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普通の人がマステを作りました【3】

デザイン経験のない人が、オリジナルマステを作ったお話です。

第三回

デザイン経験がない普通の人が、マステを作ることになりました。
第二回では、マステの主役、数字のデザインを考えました。

第三回は、デザインの仕上げ、そして使い方のお話です。

レイアウトと華やかさ

余白も大切

数字と数字の間は、ある程度の余白が必要でした。
カットしやすいように、また、数字一つだけを切り取ってもデザインとして成り立つようにするためです。
コピー紙に実際のサイズで印刷して、手でくるくる巻いて、引き出してカットしてみて……という検証もしてみました。
ほどよく余白を残して、数字を一つずつカットできるようにレイアウトしました。
しかし、全体としては少し寂しい印象になってしまいます。

数字を一つずつカットするには
クリップ式のテープカッター
KOKUYO カルカット
を使うと便利

もう一度レイアウトについて考えます。
まず、見やすさと使いやすさは大切にしたい。実用するなら、視認性の高さは必須です。ぱっと見てすぐ判断出来ることが第一だと考えました。
それから使いやすさ。マステにおける利便性は、貼って剥がせる、そして自由な長さに切れることにもあると思います。
数字毎に切ることを想定していますが、そうじゃないこともあるかもしれない。数センチの長さに切ってデコに使う、何かの封緘に使う…ということも想定するべき用途です。

見やすさ、カットしやすさの問題はクリアしています。レイアウトはこのままが良いと思い、「寂しい印象」と「他の用途への対応」は、違う要素で補うべきだと考えました。

つまり、「数字だけのデザインでは物足りないのでは?」という問題になります。

最初から想定していた問題です。だからこそ、「妄想マステ」の時点でフレーム付きを考えていたといえます。
レイアウトを変えずに、さりげないけどポイントになるような、華やかさのニュアンスを加えられたら……そう思い、加えたデザインが以下になります。

機能性も備えた飾り記号

5、10、15、20、25、30の数字には、ちょっとした華やかさと区切りとして記号や罫線を添えました。5の倍数の日付は、給料日など締めの日であることも多いので、目安にもなるかなと思いました。この飾りは、古い領収書などを参考にデザインしました。

背景には馴染みやすい色を

背景がない(このマステの場合は半透明ということになります)から、寂しいのかもしれないと思いました。しかし背景がないことのメリットは、多いです。
紙の色を選ばず使える、他のマステと合わせやすい、切り口が目立たないなど、他の文具との馴染みを考えると、背景の透明感は維持したいと思いました。
水彩絵具で模様を描き、それを取り込み、背景としてレイアウトしました。水彩の滲みが感じられる程度の、抽象的な模様です。数字毎に切り離したら本当にニュアンス、ある程度の長さで切れば水彩絵具かな?とわかる程度にすることで、透明感を保てたと思います。

前回載せた写真と同じですが
数字に添えられた飾りと
背景にも注目いただければ

使用ソフトは、イラレ、フォトショ

ここまでデザインの話だけで、実務作業的なことには触れていませんでした。
使用したソフトは、主にイラストレーター、絵や字を取り込んだときの色調補正にフォトショップを使いました。これらのソフトは独学です。学習本で少し勉強して、趣味で使っていたくらいです。
ソフトの操作は一通り出来ると思うのですが「印刷所に入稿」という作業が初めてだったので、不安はありました。なので、わからないことは積極的に質問させていただきました。その際、窓口となってサポートしてくださった手紙社の方には、とてもお世話になりました。

マステの使い方

マステのデザインについては、お話しすることが出来たと思うので、次は実際に使っているところを、ご紹介します。
ところどころ既にイメージ画像的に使用例の写真は載せているので、それを改めて説明したいと思います。

日付シールとして

上の4つはネットプリントをコンビニで印刷したもの
下は、フレームスタンプを押して作ったもの
フレームのデザインも自分でしています

ネットプリント配信していた日付シールの枠に貼ってみました。
日付シールは約25mm角です。ぴったりというわけではないですが、貼りやすい余白がある感じです。
私のライフログ用バレットジャーナル、今月のウィークリーがこちらです。

この日付シールと同じように使えると思います。古い紙にフレームのスタンプを捺して、それに貼るのも味わいがあると思います。


幅が三種類のマステ
どれもmtのものです

そしてこちらがタスク管理用バレットジャーナルの1ページです。
このバレットジャーナルは、本当にシンプルなもので、主にデイリーのタスク管理に使っています。一日分のタスクが一目でわかるように細いマステで区切り、日付マステを貼ります。横には、曜日、天気、気分、起きた時間を記入。
数字が適度な大きさなのでそのままでも、視認性はあると思います。他のマステと重ねてもさりげなく馴染むと思います。

コラージュ

マステと、古雑誌の切り離し、古い海外の手紙、色付きの蝋でロウ引きしたときに敷いてきた、ランダムに色が染み込んだ紙で、コラージュしてみました。薄い水彩の背景があるので、意外と色のある紙との相性も悪くないです。

以上、使用イメージでした。
「私はこんな感じに使ってみたよ」というだけで、もしお手に取っていただけたなら、自由にいろんな使い方で、楽しんでいただければと思います。


紙博 in TOKYO vol.6

このオリジナルマステは、
紙博 in TOKYO vol.6
7階 【88】手紙社雑貨店 にて、お取り扱いいただきます。

紙博は今週末3/18〜19、浅草、東京都立産業貿易センター台東館5階、6階、7階展示室で開催されます。

詳しくは公式サイトを御覧ください。


最後に

三回に分けて「デザインの素人がマステを作ることになった」というお話をさせていただきました。
お見苦しい点も多々あると思います。しかし第二回冒頭の繰り返しにはなりますが、自分のための思考の整理、備忘録として残しておきたいと思います。
また、見ただけではきっと伝わらないことは、ちゃんと伝える努力をしようという思いもありました。「売れるとか売れないとかより、自分の使いたいものを」とは書きましたが、興味を持ってくださる方がいらっしゃるなら、とても嬉しいことです。

最後まで読んでくださり、誠にありがとうございました。

紙博は、手紙社さんを初めて知ったイベントでした。大好きなイベントなので、とても楽しみです。
そんなイベントに自分が作ったものを置いてもらえる。密かな夢が叶い、ドキドキと喜びで、少し緊張しております。

このような機会をくださった手紙社さん、サポートしてくださったスタッフさん、ありがとうございました。改めて御礼申し上げます。

去年の夏の紙博で撮った一枚

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