姿

散策路整備の後は、滝の近くで、山水で淹れたホットコーヒーを飲んだり、滝に打たれて水遊びをしたりと湯出七滝を満喫しました。

山水の淹れたてホットコーヒー
水遊びをしながら滝満喫中

夕食は、一緒に湯出七滝散策路整備をした湯の鶴地区の方々と懇親会を行いました。お料理の中には、地元の方がこの日のために取っていただいた「川ガニ」をご提供いただきました。初めての川ガニで、食べ方を教わりながらでしたが、とても美味しくて無我夢中になりながらいただきました。またこの日が夜最終日でしたが、今までで一番盛り上がり楽しい時間を過ごすことができました。

懇親会にていただいた川ガニ

モニターツアー4日目

最終日は、三日間体験したことを通して考えられる、湯の鶴・湯の児地区でのワ―ケーションを主体とした継続的な取り組みへの意見交換会を行いました。意見交換会の中で、参加者の方々が「水俣市にはこんな素敵な場所があると知らなかった」とお聞きする場面が多くありました。私自身、仕事でしか行くことがなかった水俣市でしたが、このワ―ケーションを通して、たくさんの素敵な場所やおいしい海・山の幸、そして楽しいアクティビティができることを知ることができました。おそらく他にもまだまだ知らない「水俣の魅力」がたくさんあると思います。そういったかけがえのない資源を私自身が楽しみながら体験し、そして伝えていくこと。それがこれから、微力ながらできることではないかと感じた四日間でした。湯の鶴・湯の児地区の皆様、水俣市役所観光スポーツ戦略課並びに関係者の皆様、本当に貴重な体験をさせていただきありがとうございました。

総括ワークショップ

最後に

水俣市役所観光スポーツ戦略課山内さんへ今回のワ―ケーションへの想い、そして今後の展望についてインタビューしてみました!

水俣市役所観光スポーツ戦略課山内さん

Q1.
今回のワ―ケーションモニターツアーを開催するきっかけや想いについてお聞かせください。

A1.
コロナで他と同様に落ち込んだ水俣市の観光需要を改めて喚起するために、新しい旅行ニーズの取組みが何かできないかということで、コロナ禍で注目が高まっていたワーケーションの水俣版を創造できないかという想いで取り組みました。
具体的には、他にはない(公害の歴史や環境の取組みを経験したことなどを踏まえた)水俣オリジナルのワーケーションが創造できるのではないかという期待を抱きながら動き始めました。

Q2.
ワ―ケーションモニターツアーを通して苦労したことはありましたか?

A2.
やはり、来ていただいた方を満足させるために水俣でどれほどの価値がご提供できるのか、関係者と意見を交わしながら現地でのプログラムを組み立てていきました。
単に4日間を過ごしてもらうだけではなく、水俣市の過去~現在~未来にかけてのストーリー性を少しでも考えていただければということを特に意識しました。(より良いものにするために、何度も話をしたり、現地(湯出七滝など)に足を運んだりしました。)

Q3.
ワ―ケーションモニターツアーを通して一番印象に残ったことはどんなことですか?

A3.
地元住民と参加者の皆さんがプログラムを通じてどんどん親交を深めていく姿は想定以上のものがありました。
そして、それ以上に業種や年齢や性別や役職の異なる参加者の皆さん同士が日々親交を深めていく姿は全くの想定外でうれしい誤算でした。
(今後のワーケーションの継続に当たっても、異業種交流による関係創出は一番の魅力となるのではと期待しています。)

Q4.
今後のワ―ケーションモニターツアーの展望についてお聞かせください。

A4.
今回のモニターツアーのプログラムをベースとしながらも、まだまだ地域振興や農業振興においても企業の皆様に向けて新たな学びとなる他にないワーケーションをご提供できると考えています。
そのため、水俣ならではの水俣にしかできないリアルかつ魅力あるワーケーションツアーをご提案してまいりたいと考えています。

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来年度もワ―ケーションツアー行われる予定とのことですので、皆様もぜひ応募して水俣市で素敵な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか?

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