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普通の人がマステを作りました【2】

デザイン経験のない人が、オリジナルマステを作ったお話です。

第二回

手紙社の部員になったことで、マステを作ることになりました。
第一回は、きっかけのお話でした。

第二回は、何を考えてデザインをしたのか?というお話です。
私自身が、その時の思考を整理して残しておきたいと思ったので、書きたいと思います。

まずは、締め切りと規格

マステ製作が決まり、本格的にデザインを考え始めます。

最初に、スケジュールです。まずは締切の確認をしました。
製作することが決まったのが、11月下旬、データ入稿締切が1月上旬でした。間にラフの締切も挟みますが、作業期間は約一ヶ月半
「妄想マステ会議」で発表した以外のデザインを、最初から考えるのは無理だと思いました。なので、『日付シールとしても使える』というそのままのアイディアでいこうと決意します。

そして、製作できるマステには規格があります。マステの幅は20mm。当初考えていたフレーム付きでは、窮屈になってしまうことに気が付きました。
「妄想マステ会議」では、特に規格はありませんでした。自分の作りたいものを自由に話そうという趣旨だったので、私は25mm以上を想定していました。
マステは、一つの細長いデザインを繰り返し(リピート)して作られています。リピートの寸法にも決まりがあって、その中に収めないといけません。

日付、つまり1〜31の数字をフレーム付きで収めようとすると、どうしてもバランスが取れませんでした。
幅いっぱい、といっても印刷の関係で「欠けて欲しくない大事なデザイン」は数ミリ内側に収めないといけません。15〜7mm角のフレームを想定したとして、数字が収まりきらない。
正方形じゃなくて長方形にすると、数字が小さくなったり、アンバランスで見え難くなってしまう。
じゃあ、いっそのことフレームは諦めよう。
その決断は意外とすんなり出来ました。

どんなマステを作りたい?

『フレーム無しの数字マステ』というデザインの方向性は決まりました。
次は数字のデザインです。
フレームをつけられないということは、シンプルに数字だけでデザインを考えないといけません。
ここで「どんなマステを作りたいのか?」を、改めて考えてみることにしました。

どうして日付シールになるマステ?

まず、そこから問い直します。その答えは明確で、自分が日常使いできるものを作りたいからでした。手帳がバレットジャーナルなので、日付シールはいくらあっても困りません。自分で使い切ってもいい!というくらいの気持ちでした。

日付シールとして使ったときのイメージ

自分が使いたいものを

数字がデザインされている「数字マステ」は、よくあるものだと言えるでしょう。日付シールとして使えるマステも多種多様にあります。それでも作る意味はあるのか?という疑問は浮かびました。
これは、自分のバレットジャーナルに一番合うものは自分にしか作れない!という強い決意を持つしかないと思いました。
自分が使いたいものを』というのは、ネットプリントをデザインするときにもコンセプトしています。そのコンセプトを大切にしよう。そうじゃないと、自主制作の意味がない。売れるとか売れないとか、考えなくても踏み出せるのが自主制作の強みかもしれません。

私はバレットジャーナルを二冊運用しています。
一つはライフログのように、二つ目はタスク管理のために使っています。
両方とも手書きで、モチベーション維持のためにデコることも大切にしています。
私はあまり字が上手い方ではなく書き損じも多いので、大事な日付部分は自作の日付シートや既存の数字マステを使っています
両方を使って感じていたことは、自作の手書きの字を取り込んで作ったものは馴染みが良いということ。手書きの手帳には手書きの日付の方が、統一感が出ると感じていました。

黒い方がライフログ用、
ピンクのカバーが付いてるロルバーンがタスク管理用

手書きの数字ならばオリジナリティも確保できるだろうという思いもあり、マステの数字は自分で手書きすることに決めました。

手書きの数字

さて、次はどんな書体にするか?が問題です。
ところで、私は手帳デコが好きです。かわいく、オシャレにデコられた自分だけのページは、モチベーションになります。今まで、いろんな文房具を使ってデコってきました。そうするうちにだんだんと、自分の好みと使いやすさがわかってきます。

  • シンプルでナチュラルなものは使いやすい

  • ニュアンスのあるさりげない可愛さが好き

  • レトロが好きなので、古い紙ものと合わせられたら楽しい

ポイントはこの3つでした。

2月のマンスリーカバーのデコ
レトロな文字がデザインされたデザインペーパーと
自分の手書きの文字を使ったネットプリントを使用

シンプルでナチュラル

実用的に使いたいので、シンプルで見やすいことを第一にしようと思いました。そして、ナチュラル、気取らずに書いた字だと、より一体感を出しやすいのではないか?と思いました。

さりげない可愛さ

それでもやっぱり可愛い字は好きです。ちょっと可愛い要素も入れたいです。

古い紙ものと合わせられたら

昔の海外の手紙や領収書、タイプライターなどが好きで、デコに使うこともあります。古いものと合わせても馴染みやすく出来たらいいなと考えました。

そんなことを考えながら、スケッチブックにたくさん数字を書きました。
ちょっとガサガサした自然体な字、可愛らしさのある字、レトロにも合う字…元々日付シートを作るために書いた字も使って、デザインすることを決めました。

全部の数字のデザイン

紙博 in TOKYO vol.6

このオリジナルマステは、
紙博 in TOKYO vol.6
7階 【88】手紙社雑貨店 にて、お取り扱いいただきます。

紙博は今週末3/18〜19、浅草、東京都立産業貿易センター台東館5階、6階、7階展示室で開催されます。

詳しくは公式サイトを御覧ください。


ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
第三回は、デザインの仕上げ、そして使い方のお話です。

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